
【漫画やアニメを超越する特別展】これで君も異端の道へ「チ。ー地球の運動についてー地球(いわ)が動く」

2025年3月14日(金)から始まる特別展「チ。ー地球の運動についてー地球(いわ)が動く」を体験して、「なぜこんなにも『チ。』という作品にのめり込むのか」が改めて理解することができる。漫画やアニメの枠を超えて、『チ。』の特別展を開催した意図とその想いを考察してみる。
目次
展示を見ると分かる『チ。』の特徴
全てを通して分かる、不変の主人公
日本科学未来館で理解できる現実
※以下、特別展の情報はネタバレになります。どんな特別展なのか、遠くて行けないから知りたい!そんな方のための記事としてご活用ください。

展示を見ると分かる『チ。』の特徴

さて、ここから作品としての『チ。』と、展示会での『チ。』の内容を絡めて語りたい。本展では、作品の名シーンやセリフなどが掲載されており、第一章「地動説との出会い」から、第四章「地動説の過去、現在、未来」について、解説も含めて非常に盛りだくさんの内容となっている。



これら様々なシーンと共に、その時のセリフが壁一面に書かれている。しかも第一章の中にも数えきれないほどのシーンとセリフがあるのが、ここにこの作品の大きな特徴が表れている。
全てのセリフが名言の如く、重く響く。
もちろん漫画や配信で観ていても、音楽や描写によって印象的に感じられるが、改めてこの特別展では1つ1つの台詞が如何にユーザーに伝わりやすく、破壊力があるのかが理解できる。ここで掲載した写真はごく一部だが、このセリフだけ取っても、一般的な漫画ではここまでの重みを感じ取ることはできないはず。
何故こんなにも”言葉(セリフ)”に重みがあるのかは言うまでもなく、”命”が天秤にかかっているからである。これらの言葉が審問官にでもバレようもんなら、命を落とす危険性があるからだ。それでもこの真理と思われる思想に美しさを感じ、答えを探していきたい探求心・使命をもとに人を動かすのである。まさに、この表現の仕方がもっとも『チ。』の魅力をうまく引き出しているなと感心させられた。
作品を観ている途中の人や、これから観ようと思っている人にとっては全ネタバレをくらう結果となるため、ここは”事前に漫画・アニメを観てから”来館することをオススメする。
全てを通して分かる、不変の主人公
この作品で一番最初に衝撃を受けたのは、主人公と思っていたラファウの死だ。神学を学ぶと発言し、賢明な頭脳を持つ彼が「このあと、地動説を提唱していくのか...」と思っていたのは私だけではないはず。想定や予想を裏切られては、また変わっていく物語に引き込まれ先が気になるのは当然だ。
しかし、本展を体験して改めて気が付いたことがある。(作品を読んでいて、気が付いていたかもしれないが)

「悪役」「主人公にはなれない」と悟ったノヴァクだ。彼だけは最後の最後まで、どの章にも登場している不変の主人公とも言える。実際、本展は各章の構成において、第1章はポトツキ・ラファウ・フベルト、第2章はバデー二・ヨレンタ・オクジ―、第3章はアントニ・ドゥラカ・シュミット・ヨレンタがメインに立ちつつ、必ず右にはノヴァクがいるのだ。



もちろん、この人物紹介だけでなく、途中に掲載されているシーンや名言にもノヴァクが登場しており、改めてこの物語を裏で繋いでいるノヴァクの大きな存在を感じる。地動説を提唱する人物も審問官であるノヴァクがいたおかげで、この物語のスリルと絶対的危機感を保っていたのかもしれない。
本展を体験して「改めて、(主人公は)ノヴァクだな・・・」と感じたのは私だけではないかもしれない。
日本科学未来館で理解できる現実

本展が開催決定され、「日本科学未来館」の文字が見えた瞬間に「(最高かよ...)」と小声が漏れたほどだ。アニメや漫画の展示を楽しむ、といっただけでなく”歴史的瞬間の1ページ”を体験しに来ているとさえ思えたほど。参加者は比較的20~30代の女性が多く、一部推しの方や夫婦で来館されていた方も満遍なく見られた。さらに、修学旅行生も非常に多く、勉強の一環でも来ているようにも見えた。





作品が好きで来館された人も、作品を通して地球で起こった歴史や地動説・天動説の魅力に引き込まれる作りになっているところは、新しい繋げ方だと感じた。友人同士はもちろん、親子で勉強がてら参加したり、謎解き兼推し活で参加するのも魅力ある展示だと言えるため、是非足を運んでほしい。
開催概要
タイトル
特別展「チ。 ―地球の運動について― 地球(いわ)が動く」
会期
2025年3月14日(金)~6月1日(日)
時間
10:00~17:00(最終入場16:30)
休館日
火曜日(ただし、3/25、4/1、4/29、5/6は開館)
会場
日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン
料金
大人[19歳以上] 2,200円(2,000円)
18歳以下[小学生以上] 1,500円(1,300円)
未就学児[4歳以上] 500円(400円)
※( )内は前売りおよび8名以上の団体料金。価格はすべて税込み。
※3歳以下は無料。
※障害者手帳、受給者証等の証明書をお持ちの方は本人および付添の方お一人まで無料。
※常設展も観覧可。
※ドームシアターは別料金(要予約)。
※チケットをお求めの方は特設サイトをご覧ください。
※団体(8名以上)のご予約は「団体予約について」をご確認ください。
※特別キャンペーン(りんかい線、ゆりかもめ)
主催
日本科学未来館、特別展「チ。 ―地球の運動について―」製作委員会
後援
文部科学省、東京臨海高速鉄道、ゆりかもめ
協力
TOPPANホールディングス 印刷博物館、東急電鉄
天文解説監修
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台 天文情報センター長 渡部潤一氏
お問い合わせ先
特別展「チ。 ―地球の運動について― 地球(いわ)が動く」事務局
Tel: 03-6758-2394(コールセンター 平日10:00-17:00 ・3/13まで)
※3月14日(金)以降のお問い合わせ Tel: 03-6820-6050(開館日の10:00~17:00)
https://chi-special-exhibition.jp/
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