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私の好きな映画

じょ〜い小川
2024/10/31 23:05

興味がないアーティストのライブを観に行った人の気持ちがよく分かるM・ナイト・シャマランの平常運転映画『トラップ』

■トラップ

(c)2024 WARNER BROS.ENT. ALL RIGHTS RESERVED

《作品データ》

『シックス・センス』や『アンブレイカブル』など数々のサイコスリラー映画を手掛けたM・ナイト・シャマラン監督の最新作はジョシュ・バーネット主演の新感覚のサスペンス映画。消防士のクーパーは娘のライリーを喜ばせるために世界的歌手レディ・レイブンが出演するアリーナライブのプラチナチケットを手に入れ、一緒にライブに行く。アリーナ席でレイブンのライブを楽しむライリーをよそに、クーパーは会場のある異変に気が付き、さらにひょんなきっかけでその真相を知ることに。クーパー役をジョシュ・バーネットが演じ、他にアリエル・ドノヒュー、サレカ・シャマラン、アリソン・ピル、ヘイリー・ミルズ、ジョセフ・ラングドン、スコット・メスカディM・ナイト・シャマランが出演。

・2024年10月25日(金)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー!

・上映時間:105分

・配給:ワーナー・ブラザース映画

【スタッフ】

監督・脚本・製作・出演:M・ナイト・シャマラン

【キャスト】

ジョシュ・バーネット、アリエル・ドノヒュー、サレカ・シャマラン、アリソン・ピル、ヘイリー・ミルズ、ジョセフ・ラングドン、スコット・メスカディM・ナイト・シャマラン

原題:Trap/製作国:アメリカ/製作年:2024年

公式HP:https://wwws.warnerbros.co.jp/trap/?_ga=2.97344543.1636236072.1730367883-1808692426.1730367883


〈『トラップ』レビュー〉

 

ほぼ毎年、サイコスリラーやサスペンス映画を作るM・ナイト・シャマラン監督の最新作でジョシュ・バーネット主演の『トラップ』。予告編を見ると随分大掛かりなサスペンスのように見えるが、ちょっとした刑事もののテレビドラマのスタジアムでの事件なら珍しくはない。とりあえずは挙動不審なジョシュ・バーネットと、「いくらなんでもそりゃないよ!」と誰もが突っ込むザルな警備体制を見る、良くも悪くもM・ナイト・シャマラン監督らしいライブ会場でのサスペンスだった。

(c)2024 WARNER BROS.ENT. ALL RIGHTS RESERVED

要はライブ会場に殺人鬼が紛れ込んでさぁ大変な状況からの違う角度のクライムサスペンスになるという映画。その捻りはシャマランらしさはある。中盤ぐらいまではジョシュ・バーネットが演じるクーパーの目線、後半からそれに別の人物の目線が加わるサスペンス。

(c)2024 WARNER BROS.ENT. ALL RIGHTS RESERVED

もう一つ加えれば、序盤はライブ会場内に殺人鬼が紛れている恐怖とミステリーの要素もあり、これは後に別のある映画の感覚に変化し、これが複数ある。ただ、その内の一つは上手く出来たが、もう一つは雑に感じられた。

(c)2024 WARNER BROS.ENT. ALL RIGHTS RESERVED

それと、映画の本筋とはややずれるが、この映画の中盤までは己が興味がないアーティストのコンサートやイベント、テーマパークに行った人の気持ちが描けていて、その点では実は優れている。そもそもアーティストのライブパフォーマンスの最中にグッズ売り場に行くとか、興味本位というだけで関係ない場所に行くとか、クーパーの行動はライブやイベント好きな方からすればあり得ない行動だが、R&B系の歌手レディ・レイブンの歌とかパフォーマンスとかそれなりに良くとも不思議と興味が沸かないから、映画を見ている側としてはクーパーの気持ちが分かる。その点ではよく出来ている。 

(c)2024 WARNER BROS.ENT. ALL RIGHTS RESERVED

けど、中盤以降のライブ会場の警備が色々とダメダメ。どう見ても一般人のクーパーがあるエリアに紛れ込んだ時点で警備とかに不審者だと思われないかな?超大昔の田舎町の公民館での演歌歌手のコンサートだったらワンチャン行けそうだけど、2020年代のアメリカでだよ?日本でもちょっとしたスポーツイベントでもIDチェックが厳しいのに、テロ大国のアメリカがゆるゆるなわけがないでしょ。

それと、ヤバい殺人を繰り返す殺人鬼とやらの情報が伝聞と人質監禁動画しかなくて、ヤバさがいまいち伝わらない。もしかして、それ自体もフェイクかとも思ったがシャマラン監督だからそこまでの捻りはない。

 

人気歌手レディ・レイブンをシャマラン監督の娘サレカ・シャマランが堂々と演じていて、俳優としての才能はパパ・シャマランよりも感じられた。要するに娘サレカに目立つ役と、本作のメインの捻りをシャマラン監督がやりたかったんだなというのは分かったし、良くも悪くもM・ナイト・シャマランの平常運転な映画だったかな。

(c)2024 WARNER BROS.ENT. ALL RIGHTS RESERVED
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1 件の返信 (新着順)
奈々瀬詩織
2024/11/04 15:54

監督の趣味が溢れた映画、なのでしょうか。娘さんをいい役柄で出演させたりと。

サイコキラーが、これほどの規模のライブ会場に紛れ込むのは、ホントに警備ゆるゆるじゃないと…ですね。

余り興味のないアーティストのライブに行くと、手持ち無沙汰にはなりますが、問題あるのでそんなに色々な所には行けないですよね💦


じょ〜い小川
2024/11/07 00:17

亀レスですみません。
思うに、ジョシュ・バーネットが演じるクーパーと娘ライリーがコンサートに行く設定はひょっとしたらシャマランの実体験のような気がしますね。そのぐらいリアルというか。

ちなみに、あまり興味がないライブのリアルさは個人的には90年代後半にロックフェス黎明期に体験していて、ステージか1つしかないフェスだと逃げ場がなくて、この映画のクーパーみたいな気分を味わっていましたね。

奈々瀬詩織
2024/11/07 00:44

いえいえ、返信ありがとうございます。
監督の実体験かもしれないのですね。

フェスでステージが1つしかないのは、もうホントに逃げ場がないですよね。
辛い、、、
というか、段々この映画が観たくなってきてしまいました。
何かマジックにかかってしまった感じがします。

じょ〜い小川
2024/11/07 01:19

考えてみますと最近のシャマラン監督作品の秀作『ヴィジット』や、ブライス・ダラス・ハワード主演の『ヴィレッジ』のように少女が関わる作品にシャマラン監督の秀作があるように思えますね。
そういった意味では本作の娘ライリーも良かった。

奈々瀬詩織
2024/11/07 01:51

じょーいさんのお話を伺っていたら、シャマラン監督の過去作も再度観たくなりました。
少女が出てくる作品、ちょっと田舎町で展開するスリラー、面白いですね!