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私の好きな映画

cine-ma
2024/11/08 09:44

2024年に観た映画(44) 「アイミタガイ」

大切な友を失った梓(黒木華)と、亡き親友との思い出を中心に据えて、人と人とのご縁が紡ぐエピソードの数々がやがてひとつのハートウォーミングなお伽噺へと帰結する物語。

文字にしてしまうと正直どれもありきたりなエピソードばかり。なのに中弛みする事もなく、最後のピースがはまって本作のパズルが完成した際にはこちらも充足感を得てしまう。
かけがえのない友との思い出や両親の慟哭を程好いタイミングで挟んでくるので、その都度こちらの涙腺も緩んでしまいます。やっぱり人の死を利用(言葉悪いですが)するのはズルいなとも。
中学の頃からの大親友で実家の場所も知っているのにご両親とは今更初対面とか、そういうところは気になりました。

「相身互い(身)」と漢字で書かれていればなんとなく察しますが、カタカナだとどこかの方言かと思ってしまった。あー勘違い。
そもそもの意味が「同じ境遇や身分の人が、互いに同情し合い、また助け合うこと」なのですが、本作で描かれる他人への気遣いは全てがほんの少しばかりの思いやり。そんな優しさが巡り巡って梓に前向きな心と幸せを運ぶ物語は、決して寓話的にならず気持ちの良い結末でした。

№44
日付:2024/11/4
タイトル:アイミタガイ
監督・共同脚本:草野翔吾
劇場名:シネプレックス平塚 screen6
パンフレット:あり(¥990)
評価:5 

(c)2024「アイミタガイ」製作委員会
(c)2024「アイミタガイ」製作委員会
(c)2024「アイミタガイ」製作委員会
(c)2024「アイミタガイ」製作委員会
(c)2024「アイミタガイ」製作委員会
(c)2024「アイミタガイ」製作委員会
(c)2024「アイミタガイ」製作委員会

本作は映画監督の市井昌秀氏が初稿を書き上げ、佐々部清氏が当初監督を担当するも急逝。草野監督で再始動という経緯で完成。本作の舞台として素敵な雰囲気を醸成している三重県の各都市をロケ地に選んだのは佐々部氏だそうです。

パンフレット(¥990)

<CONTENTS>
・イントロダクション
・ストーリー
・人物相関図
・キャスト・インタビュー 黒木華
・キャスト・インタビュー 中村蒼
・キャスト・コメント
・キャスト・プロフィール
・草野監督インタビュー
・原作者コメント:中條てぃ
・脚本(初稿):市井昌秀コメント
・音楽:富貴晴美コメント
・スタッフ・プロフィール
・プロダクション・ノート
・ロケーション・マップ
・主題歌「夜明けのマイウェイ」
・故佐々部清監督抜きには語れない、心あたたまる人間ドラマ おかむら良(映画評論家)
・知らず知らずの繋がりの中で、ものの見方を変えていく人たちの物語 金原由佳(映画ジャーナリスト)
・クレジット

 

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