敵と味方である前に人間であるということ =潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断=
🎦潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断🎦
7月5日(金)より全国映画館にて公開
Discover us様より、オンライン試写にご招待頂き、本作を全国公開前に先駆けて視聴させて頂きました。このような機会を頂戴し、有難うございましたm(__)m
凄く良かったです!!何度も鼻の奥がツーンとなって涙が出ました。とても感動しました!!
実話を基に描かれる、海の男たちの誇りと絆の戦争秘話。
敵と味方である前に人間であること、戦場の中にあって人間の善意を捨てなかったサルヴァトーレ・トローダ艦長と、彼の決断に従った兵士たちは人間として素晴らしい。まさに誇り高き決断でした。
- 監督 エドアルド・デ・アンジェリス
- 制作国 イタリア、ベルギー
- 脚本 エドアルド・デ・アンジェリス、サンドロ・ヴェロネージ
- 出演 ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ----サルヴァトーレ・トーダロ艦長役
マッシミリアーノ・ロッシ------ヴィットリオ・マルコン副長役
ヨハン・ヘルデンベルグ--------ヴォーゲル艦長役
アルトゥーロ・ムゼッリ--------ダニロ・スティエポヴィッチ役
ジュゼッペ・ブルネッティ------ジジーノ・マグニフィコ役 (料理長)
ジャンルカ・ディ・ジェンナーロ------ヴィンチェンツォ・ストゥンポ役
ヨハネス・ヴィリックス---------ジャック・レクレルク役(ベルギー人)
シルヴィア・ダミーコ------------リナ・トーダロ役(トローダ艦長の妻)
あらすじ(公式サイトより引用)
第二次世界大戦が始まったころ、サルヴァトーレ・トーダロはイタリア国王海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニに艦長として潜航していた。1940年10月、大西洋航行中のこと、ライトを消した貿易船のシルエットが夜の暗闇の中迫ってきた。後ほどわかることだが、それはベルギー船カバロ号で、イギリス軍の武器と軍需品を積んでおり、突如潜水艦に向けて攻撃を仕掛けてきた。短くも激しい衝突が起こり、潜水艦コマンダンテが貿易船を大砲で沈めた。その時艦長は、放っておけばそのまま海で溺れ死んだであろう26名の生き残ったベルギー人たちを、国際海洋法に従い救助して近くの安全な港に降ろしに行くという歴史的決断をした。すべての生き残りを乗艦させることで、3日間敵から視認されてしまう海面上を航行しなくてはならなくなり、それは自らの命と船員たちの命を危険にさらすことであった。カバロ号の船長は、アゾレス諸島のサンタ・マリア島で下船した際、なぜ自らの命令で危険を冒してまで救助してくれたのか尋ねた。サルヴァトーレ・トーダロ艦長はこう答えた。その言葉はのちに伝説として語られることになる。
「私の中には2000年の歴史が血肉となって流れている」
正直最初の方は、ん?これは眠くなるっぽいやつ?と思いました。というのも、妻のリナへの愛を語るサルヴァトーレ・トーダロ艦長のイタリア語の語り口が心地良すぎて(笑)どんなにか妻を愛しているのか、二人が交わるシーンこそ無いですが、裸で抱き合う妻とのひと時の安らぎのシーンには、これから戦争映画が始まるのか?これは恋愛ものだったのか?と思わせるような始まりなのですが、ここには伏線があったわけです。
一旦潜水艦に乗ったら、二度と帰れないことを覚悟している男たち。国に命を捧げる覚悟で、より多くの敵を打ち取らんという勢いで出艦していく潜水艦コマンダンテ・カッペリーニ。それを見送ることしかできない女たち。ここからは、俄然引き込まれて行きました。
敵の攻撃にあって、一人また一人と命を落としていく。
明日を生きたかった命は、いとも簡単に奪われていく。
それが戦争、これが戦場。
人は目の前で溺れて死んでいく人間を見殺しに出きるのでしょうか?
敵とはいえ、彼らにもまた愛する人がいて、大切な故郷があるのです。
敵に命を助けられたことを何とも思わない人たちもいます。
イタリア人兵士たちを「ファシストめ」と言って憎しみの感情を露わにするベルギー人に艦長の取った行為は。。。
トローダ艦長は、敵を保護したことの責任は自分が取ると言って、兵士たちには動揺しないように言葉を送ります。それが、奇しくも日本の明治天皇が日露戦争が始まった時に言った言葉でした。
「通常の生活が続けられ、各々義務を果たすべし」そして、更に言います。「そして日本は勝利した」
イギリス艦隊に接近されたら潜水しなければやられてしまいます。しかし潜水したら上部にいるベルギー人たちは皆溺れ死ぬことになる。それは絶対に避けなければならないとトローダ艦長はある決断をします。
自分たちの食糧もほとんどなくなった中、ベルギーの美味しいものはなんだ?と尋ねると、「フライドポテト」だという。イタリア人は油で揚げてポテトを食す習慣がなかったので、そんな食べ方があるのか!と皆驚く。敵も味方も一緒にフライトポテトを食べるシーンには、胸に熱いものがこみ上げてきました。一緒に食事をすると絆が深まるものだと言います。たとえそれが僅かなフライドポテトだったとしても。とても良いシーンでした。
トローダ艦長は更に言います。
「野蛮なヒロイズムもあるが、それとは異なり魂に涙させるものもある。敗者の前に頭を垂れる船乗りほど偉大なものはない」
この言葉にも胸が熱くなりました。
無防備な敵はすでに敵ではなく、ただの人間であり、ゆえにそれを助ける。なぜなら真に強い者というのは弱き者に手を差し伸べられる者であるからだ。(公式director's noteより)
この信念を貫いた艦長の善意を、今だからこそ伝えたいという製作者たちの思いがひしと伝わってきます。
多くの方に観て欲しい歴史に残る秀作だと思います!
ところで、コマンダンテ・カッペリーニという潜水艦の名前に聞き覚えがあると思ったら、2年前にテレビで放送されたドラマ「潜水艦カッペリーニ号の冒険」(二宮和也主演)を見たからでした!
そうか、あの潜水艦だったのか!と更に感慨深い気持ちになりました。
2023/イタリア・ベルギー/イタリア語・オランダ語/シネマスコープ/121分/ 原題:Comandante
配給: 彩プロ ©2023 INDIGO FILM-O’GROOVE-TRAMP LTD-VGROOVE-WISE PICTURES
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示かずぽんさん、コメント有難うございます♪
「潜水艦カッペリーニ号の冒険」も感動的なお話でしたよ。
デフォルメされてはいるとは思いますが、国境を越えて生まれる友情に感動した覚えがあります。
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示おはようございます。
>「潜水艦カッペリーニ号の冒険」(二宮和也主演)
録画したまま、未見です。
そうか…2年前の放送だったのですね。(汗)
ニノのドラマも、本作も勿論観ます。ご紹介ありがとうございます。