村松健太郎
2024/05/16 15:22
日本版死ぬまでにしたい10の事!?『ハピネス』
「私ねあと1週間で死んじゃうの」。
突然、恋人の由茉に自分の命が残り僅かであることを告げられた雪夫は、その衝撃的な一言に心揺さぶられ、気持ちが追い付かず、戸惑うばかり。
しかし、すでに運命を受け入れた由茉は残されたわずかな時間を精一杯生きる事と決意していました。
由茉は今まではできなかったゴスロリファッションを極め、日本一美味しいカレーを食べに行く。
やがて訪れる大きな喪失を覚悟しながらも雪夫は最後の瞬間まで二人きりで過ごすことに決めるのでした。
嶽木野ばらの原作をベテランの篠原哲雄監督が映画化した本作は、とっぴな設定ではあるモノの、実にフレッシュ且つ丁寧で優しさに溢れたラブストーリーとなっていました。
全てを受け入れて最期を待つ娘を支える両親を演じる(篠原監督作品では役者としてお馴染みの)山崎まさよしと吉田羊も良かったですが、ゴスロリファッションに身を包み雪夫を応援する姉の月子を演じた橋本愛がまた良い演技を見せてくれました。どちらかというとシリアスなキャラクターを演じることの多い橋本愛ですが、今回のような軽いタッチの役柄も見事にはまります。
主演の窪塚愛流と蒔田彩珠の二人はなかなか難しい役どころだったと思いますが、大健闘と言えるでしょう。
悲しい結末で終わることは分かっていましたが、見終わってみるとちょっと暖かくなる一本でした。
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