チーム 名画座
2024/11/20 23:06
昭和・平成シネマ画報 「ゴッドファーザー」「ゴッドファーザーPART Ⅱ」
『ゴッドファーザー』(1972)
見てはいけない闇の世界をのぞき見したような騒めきを覚え、それでいて家族の愛に心揺さぶられる作品。非情の掟に生きるイタリア移民一族が織りなす、もうひとつのアメリカ史。琥珀色に浮かび上がる男たちの強烈な美学。マーロン・ブランドを筆頭に、登場する人物が総じてゾクゾクするような魔性の魅力に満ちている。まさに、珠玉の名作です!
『ゴッドファーザーPART Ⅱ』(1974)
ワインに例えるなら、前作がスパークリングのようなキレとコクに満ちていたのに対し、本作は、より繊細かつ重厚で、芳醇なヴィンテージものの味わいでした。アメリカ社会の″表舞台″のその裏側で、いかにマフィアが侵食していったかがよく分かります。前作の中盤まではまだ青二才であったマイケルが、手のひら返しのように冷徹なドンへと変貌して行く様を、アル・パチーノが怒気を押し殺した重厚な演技で観る者を圧倒します。殺戮と品格、この相反するものが最上級のブレンドとなって、名品は世に生み出されました。
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