チーム 名画座
2024/11/20 23:26
昭和・平成シネマ画報 「ゴースト/ニューヨークの幻」「グリーンマイル」
『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)
最愛の恋人を失った悲しみと彼女の身に迫る危機。そして、奇跡のような愛の瞬間。ファンタジックでセンチメンタル、何よりも力強く前へ進む勇気をも謳い上げる感動作です。
暴漢に襲われて命を落とした恋人は、ゴーストとなって彼女を守ろうとする。哀しいかな、彼女には自分の姿も声を届かない。やがて、自分の死の背景にある、かつての会社の同僚のドス黒い陰謀を知るのだった。不正な蓄財で道を踏み外した同僚を″ポルターガイスト現象″を駆使して恐怖のどん底に突き落とし、愛する彼女に伸びる魔手から救うのでした。全てが解決した時、霊媒師の肉体を通して互いの心を感じ合う2人。光に導かれながら、今度こそ天国へと召されて行く愛する人の姿を見上げながら、大粒の涙がこぼれ落ちてキラキラと輝いた。
『グリーンマイル』(1999)
1935年、人種差別の風吹くアメリカ南部のとある刑務所。見上げるばかりの黒人の大男が死刑囚として送られてくる。罪状は、年端も行かぬ2人の少女を凌辱した上に殺したという。刑務所の看守主任は、この大男がそんな事をする人物には思えなかった。やがて、この男が″予知″や″生命体再生″といった理解し難い不思議な能力を持つことを知る。いくつもの″奇跡″を目の当たりにして、さらには事件の犯人は別にいた事を知るに至り、仲間の看守たちと裁判のやり直りを願い出るが、死刑執行が決まってしまう。看守たちは涙を隠しながら、男の体に電流を送り続けた。
長い長い年月が過ぎ、看守主任は100歳をとうに超えて今も生きている。あの大男の不思議な能力で永遠の生を得てしまったのか。愛する家族や友人たちを見送る辛さも何度となく味わった。それは、無実の男を電気椅子に送った自分への罰なのだと理解しながら、今日も長く孤独な夜を迎えるのだった。
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投稿を表示お邪魔します。さっちゃんです。
『ゴースト/ニューヨークの幻』は観たのですが正直、細部は覚えていません。『グリーンマイル』は原作を読んだ後だったのとフランク・ダラボン監督とスティーヴン・キングとのコンビでの2作目でしたので劇場に足を運びました。
記事のラストに主人公の孤独を書かれておられますが、私も同感です。どうもキングは死刑囚コフィの持つ能力を神の悪い冗談というふうに考えているのではないかと思えてきます。これは『デッドゾーン』あたりでも同様な感じを持ったので、彼は神という存在に対して懐疑的な心情を持っているのではないかと推測するのです。もちろん、アメリカで作家をやっている以上、そうした姿勢を明確に表明してはいませんが。
とにかく本作は生きることと死との意味について考えさせる映画でした。
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