【蔵出しレビュー】三谷幸喜によら新解釈・清須会議『清須会議』
※9月13日から公開の三谷幸喜監督作品『スオミの話をしよう』にあわせて、三谷幸喜監督の過去作品のレビューをUPしました。尚、文章は公開当時のものを一部加筆・訂正したものです。
■清須会議
《作品データ》
『THE有頂天ホテル』『ステキな金縛り』等の三谷幸喜監督が豪華キャストで描く歴史群像コメディ!織田信長が亡くなった後、柴田勝家と羽柴秀吉らが集まり跡継ぎを決定すべく開かれた“清須会議”の激しい駆け引きの行方を描く。役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市、妻夫木聡、浅野忠信、西田敏行ら日本映画界のオールスターによる演技合戦にも注目!
・公開日:2013年11月9日
・公式HP:http://kiyosukaigi.com/
《『清須会議』レビュー》
ここ7年で『THE有頂天ホテル』から『ザ・マジックアワー』、『ステキな金縛り』と映画でもコンスタントで作品を提供してきた三谷幸喜。個人的な好みの差はあれど、どれも高いクオリティでありながら「映画監督・三谷幸喜」としては圧倒的な傑作とは言い難かった。が、今回の『清洲会議』は三谷映画の、
三谷群像劇の横綱相撲の様な作品だった!!
まず、なによりも豪華なキャストが「これでもか!」と言わんばかりに完璧に活かされている。大泉洋と役所広司のメインの二人に小日向文世と寺島進の参謀、中谷美紀の内助の功、佐藤浩市や鈴木京香といったポイントなど、キャストのキャラクターが存分に良さが出ている。各俳優・女優の面白さ、格などが時代劇×群像劇で発揮。意外性という所では妻夫木聡のバカっぷりがお見事で、ストーリーの面白さに拍車がかかっている。
群像劇とは言え『THE有頂天ホテル』みたいに細々した物ではなく、基本的には柴田勝家(役所広司)の陣営と羽柴秀吉(大泉洋)の陣営の内幕と対決で展開している。そこに三谷幸喜による長年の原作の構想と映画化による十分な準備で練りに練れた起承転結がしっかりした『清洲会議』の一つのどっしりとしたドラマが出来て、これまでのどの三谷映画よりも確かな見応えが感じられる。
西田敏行の使い方や、たったワンシーンで見事な風景を見せるなど細かい技もいくつかあるが、これまでの作品のようなクラシック映画のオマージュに頼らない正真正銘の三谷幸喜の映画!! うっかり、日本のロバート・アルトマンと言いたいがそんな形容もいらない。
今年末から来年初めに発表される賞レースに例え引っ掛からなくとも、三谷幸喜監督にはこの傑作を堂々と誇って欲しい! そのぐらいの三谷映画の決定版だ!!
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投稿を表示原作読んでからと思って買いましたが、先に映画にしまーす
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