【ネタバレ】「君たちはどう生きるか」で宮﨑駿監督により興味を持った映画っ子の話
2023年9月12日(火) ※この記事を読んだ方はぜひいいね👍ください!
お気に入りのつけ麺屋さんに通いすぎて気づいたら週1以上通ってた映画っ子です #サービスで卵を毎回つけてくれる寡黙で優しそうな店長
さて。
今日は宮﨑駿監督「君たちはどう生きるか」の映画っ子なりの感想を書いてみようと思います。#ネタバレ注意
▼いつものジブリ映画と今回は何か違うぞ
「風立ちぬ」を完成後の2013年に引退宣言も、そこから引退撤回してまで制作した10年ぶりの長編映画。「君たちはどう生きるか」
今回この映画を見て思ったのが、今まではジブリファンのために映画を作ってきた宮﨑駿監督が、今回は今まで一緒に制作してきたジブリスタッフと自分自身のために作ったように感じました。#この映画こそ宮﨑駿監督の境地かもしれない
宮﨑駿監督らしさはありつつ、ジブリ映画のワクワク感とは違うドキドキ感、幼い子供でもわかりやすいジブリ映画ではない、そしてジブリファンに対しての宣伝や予告を行わなかったこと。#いつものジブリ映画と違い良い意味でファンが少し置いていかれる感じ
そして今までは「自分の思う通り」に作っていたジブリ映画を、今回はある程度ジブリ制作スタッフに任せた部分も多いのかなと思った。だからこそ今までのジブリ映画にはなかった、新しい表現や演出もあり、「ジブリっぽいけどジブリっぽくない映画」になってる気がしました。#だからジブリ映画を期待してたファンはガッカリしたかな
▼映画公開後の公開される裏話
映画公開後、そこで初めて声優陣や主題歌、ストーリ、映像、が明かされていく。裏話や予告編を出すタイミングも異例中の異例 #ジブリにしかできない宣伝戦略 #裏話を聞いてもう一度見たくなる
↑この作品で再会した米津玄師と菅田将暉の対談
↑宮﨑駿監督との出会いから主題歌「地球儀」が完成するまで
↑公開から1ヶ月以上経過してから予告編公開
↑地球儀の由来
▼今回の映画に込められたメッセージ
ここからは映画っ子の解釈です。映画後半に出てきた13個の積み木。これはジブリ長編映画13作品のこと。この13個の積み木により世界がつくられている。この世界はまさにアニメーション業界のことだと思いました。#13という数字にこだわる理由はこれしかないでしょ
ジブリ映画は常にアニメーション業界の中心にいて、クリエイティブに厳しくて真っ直ぐな宮﨑駿の肩には、ジブリ映画のみならず日本のアニメーション業界への責任や期待がのしかかっていた。#ファンに向けた優しい笑顔の裏には、鬼のようにストイックなクリエイターの顔あり
そしておじいさんが自身の作り上げた世界を眞人に引き継ぎ守ってほしいと思うように、この「ジブリ」という世界を誰かに託したい。そう思い続けながら育てた後継者や弟子たちは独立していってしまう。そして今まで一緒につくってきたスタッフたちとの死別。そんな葛藤を抱え、そして限界を感じた宮﨑駿監督は、この映画を最後に「後継者にジブリを今後も続けてほしい」という想いを吹っ切ろうとしたのではないかと思いました。
今回の制作の特徴としては、制作資金全額がスタジオジブリから出ていることで純粋につくりたいものを作れる環境だったこと。宮﨑駿監督はよく作画(絵)に手を出しがちだったのが今回はほとんど作画監督たちに絵を任せており、自分は脚本や監督に留まる。そして制作スタッフには、後継者たちが独立してつくったスタジオが名を連ねる。#自分が作るというスタイルから、みんなで作るスタイルに変化 #作品をスタッフに任せることで、今後のアニメーション業界も後継者たちに任せるという意志か
だからこのタイトルの「君たちはどう生きるか」は、宮﨑駿の後継者や弟子たちそして自分自身に向けた言葉なのではないかと解釈しました。「ジブリ世界が終わった(作らなくなった)あとのアニメーション業界で、君たち(後継者たち)そして宮﨑駿自身どう生きていくのか」 #挑戦状でもあり、冒険の始まりでもある
▼日本のアニメーション業界
今世界に誇る日本のアニメーション文化。宮崎吾朗、森田宏幸、鳥山明、庵野秀明、押井守、新海誠、近藤喜文、百瀬義行、安藤雅司、高坂希太郎、米林宏昌…今のアニメーション業界で活躍する監督たちは、アニメーション業界にいる限り少なからずジブリアニメーションに影響され育てられてきた。
そして日本のクリエイターにとどまらず、ジェームズキャメロン(アバター)、ジョン・ラセター(ピクサーアニメーション創始者)、ウェスアンダーソン(グランドブタペストホテル)なども宮﨑駿監督のジブリには影響を受けていると語る。
さぁ、君たちはこれからアニメーション業界でどう生きていくかい?
▼これからのジブリの行く末
今や巨大化したジブリアニメーションは後継が不在のまま、宮﨑駿監督の手からも離れていくのではないかと思います。そして後世に残る大作品になる。だからこの最後のジブリ映画で、宮﨑駿監督自身もこの映画でようやく「自分が表現したいもの」を表現できた気がします。#今までは観客にわかりやすさ楽しみやすさを取っていた #ようやく自分のやりたいことをできた #ジブリというある種しがらみからの解放か
後継者や弟子たちは心底クリエイターであるからこそ「ジブリという冠」をもらって作品を作るのではなく、自分自身の手でゼロから生み出したい。そう思って独立していく。#映画業界としては望むべくクリエイター #ジブリに残らなくても宮﨑駿監督の血は受け継がれている
だからなんとなくですが、宮﨑駿監督は根っからのクリエイターだから作品は作り続けるけど「ジブリ映画」としては出さないのではと予想します。あくまで宮﨑駿の新作として。「宮﨑駿監督」の第2章が始まる予感・・
▼宮崎駿から宮﨑駿へ
今までのジブリ映画では「宮崎駿」とクレジットしてきたが、この「君たちはどう生きるか」では「宮﨑駿」でクレジットされています。ジブリを生み出した巨匠・宮崎駿とは別の、おもしろい味が宮﨑駿から出てくるのではないかと注目してます。
〈宮崎駿〉スピリットはこれからもいろんな監督によって守られていくだろう・・・
そして新しい〈宮﨑駿〉がどんな作品を生むのか楽しみだ・・・
※宮﨑駿監督をもっと詳しく知りたい方へ。参考文献にいくつか動画を載せておきます。今回のコラムに載せた動画を全部見たら「君たちはどう生きるか」の見方が変わってさらに楽しめると思います。
↑時代と現状に向き合う宮﨑駿監督のドキュメンタリー
↑キャラクターを描いてるのではない、キャラクターに命を吹き込む
↑引退宣言後のチームジブリのドキュメンタリー
↑宮崎駿監督と鈴木敏夫Pの出会い、スタジオジブリ設立まで
↑鈴木敏夫プロデューサーと米津玄師が語る「宮崎駿監督」
↑鈴木敏夫プロデューサーの宣伝戦略
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