【蔵出しレビュー】48歳のペネロペ・クルスの健在が伺える『パラレル・マザーズ』
※7月12日からペドロ・アルモドバル監督作品『 ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』の公開にあわせてペドロ・アルモドバル監督作品の過去作品のレビューをUPしました。尚、文章は公開当時のものを一部加筆・訂正したものです。(TSUTAYA DISCASになかったのでこちらでの投稿にします)
■パラレル・マザーズ
《作品データ》
『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』、『抱擁のかけら』などを手掛けた巨匠ペドロ・アルモドバル監督最新作は女性らの運命を翻弄する重いヒューマンドラマ! ジャニス・マルティネスは法医学考古学者のアルトゥーロと不倫し、彼の子を産むことに。生まれてきた女の子セシリアを溺愛するが、DNAテストで調べてみると実の子ではないことが発覚した。
主人公ジャニス役をペネロペ・クルス、他ミレナ・スミット、イスラエル・エレハルデア、イタナ・サンチェス=ギヨン、ロッシ・デ・パルマ、フリエタ・セラーノが出演。
・ヒューマントラストシネマ有楽町他全国ロードショー中!【R15+】
・配給:キノフィルムズ
・公式HP: https://pm-movie.jp/
《『パラレル・マザーズ』レビュー》
かつては『ライブ・フレッシュ』や『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』など傑作を連発したスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督。2010年代にも『私の、生きる肌』こそはあったが、『アイム・ソー・エキサイテッド!』や『ペイン・アンド・グローリー』など今二つ、三つな作品が続いた中で、『ボルベール〈帰郷〉』(2006年)以来のペドロ・アルモドバル監督、ペネロペ・クルス主演作品となった『パラレル・マザーズ』。
子どもの取り違えを女性視点で描いた悲劇だけでなく、三世代前の親族・近代スペイン史の歴史への思いのはせ方や女性同士の友情など様々な要素を込め、巨匠ペドロ・アルモドバル健在を伺わせる。
何よりも48歳のペネロペ・クルスを現役バリバリのヒロインとして使ったことが大きい。本来なら本作が映画デビュー作となるミレナ・スミットの母親と言ってもおかしくないのに、そのミレナ・スミットのちょっと年上の女友だちとして、赤ちゃんの母親として、何ら違和感なく見れる。
要になるのは事が発覚してからで、そこでペネロペ・クルスが見せるのはまさしく女性が持つ母性。そこにペネロペ・クルスならではの力が感じられる。
今回はこれにジャニスの曽祖父から連なるファミリーストーリーの展開もある。ここには近代スペイン史の悲劇もあり、歴史ロマンとしての味わいもある。さらにそこにジャニスの写真家としての因縁・宿命めいたものもあったりし、意味深さも見える。
事が起こるまでは曽祖父の話も不倫もやや薄味仕様だが、ストーリー展開の速さや色彩、美術、小道具、音楽の使い方など、随所でアルモドバル節健在が見られる。同時にまだまだ第一線の女優としてのペネロペ・クルス健在にも驚かされる。ペドロ・アルモドバル監督の過去作で何かしらハマった方なら必見である。
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投稿を表示ペネロペ・クルス、いつまでたっても美しいですね😍
そういえば、じょ〜いさん😃
アイキャッチ画像は375x750のサイズ(1:2ならok)にしないとホーム画面で切れちゃって綺麗に見えないので、素敵な投稿が勿体無いですよ??😉
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