春画先生
シュールで純愛、どこか浮世離れしていて、可笑しくて愛おしい。登場人物、1人も常識人がおりません。皆、変態で狂っている。なのに品があって、嫌悪感ゼロ。こんな映画が今までにあっただろうか。
【ストーリー】
喫茶店で働く弓子(北香那)は、お客の春画先生こと芳賀一郎(内野聖陽)に声をかけられ、戸惑いながらも春画の世界へ。春画の魅力のみならず、いつしか芳賀への想いも強くなっていく。この芳賀一郎には7年前に先立たれた妻、伊都(安達祐実)がおりました。操を立てて女断ちしている芳賀を、なんとかしたい弓子ですが、まさかの横槍にとんでもない偏愛が覚醒していく!
【そもそも春画って何?】
春画とはなんぞや?という話ですが、かの有名な浮世絵画家、歌磨や北斎のみならず、江戸時代より更に昔から存在していた、主に性交の情景を描いた絵画のこと。しかも私がゾクっとするのは、単なる男女が行う様だけでなく、男色や異生物と、もしくは異生物同士の交わりまで描かれていた事です。これって物凄く先進的、先鋭的ですよ。すんばらしい!
あら?既に私も偏愛に片足突っ込んでます?日本人はオタク気質ですからね。私もその気が十分にありますよ。
【ここを見逃すな】
過去に嫉妬しても仕方ないし、死人に勝つ事は難しい。頭でわかっていても、弓子は悔しくて、芳賀に「春画大全」を執筆させようとする編集者であり、弟子である辻村(柄本佑)と酔った勢いで夜を共にしてしまいます。朝起きたら空色のブーメランパンツ一丁(しかもTバックタイプ)の辻村が現れる。
※ちなみにTバック、最初は無難な黒だったらしいのですが、柄本佑ご本人提案により、あの爽やか空色になったとか。素晴らしい。
しかも、その様子を音声でリアタイで先生が聞いていたって言うじゃあ〜りませんか。とまぁ、声を聞きたいってリクエストする先生も大概ですが、わかりました、と応える辻村も中々です。
【さらにもう一つ、見逃すな】
北香那ちゃんのおっぱい。イメージ通りの小さな良きおっぱいで最高でした。色も可愛かった。好き。しっかりと身体を張った演技に女優魂を感じました。
【いよいよ偏愛は勢いを増す】
さて芳賀、前妻をこよなく愛していたが為に、女断ちをずっとしているという。それ故に、弓子に他の女性には無い何かを感じていながら、一線を越えられずにいたのです。
そんなある日、春画の品評会にお呼ばれした芳賀トリオ(芳賀・弓子・辻村)
その春画鑑賞ですが、まるでエロ漫画のト書きまでをおっさんが淡々と読み、回転寿司の如くその本は回り、目の前に来た本を皆が鑑賞する、というもの。この様ほどシュールな絵面はなかったなぁ。
と、そこでまさかの人に出会うのだったー!
ここからは、一気に弓子が正に『覚醒』していきます。いやぁ、私はカッコよくて清々しささえ感じました。私的にはアソコに行き着くのは必然にも感じました。
【まとめ】
ともすれば、キワモノ映画になりかねないこの映画を、演技力と内から出る品の良さで新しい『エンタメ文化コメディ』にしています。
春画は古くは平安時代から愉しまれてきた文化です。その後、西洋文化の影響により弾圧され人目に晒されず、秘め事のように生き残りました。しかし、それがなかったらどうだったでしょう?性にオープンで友人、親子で楽しんできたのなら。日本は多様性の先進国として、スウェーデンなんか目じゃなかったかもしれませんね。
ふと、そんな事も頭を過ぎる、変態、じゃなく偏愛の世界。皆さんも、足を踏み入れてご覧下さい。
10月13日から、劇場公開中
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投稿を表示本当はこういう作品を楽しめるようになりたいのよね 笑 でも『エゴイスト』より生々しくないって言ってたよね!弓子が覚醒していく姿を怖いもの見たさで観てみたい気もする!
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投稿を表示お邪魔します。
「朝起きたら空色のブーメランパンツ一丁(しかもTバックタイプ)の辻村が現れる。」今作品の裏MVPと思っています。
「※ちなみにTバック、最初は無難な黒だったらしいのですが、柄本佑ご本人提案により、あの爽やか空色になったとか。素晴らしい。」についてX(Twitter)にて知りましたがあの爽やか空色を選んで大正解です(笑)
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