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私の好きな映画

cine-ma
2023/08/25 17:01

主演女優のアクションがスゴイ映画 三選

リボルバー・リリー」で綾瀬はるか@小曾根百合が披露した敵をなぎ倒す合気な殺陣、実に格好良かったです。
という訳で、これまで劇場で観た中で記憶に残る、主演女優のアクションがハンパない作品を選んでみました。


①チョコレート・ファイター(2009)

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日本のヤクザ(阿部寛)とタイのマフィアのボスの愛人の間に生まれた、精神の発達が体の成長に追いつかない少女ゼン(ジージャー)。その代わりに神様が与えてくれた、うちは一族の写輪眼さながらの能力と類い稀な格闘センスを武器に、ママをいじめる悪い奴等を叩きのめしていく痛快アクション。

文字通り”痛快”といいますか、宣伝文句に「ノンストップの生傷アクション」と銘打ってましたが、とても生傷程度で済んでいるとは思えない。特にクライマックスは、このスタントに参加した役者の半分はこれ1本で再起不能になっているんじゃないかと思わせる凄まじさ。
主役のジージャーが華奢な体から繰り出す華麗な一撃は、確実に相手の急所を粉砕しており、あたかも戦いの女神が降臨したかのような神々しさすら感じます。

観賞日:2009/5/27
タイトル:チョコレート・ファイター | CHOCOLATE
監督:Prachya Pinkaew
劇場名:新宿ピカデリー *5
パンフレット:あり(¥700)
評価:5点

(C)2008 sahamongkolfilm international all rights reserved. designed by pun international
(C)2008 sahamongkolfilm international all rights reserved. designed by pun international

②ハイキック・ガール!(2009)

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予告編で女子高生が繰り出す美しきハイキック一閃に魅了されてしまった1本。
登場人物に”本物”を配し、格闘シーンに演技を超えたリアルな迫力を生み出そうとしたその目論見自体は誤りではなかったと、そう思います。事実武田梨奈演じる土屋圭が繰り出す蹴りは、「チョコレート・ファイター」のゼンに勝るとも劣らない。世界有数の美しきハイキッカーかと。

そんな格闘のプロ達の技をもって実現させたアクション・シーンの醍醐味を台無しにしてくれているのが、西監督の演出手法。何度も何度も繰り返し映し出されるスロー再生には映画としてのダイナミズムの欠片も感じさせないどころか、その演出に込められた押し付けがましさにウンザリしてしまいます。何故予告編を観て観客の期待値が上がるのか、まるで判っちゃいないんだから。

「ハイキック一閃」・・・・そう、“一閃”だから良いんです!

途中で主人公が入れ替わってしまうのもいただけなかった。
それでもやっぱり武田梨奈ちゃんのデビュー作におけるハイキックは一見の価値ありです。

観賞日:2009/6/3
タイトル:ハイキック・ガール!
監督:西冬彦
劇場名:渋谷シアターTSUTAYA シアター2(閉館)
パンフレット:あり(¥300)
評価:3点

(c)ハイキック・ガール!パートナーズ

 

「チョコレート・ファイター」公開当時、プラッチャヤー・ピンゲーオ監督はインタビューで続編を考えてると言っていました。そうなれば当然舞台は日本、是非とも武田梨奈ちゃんにも出演して欲しいものだと、日泰(タイ)格闘美女の揃い踏みは観応え満点に違いないとワクワクもしたのですが、その願いは叶いませんでした。


③ベイビーわるきゅーれ

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先日続編が公開されたばかりですが、秀逸なのはこの1作目。
高校を卒業したばかりのちさと(髙石あかり)とまひろ(伊澤彩織)が繰り広げる生業としての殺し屋稼業。所属する組織は結構ちゃんとしていて、卒業したら寮を追い出され、社会人として自立しなければならない(笑)。ルームシェアする女の子2人の日常と殺し屋としてのミッション遂行劇。片方だけでも十分成立する面白さなのに、1996年生まれの阪元監督は、この2つの要素を見事に掛け合わせ相乗効果を生み出した。愛すべき傑作B級アクション・ムービーです。

主役の1人、現在NHKの夜ドラにも出演中の高石あかりちゃんも銃の扱いとかメチャかっこいいのですが、本作でまひろを演じた伊澤彩織さんのガチンコ・ファイトが物凄い。スタント上がりの身体能力で肉弾戦を繰り広げるお姿に、観ているこっちも力入ります(笑)。

観賞日:2022/3/12
タイトル:ベイビーわるきゅーれ
監督・脚本:阪元裕吾
劇場名:キネマ旬報シアター スクリーン2
パンフレット:あり(¥1,000)
評価:8点

(c)2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会

番外編:百円の恋(2015)
決してアクション派の女優さんじゃないのですが・・・(凄いんです)

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0.5ミリ」に続いて主役を演じた安藤サクラさん。
ぐうたらで自堕落な人生を送ってきた32歳の引きこもり女が実家を飛び出して始めた一人暮らし。
社会への適応力も生活力もない彼女の身の丈に合った職場には人生の敗者が集い、彼女に寄ってくるのは身勝手な男や浅ましく醜悪な男ばかり。
何でも百円のコンビニで働きながら彼女が支払う安っぽい人生の授業料。夢も希望もない仕事と恋路。そんな人生を、女としての自分の価値を、冷めた目で受け入れていたかのように見えた一子(安藤サクラ)でしたが・・・・

やるせない人間模様を、不器用な弱者のジレンマを、あらゆる閉塞感を、一子のシャドウ・ボクシングが、そのステップワークが華麗に引き裂く。その爽快感たるや。そこから動き始めるこれまでとは違った人生の歯車。

見事に女性版"和製ロッキー"を誕生させてくれた脚本と冴えた演出。それもスタローンが監督したアメリカン・ドリーム的作品ではなく、ジョン・G・アヴィルドセン監督による第1作 に通じる敗者の美学と人間味が光ります。
そして、引きこもり→フリーター→ボクサーと、一子の三段階の変化を演じきる安藤サクラさん。その軽快なフットワークにシビれ、試合前のスイッチの入り方にはもはや畏怖すら感じてしまった。

本作においてその存在感と共に引き摺るような魅力を放っているサクラさんですが、感性だけではない事をそのボクシング・シーンが証明しています。この作品が放つカタルシスは、彼女が女優として磨いたボクサーとしてのパフォーマンスなしには決して生まれ得ない。
この女優さんから目が離せなくなってしまった1本です。

観賞日:2015/1/16
タイトル:百円の恋
監督:武正晴
劇場名:キネカ大森 KINECA3
パンフレット:あり(¥600)
評価:8点

(C)2014東映ビデオ
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