リーアムの「俳優人生すべてをかけた集大成」 『プロフェッショナル』!!
皆さんこんにちは!
椿です!
熱い!男の熱情を感じさせる作品を観ました!
その作品がこちら!
『プロフェッショナル(2025)』

【作品データ】
◆監督:ロバート・ロレンツ、 フィリップ・リー
◆製作:フィリップ・リー
◆撮影:トム・スターン
◆出演:リーアム・ニーソン、ケリー・コンドン、ジャック・グリーソン、
キアラン・ハインズ、デズモンド・イーストウッド、コルム・ミーニイ
◆2025年 アイルランド映画 106分 シネマスコープ 5.1Ch
◆原題:In The Land of Saints and Sinners
◆字幕翻訳:西澤志保
◆配給:AMG エンタテインメント
◆映倫:G
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◆公式サイト:https://professional-movie.jp
【あらすじ(公式より転載)】
孤高のヒットマン vs 最凶の爆弾テロリスト集団
男の怒りは頂点へ――
1970 年代のアイルランド。血塗られた過去を捨て去りたいと願う暗殺者フィンバー・マーフィーは、正体を隠し、海辺の田舎町で静かに生きていた。だが、引退を決意した矢先、凄惨な爆破事件を起こしたアイルランド共和軍(IRA)の過激派が町に逃げ込んでくる。さらに、ある出来事が彼の怒りに火をつけ、テロリストとの殺るか殺られるかの壮絶な戦いが幕を開ける。避けられぬ宿命に導かれるように、フィンバーは過去に決着をつけるため、最後の死闘に身を投じる――。
【リーアム・ニーソンの魅力横溢】
皆さんは、リーアム・ニーソンという役者のイメージはどんな感じでしょうか?『ダークマン』あたりで頭角を現し、『シンドラーのリスト』『ネル』『マイケル・コリンズ』『スター・ウォーズ ファントムメナス』『ラブ・アクチュアリー』など、すっかり演技派の名優としてのイメージが定着したかに見えていましたが、『96時間(2008)』あたりから現在に至るまで、すっかりアクション映画の定番俳優の地位を獲得した感じですよね。
アクション俳優としては「遅咲き」ではありますが、今や数多いるアクション俳優の中でも人気・実力とも上位にランクインする名優です。
特に『96時間』以降の作品では、凄腕の殺し屋だった彼が、仕事をセーブ(または引退)などして、家庭や第二の人生の方向へ暮らし向きをシフトさせようとしていた矢先に事件に巻き込まれ、その「殺しのスキル」を悪人たちに披露するという役柄でスクリーンを賑わすようになりました。この作品以降、雨後の筍のようにアクション映画の一ジャンルとして現れた「ナーメテーター」(弱そうなおじさんで舐めてかかったら、実は強くて返り討ちに合っちゃう系)のハシリであり、元祖でもあり、現在もなお、意欲的なアクション映画に、「ナーメテータ―」の第一人者としての地位を確立したともいえるでしょう。
本作も、鑑賞前はどちらかというと「ナーメテータ―」リーアムの大暴れが見られるのか!?と思いきやあにはからんや、
アクションもありつつの、演技派リーアムをじっくり堪能できる
リーアムファン垂涎の一本
となっていました!

広告媒体の惹句を見ると、これまでのリーアム映画と同じような、動的で派手なアクションを期待してしまいますが、それよりも「老」リーアムの、老いからくる、周辺の人々へのやさしさや、次世代の人間への温かい視線など、今の、等身大のリーアム・ニーソンをじっくりと感じることができます。
近所に住む少女や町の人々との交流、病気で寝たきりの状況になってしまった親友の妻との、淡い老いらくの恋が描かれ、それが、リーアムの立ち居振る舞い、視線、表情、何気なくも計算されつくされたと感じる演技の中から観客に手に取るように伝わってくるのです。
殺し屋家業から足を洗うことを決めていたリーアム演じるフィンバーは自身の住む田舎町にIRAが来るとも思っていなかったでしょうし、来たところで、特に彼らの活動に関心を抱いているようにも感じられませんでしたが、愛すべき周辺の人々に危害が加えられたとき、彼の静かな怒りが確実に敵を追い詰めてゆく姿がかっこよいのです!
【静かだが熱い男同士の友情】
リーアム演じるフィンバーは、殺し屋という姿を周囲に悟られることなく、溶け込み、町に馴染んでいます。パブに集う人々やパブを切り盛りしている女性や、その娘、隣人の妻・・
その中でも、地元の警察署長でもあるビンセント(名優 キアラン・ハインズ)とは心の通じ合った古くからの友人。二人とも同年代で憎まれ口を叩きあいながらもその実、深く信頼しあっており、深くを語らなくともお互いのことを理解しあっている雰囲気が温かく、銃で空き缶を狙い撃ちして戯れている二人の姿は、その静かな芝居だけで、この二人の、心を許しあっている度合いが強く伝わってきます。ビンセントは、フィンバーが何か只者でないという雰囲気を感じ取っていながら、あえてそれを問うこともせず、友人として素直に受け入れている。この辺の友人としてのやりとりもぐっと胸に来るものがあります)
詳細を細かく説明するようなセリフも映像も、時間も必要がない、美しいアイルランドの寒村の風景と、そこにたたずむ二人の名優の静かなやり取りだけで、十二分にそれが伝わってくるのです。

そしてもう一人、若き殺し屋ケビン(ジャック・グリーソン)との親子ほどにも年の離れた男同士の想いも熱いです。小生意気なケビンの粗い仕事のやり方に異を唱えながらも一目置いているフィンバーの視線は、どこか、息子を心配するような親の様でもあります。一方のフィンバーも、自分と仕事のやり方やスタンスは違っていて、そのやり方は古いとばかりにフィンバーに対応しますが、「プロフェッショナル」としてのフィンバーの仕事に最大の敬意を払っているのです。
この二人の関係もとても温かい。
自分の命を狙っているのが命知らずの人間であることを悟ったフィンバーは、自分が今闘っている相手に関わるなということ、そして殺し屋家業から手を引くよう強くケビンに告げます。それは殺し屋の先輩というよりも、父親目線のそれでもありました。ケビンはそのフィンバーの熱意に心打たれるのですが、フィンバーが窮地に陥った時、決して彼を見殺しにすることができないのです
このように、主人公と共に戦うという感じではないにしても、男同士の熱い友情を感じさせてくれるという意味で胸アツに感じさせてくれる「バディ映画」としても楽しんでいただけます
【執念の悪役】
今回リーアムが相手にするのは殺し屋でも半グレ集団でも、犯罪集団でもありません。1960年代後半から主に70,80年代にかけアイルランド独立をかかげ、イギリスなどに爆弾テロなどを仕掛けていたテロ武装組織IRA(アイルランド共和軍)の一員
私なんかが子供の頃、よくイギリスでIRAによるテロが行われたということはニュースになっていました。また、今のアクション映画などでの悪役テロリストというと、アラブ、イスラム系の武装組織が定番ですが、あの当時はもっぱらIRAが悪役として登場し彼らに敢然と立ち向かうう主人公、というのが描かれた作品が多く作られました。
アイルランド人であるリーアム自身も『レクイエム(五分間の天国)』という作品で、IRAに属していた人物を演じており、かつて自身が報復テロにより殺してしまった男の弟と対峙するという、非常に深いサスペンス作品となっています。


今回のリーアムに挑む悪役は、このIRAなのですが、このIRA自体、数々の分裂を繰り返しており、組織によっては弱体していたところなどもありました。この映画で出てくる敵役はIRAに所属しながらも、学生運動に参加しているかのような人物たちばかりで、IRAに所属しつつも、何か大きな野望を抱いているのでも悪辣な考えを持ち合わせているわけでもない、純粋にアイルランド独立を目指した、テロリストとしては、むしろ「素人」であるかのような集まりなのです。
その集まりをリーダーとして引っ張ってゆく女性 デランも、自身が計画した爆弾テロに、何の罪もない母子を巻き添えにしてしまい深く後悔するなど、とても人間的
しかし、ある理由で、その集まりに所属していた自身の弟が殺害されたことを知ると、IRAの行動を逸脱して、弟を殺した人物を探し出すのに躍起になり、それがフィンバーであったと知るや否や、執念深く彼を追い詰めていくのです。
その姿はまるで鬼神のようでありながら、復讐に見境がつかなくなってしまい、組織を危険にさらしてしまう結果を導いてしまいます。
「素人」のような集まりのメンバーが「プロフェッショナル」であるフィンバーにかかったところで、勝敗は見えているし、とてもではないけれどフィンバーには敵いっこない。しかし、このデランだけは弟への復讐が原動力になっており、一度ついた火は消しようがなく、ただただ執念のみでフィンバーに立ち向かってくる分たちが悪く、ぐいぐいと追い詰めてくるのです。
この凄まじいリーダー デランを演じたのは演技力に定評のあるケリー・コンドン。このじっくりと、人を描き、寡黙に怒りを表出するリーアムの今回の相手として、大変ふさわしい悪役であると感じました。屈強とか俊敏とか、悪辣な悪人ではなく、ある意味市井の復讐に燃えた人間が敵に回ったというところに、この作品の面白みを感じました。
アクションスターとしてのリーアムと演技派としてのリーアムをじっくり楽しむことのできる、まさにリーアムによるリーアムとリーアムファン、そしてアクションと人間ドラマ両方を楽しみたい映画ファンのために作られた、まさに
リーアム・ニーソンの集大成の映画
でございました

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投稿を表示ナーメテーター笑笑 初めて知りました✨クリント・イーストウッドが浮かびましたが、なるほどです ググってみましたら、もはやジャンルとしてあるみたいな感じですね👀
記事拝見し、どのようなラストなの⁉️ととっても気になってきました…!