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Yuji Abe
2025/12/03 19:46

『兄を持ち運べるサイズに』- 迷惑な兄が死んだ。遺された“想い”に触れ、私は自分の生き方を見つめ直す。

身近な人が亡くなった時、あなたはどんなことを考えますか? 映画**『兄を持ち運べるサイズに』**は、そんな問いに優しく寄り添い、亡くなった人との記憶を温かく包み込んでくれる素敵な作品でした。

 

自分勝手で、迷惑ばかりかけられた兄。 しかし、彼の死後に見つかった「ささいな事実」が、私の家族への見方を、そして私自身の生き方さえも変えていきました。

 

あらすじは、迷惑ばかりかけられていた兄が亡くなった。主人公は、遺品整理や周囲の人々との交流という「ささいなこと」を通して、今まで知らなかった兄の真実の姿を知り、彼への誤解を解いていく。

 

歯車は「ささいなこと」で狂い、また噛み合う

 

この映画が丁寧に描くのは、人の心の機微です。 私たちは、ほんのささいなことで誰かを勝手に判断し、歯車が合わなくなって離れてしまう。けれど、その人を理解し直し、心を近づけるのもまた、ささいなきっかけなのです。

私自身、親類が亡くなった時、悪い思い出ばかりが先行して、故人を正しく見ていなかったことに気づかされました。兄が実は私を愛してくれていたと知った時の主人公の救いは、私の心にも深く響きました。

 

柴咲コウの「人間味」と、元妻の「金言」

 

柴咲コウさんの演技、特にその人間味あふれる言葉がとても素敵でした。 中でも、兄の子供を預かることを旦那さんに相談するシーン。普通なら躊躇してしまう場面で、子供の立場になって考えられる彼女の姿に、「私もこんな人間になりたい」と強く憧れました。

また、兄の元奥さんが放ったこの言葉にはハッとさせられました。 「お金がないから幸せでないと思うな。それはお金がある人の勝手な想像だ」 お金に囚われず、幸せになることを第一の目標にして人生を謳歌したい。そう心から思わせてくれる、深いメッセージでした。

 

故人と「和解」したいあなたへ

 

亡くなった人をふと思い出したい時、あるいは心の中で和解したい時。 この映画は、自分自身の心と向き合うための大切なヒントをくれます。ハンカチを持って、ぜひ劇場へ足を運んでください。

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