「存在の耐えられない軽さ」
読書の秋🍂ということで📚原作が魅力的な作品をご紹介します☺️
「存在の耐えられない軽さ」は1984年、チェコスロバキア出身の作家ミラン・クンデラによって発表され、世界的なベストセラーとなりました。私もこの本におおいに引き込まれたひとりです。
映画はフィリップ・カウフマン監督による1987年の作品。ダニエル・ディ=ルイス、ジュリエット・ビノシュの2大スターが共演しました。配信ではみあたらないようですので「やっぱりDISCAS」ですね・・!
ストーリー
舞台は1960年代末、共産主義国だったチェコスロバキア。首都プラハで働く医師トマーシュ(ダニエル・ディ=ルイス)は、プレーボーイらしく独身生活を謳歌していた。嫉妬や束縛をしない画家のサビナ(レナ・オリン)とはお互いを理解しあう仲。
ある時、トマーシュは仕事で訪れた田舎のカフェで、ウエイトレスのテレザ(ジュリエット・ビノシュ)に出会う。テレザはプラハへ戻ったトマーシュを追い、故郷を捨てて上京。真っ向から彼に飛び込んでくるテレザに、トマーシュは言いようのない愛情を感じる。民主化運動「プラハの春」に揺れる都市で、小舟を漕ぎだすように結婚生活が始まったが…
動乱の世で交錯する愛と人生
原作者ミラン・クンデラは、1960年代後半チェコスロバキアで起こった民主化・自由化運動を文化面から支持し、国を追われた作家です(チェコ民主化後もしばらく国籍剥奪状態でしたが、2019年に国籍復活)。
主人公トマーシュも、政治批判につながるコラムを新聞に寄稿したことで医師免許剥奪の憂き目に。夫婦は先に亡命したサビナを頼ってスイスへ出国、この機がトマーシュ&サビナの仲を再燃させてしまいます。またテレザ&サビナは一人の男をめぐる関係ながら、奇妙な友情を育みます。
本作は三角関係の物語にとどまらず、動乱の世が登場人物の人生、彼らの関係性までも翻弄するさまを描いてもいます。
ダニエル・ディ=ルイスはやはりスゴい
女癖が悪いけど理知的でもあるトマーシュ。女性に深入りせず責任ある関係を恐れていたというのに、彼に全人生を供するようなテレザの愛を失いたくもない‥複雑な人物でもあります。
演じるダニエル・ディ=ルイスはさすがで、女性を誘惑するときの表情など、恐ろしいほどリアルで震えます😨笑 妖しいビジュアルのせいもあってか原作のイメージよりも「悪い男」の雰囲気でしょうか‥!
本作の翌年「マイ・レフトフット」で彼が演じたのは、女性に恋を打ち明けることすらやっと、という役柄。まったくかけ離れたキャラでも、それぞれ本当にリアル✨見事な演技です✨
存在の軽さ、重さとは
家族や愛する人にとって、自分の存在はなんであるのか、と考えるより、軽いのか重いのかを考えるほうが答えは明確かもしれません。
そんなことを思いめぐらすと、本作のタイトルは胸に突き刺さります。