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DISCASレビュー

怪物

親、子供、学校の3つの視点で物語が進む群像劇。

この映画は、シングルマザー・教育現場問題・いじめ・虐待・LGBTなど現代の社会問題を映画の中に取り込んでいるが、詰め込み過ぎて伏線回収もしきれぬまま観客側にほおり投げっぱなし感があった。

映画タイトルでもある「怪物」

「いったい何が「怪物」なのか?」

「みんな誰もが怪物になる。」

という普遍的なことについて鑑賞した者たちに哲学的に考えさせたい意図があるのだろう。映画には最後に余韻を残し観客側に答えを求め哲学的に考えさせられる作品はたくさんあるが、この作品は何か違うと思った。

 

それから映画のテーマの一つでもある性的マイノリティも個人的にはいらなかったんじゃないのかな?とさえ思ってしまった。逆にクィア映画ならば、それをもっとメインにすべきだとも思うし他のテーマを詰め込むならそちらをもっと全面に出した方が良かったのでは?と思った。いろいろと中途半端で消化不良。是枝裕和監督は人間の繊細さをうまく表現するのが得意分野でそれが持ち味で私は是枝監督作品が大好きですが、この作品は詰め込み過ぎてそれが崩壊してしまっていると思いました。

微妙な点ばかりあげてしまいましたが、作品自体は面白い作りでハラハラドキドキする展開なのでおすすめできます。

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