村松健太郎
2024/02/28 11:55
多層的に重なり合ったテーマに注目『52ヘルツのクジラたち』
『八日目の蝉』、『孤高のメス』の成島出監督最新作。すでにベテラン監督と言って良いキャリアですが、昨年も『ファミリア』と『銀河鉄道の父』が公開されるなど精力的に作品を手掛け続けていますね。
非常に重いテーマが多層的に重なりある物語になっているのですが、描き方が巧く、重くなり過ぎない空気感を感じることができました。
杉咲花、志尊淳、宮沢氷魚、小野花梨と言った頼りがいのある若手キャストが高パフォーマンスを見せてくれています。彼らの時にスッと力を抜くところももある演技も良かったと思います。
脇を固める面々西野七瀬、金子大地から池谷のぶえ、余貴美子、倍賞美津子まで幅広く集まり、非常に効果的に物語を深掘りさせています。
当然メガホンを取ったのが成島出監督ということで作品が良いことも納得できる部部分もありますが、それでも改めて監督の実力を感じさせてくれる一本でした。
重いテーマをエンタメである映画というフォーマットに移すことの一つのお手本のような映画と言えるでしょう。
舞台となる海辺の街並みもいい味を出しています。
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