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私の好きな映画

じょ〜い小川
2025/03/10 12:27

ユダヤ人建築家のマフィアを抜いた『ゴッドファーザー』!『ブルータリスト』

■ブルータリスト

(c)DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (c)Universal Pictures

《作品データ》

第81回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞し、第97回アカデミー賞でも作品賞を含めた10部門ノミネートしているエイドリアン・ブロディ主演によるあるハンガリー系ユダヤ人建築家の半生を描いたヒューマンドラマ。ハンガリー系ユダヤ人建築家のラースロー・トートは妻エルジェーベトや姪ジョーフィアと生き別れになりながらも第2次世界大戦下のホロコーストを生き延び、アメリカに移住する。ペンシルバニアに行き、いとこのアティラが経営する家具店「ミラー&サン」で働き、資産家のハリソンの息子ハリーから邸宅のリノベーションの依頼を受けるが、その依頼を知らなかったハリソンはラースローが手掛けたリノベーションを見て激怒し、ラースローはこれを機に失職してしまう。主人公ラースロー・トートをエイドリアン・ブロディが演じ、他フェリシティ・ジョーンズ、ガイ・ピアース、ジョー・アルウィン、ラフィー・キャシディ、ステイシー・マーティン、アレッサンドロ・ニヴォラ、エマ・レアード、イザック・ド・バンコレ、ミヒャエル・エップ、ジョナサン・ハイドが出演。

・2月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー【R15+】

・配給:パルコ、ユニバーサル映画

・上映時間:215分

【スタッフ】

監督・脚本・製作ブラディ・コーベット/脚本:モナ・ファストヴォールド

【キャスト】

エイドリアン・ブロディ、フェリシティ・ジョーンズ、ガイ・ピアース、ジョー・アルウィン、ラフィー・キャシディ、ステイシー・マーティン、アレッサンドロ・ニヴォラ、エマ・レアード、イザック・ド・バンコレ、ミヒャエル・エップ、ジョナサン・ハイド

 原題:The Brutalist/製作国:アメリカ、イギリス、ハンガリー/製作年:2024年

公式HP:https://www.universalpictures.jp/micro/the-brutalist 


《『ブルータリスト』レビュー》

エイドリアン・ブロディが主演で、しかもユダヤ人建築家のドラマをインターミッションを挟んで215分……と見る前から「うへぇ…」となりつつも『戦場のピアニスト』とかはまぁ嫌いじゃないからとりあえず見るか、みたいな気分で見たエイドリアン・ブロディ主演映画『ブルータリスト』。ホロコーストを生き延びてアメリカに移民してきたハンガリー系ユダヤ人の半生で、第二次世界大戦後だからほぼホロコーストそのものはなく、それでも戦後のアメリカで生き抜くユダヤ人建築家を描いた映画だけど、

本人のクズさと取り入った資産家への振り回されっぷりなどが不謹慎にも面白く、不思議と飽きない215分だった!

(c)DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (c)Universal Pictures

映画は序章と第一部、二部、エピローグといった構成で、第一部は天才建築家ラースローのアメリカでのサバイバルからの成り上がり、第二部はそこに妻のエルジェーベトと姪ジョーフィアが加わってからのラースローの運命を見ていく。

(c)DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (c)Universal Pictures

一見、ユダヤ人建築家の戦後のアメリカでのサバイバルが大変ながらのサクセスストーリーといった「ザ・ヒューマンドラマ」な映画かなと思いきや、流れは間違っていないしヒューマンドラマだけど、この主人公のラースロー、麻薬をやるは、奥さんがまだ死んでないのに風俗行くは、他人の女に手を出すはなど、「ザ・ヒューマンドラマ」の主人公らしからぬダメな面がわりと見られる。なので、ちょっと成功してもヤバいことをやらかすので終始危なっかしい。

(c)DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (c)Universal Pictures

また、この映画の超重要人物でガイ・ピアースが演じる資産家のハリソンが強烈なキャラクターで、彼のおかげでラースローの運命がジェットコースターのように乱高下が激しい。ハリソンはマフィアとかではないけど気分屋で、さらに息子のハリーはわりとボンクラ。

(c)DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (c)Universal Pictures

あと、第二部から本格登場となるラースローの妻のエルジェーベトも気が強い&気難しい所があり、ラースローとの夫婦仲も微妙で、そこからのラースローの動きも面白い。

(c)DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (c)Universal Pictures

建築家の半生を見る映画ながらマフィアが出ないユダヤ人建築家版『ゴッドファーザー』と言いたいし、第二部の大プロジェクトはレオナルド・ディカプリオ主演の『アビエイター』の後半のエピソードにも近いノリである。ただ、後半の波がおさまった後のその後の流れをちょっと流してしまったのは残念。それでも、

インターミッションを挟みながらユダヤ人建築家の半生をまるっと215分飽きずに見せてくる。

(c)DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (c)Universal Pictures
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