私の好きな映画

Stella
2025/11/18 12:17

チャップリン映画と現代音楽との融合!

◆はじめに

 チャップリンの無声映画を、現代音楽の作曲家マルティン・マタロンの付曲により、ライブ上演する、「チャプリン・ファクトリー」というイベントに11/14に参った。IRCAMのサウンドデザインと、日本人等のアーティストにより演奏された。

 ◆関連情報

 IRCAM

 イルカム:Institut de Recherche et Coordination Acoustique/Musique) :フランスの、音響および音楽の探求と共同のための研究所でポンピドゥー・センターの関連組織としてピエール・ブーレーズによって組織され1977年に設立した。訳語としてフランス国立音響音楽研究所が当てられている。

 マルティン・マタロン

 1958年、ブエノスアイレス生まれ。アメリカで作曲を学んだのち、パリへと移り住み、1990年代からフランスを拠点に国際的な創作活動を展開してきた。IRCAMの委嘱により1995年にスタートした無声映画のための作曲は、マタロンのライフワーク。これまでにフリッツ・ラング、ルイス・ブニュエル、バスター・キートンなど、数多くの名監督たちの作品に音楽を書いてきた。例えば、2023年5月、大野和士の指揮のもとパリ管弦楽団が作曲家マルティン・マタロンの『メトロポリス』(フリッツ・ラング監督)がフランスで初演された。

◆対象映画

 チャプリンの無声映画は、街の灯(1931年)、モダン・タイムス(1936年)やライムライト(1952年)等が有名で、ご覧になっている人は多いと思うが、それ以前の、ミューチュアル社と契約していた時代(1916- 1917)の、以下の3作品が続けて上演及び演奏される。

  • チャップリンの移民(The Immigrant)(1917)
  • チャップリンの放浪者(The Vagabond)(1916)
  • チャップリンの舞台裏(Behind the Screen)(1916)

◆所感

 どの作品もコミカルで楽しいが、とくに放浪等はロマンティックな悲哀を含んだ素敵な作品であった。オケの演奏には、ソプラノの女声が入るのが、とても新鮮であった。個人的には、アコーディオンの演奏がノスタルジックな状況を伝えるのにふさわしいと思った。

 映画のシナリオの構成とは離れての作曲というのが一般的な映画音楽とされるが、ライブでの忠実な音との厳格な同期は目を見張るものがある。無声映画との、こういう楽しみ方もあるのかと感激した。

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