クラシック音楽・オペラ

椿五十郎 バッジ画像
2025/06/20 02:34

映画館でオペラを見る①『トゥーランドット』

皆さんこんにちは
椿です
 

オペラを見る・・・
なかなかハードル高いですよね

 

もちろん生で見るのが一番良いし感動もひとしお・・

 

しかし、鑑賞料金はえらく高い・・
本場物の引っ越し公演なんていったら一番安い席でも万とする・・。
 

まして、オペラが好きならともかく、初めてオペラを鑑賞するというときに、高額払ったのに、いまいち訳わからんで終わってしまっては、もったいない!

 

そんなあなたに朗報!

 

実は「オペラを映画館で!!」という鑑賞方法があるのです!

しかも、本場の舞台、本場の歌手、本場のオーケストラによる、最新の素晴らしい公演を見られるというもの!

 

この上映方式

「ライブビューイング」

といって、今現在、ニューヨークを拠点とする「メトロポリタン歌劇場(通称メト、メット)」とイギリスの「コヴェントガーデン王立歌劇場(通称ロイヤルオペラ)」という世界を代表する歌劇場の舞台を見ることができます

 

このうち、明日6月20日より「ロイヤルオペラ」による上演のプログラム

プッチーニ作曲 歌劇『トゥーランドット』

が1週間、上映されます。

(c)2023 Marc Brenner.

『トゥーランドット』は、その美しくも壮大音楽と、女性の心のひだを音楽に表せたら彼ほど天才的なメロディをかける人はいない!といえるほどの大作曲家であり、超人気作曲家である、ジャコモ・プッチーニの作曲によるオペラで、彼の白鳥の歌(遺作)となっています

▲プッチーニ
(パブリックドメイン)

おとぎ話の時代の中国を舞台に絶世の美女である中国の皇女トゥーランドットと彼を愛してしまった、今や国を追われてしまったダッタン国の王子カラフ、そしてカラフを陰ながら慕っていた奴隷女リューが織りなす悲恋を描いた作品

 

【あらすじ】

おとぎ話の時代の中国は殺気に満ちていた。
今日も皇女トゥーランドットに求婚し想い敗れたどこぞの国の王子が首を落とされるというのだ。なんでも彼女は絶世の美女で、誰もが虜となり求婚するが、彼女を射止めるには彼女の出す3つの謎を解かなければならない。しかし、未だ誰もその謎を解くことができず落とされた首が累々と並んでいた・・。
臣民たちは野蛮に叫びながら姫を讃え、首切り役人を呼ぶ

そんな中、政敵によって国を追われてしまったダッタン国の王ティムールと、奴隷として王に仕えていた少女リューが、その喧騒の中に迷い込む。ティムールは老齢で病を患っていたので、リューが付き添い面倒をみていた。そこへ、行方をくらましていたダッタン国の王子カラフが現れる。親子は再会を喜び合い、カラフはリューに礼を言う。
「なぜこのようになってしまった父の面倒を見てくれていたのか?」問うたカラフに、リューは「あなた様が一度、私に優しいほほえみをかけてくださったから」という
そんな中、トゥーランドットが姿を現し、求婚に失敗した王子の首を撥ねるよう命じる。彼女を見てしまったカラフもまた、彼女の虜となり、周りが止めるのも聞かず求婚の銅鑼を鳴らす

そして、トゥーランドットへのカラフの求婚の儀式。3つの問題が出されるが、なんと3問すべて当ててしまう。

(c)2023 Marc Brenner.

大仰に振る舞っていたトゥーランドットは恐れおののき、カラフの求婚を阻止しようとするので、カラフは逆に彼女に問う

「私の名前を明日までに当てることができたら、私は喜んで貴女にこの首を捧げる・・。答えられなければ私の勝ちだ」と・・・

それを聞いたトゥーランドットは、臣民たちにお触れを出し、

「彼の名前がわかるまで、誰も寝てはならぬ!」と・・

(c)2023 Marc Brenner.

カラフは、自分の勝利を確信するが、カラフと親し気に話をしていたから、きっと名を知っているに違いない、と嫌疑をかけられリューが捕らわれてしまう。リューも「私だけが彼の名を知っている!」というので激しい拷問にかけられる。リューは、トゥーランドットに「氷のような姫君の心も愛が溶かしてくれるでしょう」と訴え、兵の剣を奪い自害してしまう

愛に殉じたリューに驚きすっかり意気消沈するトゥーランドットに、カラフは愛の言葉を畳みかける。そしてトゥーランドットに自身の名前を告げてしまう。トゥーランドットは喜び勇み、臣民たちを呼び集め「彼の名が分かった!彼の名は“愛”だ!」と言って二人は結ばれ大団円のフィナーレ

オペラ初心者には、最高の演目

プッチーニの遺作なこともあって、オペラの紹介本などによっては「上級編」と紹介されることもある本作。しかし、冒頭からの大オーケストラと大合唱の、野蛮なほどに力強い音楽と、中国を舞台にした豪著な舞台は観客の耳目を惹くし、その魅力とテンションのまま、全曲が進んでいくので、最後まであっという間に突き抜けて聞くことが(見ることが)できるオペラなので、椿は、オペラ初心者の方にお勧めは?と聞かれたら、真っ先に『トゥーランドット』を上げます。

物語的には、あまりに理不尽なラストを迎えるものの、内容としては至極わかりやすいことと、硬軟織り交ぜた、魅力的な登場人物、そしてなにより、スケールの大きな音楽と、繊細な歌唱によって紡がれる曲の数々は素晴らしいとしか言いようがありません。

まず、なんといってもリューの歌唱は本当に美しいメロディで涙なしには聞けない曲ばかり「お聞きください、御主人様」や「氷のような姫君の心も」など、女声歌手ならば誰もが歌いたがる曲でしょう。

ちなみに、プッチーニが作曲したのは、リューが自害するまでのくだりで、その先は弟子が作曲して補完しました。初演時、指揮者のトスカニーニが、リューの自害の曲まで演奏し終わると「先生はここで筆を折りました」と客席に告げ、演奏を終わらせました。
そしてカラフの歌う「誰も寝てはならぬ」はオペラアリアの中でも大ヒットで、ルチアーノ・パヴァロッティの歌唱はあまりにも有名。また、トリノオリンピックでフィギュアスケートの荒川静香さんがこの曲を使用して金メダルを受賞。「イナバウアー」と共に「トゥーランドット」は広く日本人に浸透しました。

 

オペラとはどんなものか聞いてみたい!と思ったら絶好の機会だと思います!!
是非ご覧ください!

6月20日より TOHOシネマズ日本橋ほかで公開です

 

 

 

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