圧倒的なブロンド と ちっちゃなブロンド
パリ、テキサス 1984
PARIS, TEXAS
ハリー・ディーン・スタントンがなかなかしゃべらないものだから
最初はなにか知的障害があり、その代わり何かに優れた才能を発揮する男の話かと思ったが、
テキサス州のパリに向かい歩いてアメリカ大陸を縦断している男の話だった
フォレスト・ガンプかっ!
ハリーはこの映画中の人物のままノストロモ号に乗り込んだようだ 宇宙にまで失踪しそうな勢い
ハリーの弟役ディーン・ストックウェル どっかで見たことあるなーおもて
調べると、そうかデヴィッド・リンチの『DUNE』やコッポラの『レインメーカー』に出てるようです
(DUNEに出ていたのは、覚えているかもしれない)
フツーのアメリカ人っぽい でもフランス人の妻を持つのはフツーじゃないかも
ハリーは、砂漠の真ん中のバーでぶっ倒れ、弟に引き取られる 弟の住むロサンジェルスに
車で連れて帰られる道中でも前述のようにしゃべらないし、隙あらば逃げ出した
ロスで弟夫婦が預かっている息子ハンターに会う
天使のような、それでいて時々眼光鋭いハンター君 かわいくて仕方ない
ハリーは失踪人、風来坊然としているが、なんか変に生活感もあり、食器を洗ったり、
家の靴という靴を集めて、天日干ししたりなんかしながら、双眼鏡で飛行機の離着陸を見ている
ハリーとハンター君の掛け合いは最高! ロードムービーっぽいです そうです
二人でヒューストンにいるらしき妻、母ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)を探しに行きます
途中からカーチェイス風味も入ってきたりして、飽きさせない
ジェーンは、いかがわしい”のぞき部屋”にいました
そこでハリーは、ジェーンを愛しすぎて嫉妬、妄想に取りつかれ、妻も子供も捨て失踪することに
なったことを順序立ててきちんと説明しますが(ジェーンもそれを理解したようですが)
ハリーにしてもジェーンにしても、そもそも育児放棄し、弟に息子を預けて
ほったらかしだったんだという事実が、どうしても頭から外れず、彼らに感情移入できない
ハンターを失うようで怖いとすすり泣く弟のよめはんオーロール・クレマンに想い入れしてしまう
(かわいそすぎる)
ラストはネタばらししませんが、
全編を通じて、つま弾かれるライ・クーダーといい、画質といい(特に砂漠のシーン)いい映画です
また、ジョン・ルーリーが出てきた 80年代映画での彼のカメオ出演率は1割五分はあるだろう