2023年に観た映画(33) 「アステロイド・シティ」
所謂映像を観ればこの監督だと察しが付く系の、個性丸出しでクセ強めの監督さん。彼の描く世界観は一見取っつき難さもあるけれど、一度住み着いてしまえばクスクス、ニヤニヤしながらその愛すべき登場人物達を見守ることになります。
ムーンライズ・キングダム(2013年公開)
ウェス・アンダーソン監督作品初体験はこちらの作品。
少々"規格外"な男の子と女の子が二人で企てた脱出劇。子供達を持て余す大人連中を面白おかしくステレオタイプに配置しておきながら、どんどん人間味が増してゆく。この世界を確かなものにする為に、名優達が脇に徹する。中でも唯一の理解者であるシャープ警部を演じるブルース・ウィリスが、本っっ当に良い味出しまくっている。
映像も演出もかなりクセがあって最初戸惑いました。けれどこの物語の住人にさえなれれば、とても楽しい作品。エンディングの音楽も素敵でした。
グランド・ブダペスト・ホテル(2014年公開)
日本では「ムーンライズ・キングダム」公開の翌年に上映された本作。ベルリン国際映画祭では銀熊賞、アカデミー賞は作品、監督、脚本の主要部門含めノミネートされていたにも関わらず、スルーしてしまっていた。不覚・・・
私の場合、劇場での観賞に望みを繋ぐ内はずっと未見のままなので、いつ観賞できるのやら。
№33
日付:2023/8/20
タイトル:アステロイド・シティ | ASTEROID CITY
監督・脚本:Wes Anderson
劇場名:シネプレックス平塚 screen1
パンフレット:あり(¥880)
評価:5
本作の、異色の劇中劇とも言える立て付けに少々戸惑う。早口の状況説明と配役の紹介が頭に入らない。テンポ良く繰り広げられるユーモラスなシークエンスと切り替わりにも付いていけない。少々字幕が判り辛い。とはいえ本作を吹き替えなんかで観ようものならいろんなものを失ってしまいそう。でもって何度か意識が飛びそうにもなりました。
空から宇宙人が舞い降りたあたりでようやく作品の歩調に合わせることが出来た。微笑ましく、愛らしいウェス・アンダーソンの世界は、触れているだけで幸せにもなれる。その独特な映像の色彩感覚とテンポが魅力という点において、ジャン=ピエール・ジュネ監督と似ているような。とはいえこの監督の入門編として、本作は決しておススメしません。
<CONTENTS>
・イントロダクション
・ストーリー
・キャラクター紹介
・レビュー 町山智浩(映画評論家)
・カンヌ国際映画祭での会見内容
・プロダクション・ノート
・コラム サエキけんぞう(ミュージシャン/作詞家)
・コラム 山崎まどか(コラムニスト)
山崎さんの「まるでスノードームみたいな」という本作品の例えは、けだし名言に思えました。
・スタッフ
・クレジット