関心領域と無関心領域
皆さんこんにちは
『ポップコーン片手に🍿』かこです。
カンヌ国際映画祭ではパルムドールに次ぐグランプリを受賞、今年3月に開催された第96回アカデミー賞では国際長編映画賞と音響賞を受賞した現在公開中の
『関心領域The Zone of Interest』
ご覧になりましたか?
私はアカデミー賞受賞から待ちに待って遂に鑑賞することができました!
やはり重い内容でしたが素晴らしい作品でした、早速私のレビューをお届け致します。
監督/ジョナサン・グレイザー
主演/クリスティアン・フリーデル
ザンドラ・ヒュラー
ーあらすじー
悪名高きアウシュヴィッツ収容所と壁ひとつ隔てた隣に暮らす一組の家族を主人公に、その穏やかで幸せな日常を淡々と描きつつ、かすかに漏れ聞こえてくる音や家族の会話などから、収容所のおぞましい実態と、そのことに無関心で優雅な暮らしを謳歌していく家族の実像を鮮烈に浮かび上がらせていく。
強制的に聞かされる不協和音。逃れるには劇場から出る以外に方法はないが、それは冒頭から始まる。遠慮のない音は“捻るような"というのか、とにかく異様で圧迫感を感じる。
しかし物語が進むに連れ、聞こえてくる音にも慣れてくる、生活音なのか不快音なのか区別もつかなくなり、音が消えたことに気づいていなかった。わたしの関心領域とは、鑑賞後、自分と置き換えて対峙することになる。
劇作家ジョージ・バーナード・ショーの言葉にもあるように、他者への無関心こそが人間にとっての最大の罪、一概には言えないが本作においてはその通りだと思う。
自分軸とも違う関心領域、そばにいても無関心になるには何かしらの理由が存在するのではないか。その理由はプライドや、見たくない事は見ようとしない人間の心理など様々だ。
主人公はアウシュビッツ強制収容所で所長を務めるルドルフ・ヘスと妻のヘドウィグ。
夫婦の関心領域は、(かなり遠回しな表現をすると)作業の効率化を図ることやファッションなど、その他パーソナルな事ばかりだ。
特に妻のヘドウィグは、夢にまで見て手に入れた豪邸は何不自由もなく暮らせる幸せの象徴なのだろう。生活へのプライドと執着心も強い。
全ては壁の向こう側、強制収容所あっての生活という事を理解していながら気付かぬふり、感覚が麻痺している。想像力や自然な心理が働くのなら関心領域は夫の仕事内容や収容所に向くはずだ。
しかしある時ふと想像する、
このまま行けば未来(今)はどうなるのか、無関心領域と初めて取るコミニュケーションだ。
自然な心理や他者への無関心な振りは、いつしか自分の心も破壊する。冒頭の不協和音は破壊への警告でカウントダウンだったのかもしれない。
そして何ができるか今一度考えてみるべき、というメッセージだ。
とにかく凄まじい映画だった。
アウシュヴィッツ収容所という核心部分を見せずに、それを想像させる音で観る者に訴えかけてくる。直接的な表現より距離を置くことで、より印象付けるものになってるのだ。
話しは変わるが今はテレビやSNSなどで簡単に情報を得ることができる。伝える側と受け取る側が存在するが、直接顔が見えなくてもどれか一つでも関心を持つことでコミニュケーションが成り立つ、一方的ではダメという事を本作『関心領域』から改めて教わった。関心を持ち感じたことは迷わず伝えていく、これが今の自分と対峙して出た答えだ。
ここまで読んで頂きありがとうございます😊
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投稿を表示先週末観てきましたー。
最初の無音領域とエンドロールの騒音(みたいな音楽)領域がすごく良かったです。
ザンドラヒュラーは戦争の後貧しい生活を経て、娘が結婚して引越しした先が雪山の丘の上の家だったんでしょうね笑。幸薄そうな演技させたらぴか一ですね。
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投稿を表示公開日、予定が合わず観れていないのですが観ますね。
関心領域にも無関心領域にも関心しかありません(笑)
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投稿を表示自分も多分今年一番気になっていた映画で、先日見て参りました。
画作りも音も空間も静かにとがってる映画でした。
賛否両論巻き起こす映画ですね。自分の中の「否」的な感情の中のひとつは、かこさんのレビュー読ませていただき解きほぐすことができました。「未来(今)はどうなるのか、無関心領域と初めて取るコミニュケーション」すごく深い言葉だと思いました。
嬉しいレビューありがとうございます!
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