
『カメ止め』の再来!?映画愛溢れるインディーズの快挙!『侍タイムスリッパー』
みなさんこんにちは!
椿です!
本当に面白い映画を見て、アテクシ感激しております!
多分、おそらく、きっと、椿の2024年ベストワンの映画になると思います!
その作品の名は
『侍タイムスリッパー』

【STORY(公式サイトより転載)】

時は幕末、京の夜。
会津藩士高坂新左衛門は暗闇に身を潜めていた。
「長州藩士を討て」と家老じきじきの密命である。
名乗り合い両者が刃を交えた刹那、落雷が轟いた。
やがて眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。
新左衛門は行く先々で騒ぎを起こしながら、
守ろうとした江戸幕府がとうの昔に滅んだと知り愕然となる。
一度は死を覚悟したものの心優しい人々に助けられ
少しずつ元気を取り戻していく。
やがて「我が身を立てられるのはこれのみ」と刀を握り締め、
新左衛門は磨き上げた剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として生きていくため撮影所の門を叩くのであった。
【監督・脚本・撮影・照明・編集他】安田淳一
【出演】山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの、峰蘭太郎、庄野崎謙、紅 萬子、福田善晴、井上 肇
安藤彰則、田村ツトム、多賀勝一、吹上タツヒロ、佐渡山順久ほか
この本作、今、映画好き界隈で大変な話題になっているのをご存知でしょうか?
巷ではなんと言われているか・・
『カメ止め』フィーバーの再来か!?
と、言われているのです。
インディーズ映画としてひっそりと上映されていた作品が、口コミが口コミを呼び、連日の満席に、何度も見に来るリピーターが増え、徐々に上映される映画館が増え、やがてはメジャーなシネコンの映画館で上映され、社会現象にまでなる。
そう、もう、そんなことは起こりえないだろう、と思われていた『カメラを止めるな!』の快挙を、今、この『侍タイムスリッパ―』が成し遂げようとしているのです!

8月17日に池袋のシネマ・ロサ単館で一日一回の上映が始まると、その面白さの口コミから連日満席、何度も見に来るリピーターも多数。そして、池袋での上映が一日2回に増えたり、川崎でも上映が決定したり・・。それでも熱気が収まらず、とうとう
なぁんと!本日!9月13日よりTOHO系、MOVIX系全国100館以上拡大上映決定!!
と相成りました!
すごいですよね!
この映画を見た映画ファンたちの熱気と情熱が、口コミで話題となり、「この映画を劇場で観たい!」という、全国の映画ファンたちの声によって、まさに全国展開が実現されたといっても過言ではありません。

椿、『侍タイ(サムタイ)』と出会う
ハイっ!不肖椿、本作初見が実は9月3日。
作品好きを語れるほど早くから注目していた!という訳ではありません・・。
実は、とある映画ファンの集まるイベントで、安田監督と主演女優の沙倉ゆうのさんが映画の宣伝にみえていたのです。その際「カメ止めの再来かと噂の映画!」と紹介がありました。本作公開日が8月17日で、イベントが8月18日だったので、「さすがに言い過ぎだろ~っ」程度に思っていて、でも、時代劇ぽいし、フライヤーがかっこよかったので、そのうち観に行こう、、くらいに思っていたのです・・。
今にして思えば、なんともったいないことを・・・。
前日にジェリー・ゴールドスミスのコンサートに出演、一晩中打ち上げでクタクタに酔ってからの映画イベントでまた寝ずのアルコールを入れてしまったため、酩酊状態で、監督さん、女優さんが目の前に居ながらお話もできず、写真やサインをいただいたり、みたいなこともお願いできたかと思う貴重なチャンスを逃しました!(タイムスリップできるなら、あの日に戻してほしい!!)
今となっては、すっかり時の人になられていらっしゃるかと・・😢
その後、親しくしている映画好きの方が、SNSで本作を激賞しているのを見て、本作の存在を思い出し、「あの人がそこまで言うなら言ってみっぺっ」と、池袋のシネマ・ロサへ。
あまりの人気で連日満席が続いていた為、上映時間が2回になっていたことと、平日のお昼時だったこともあり、満席、とまではいきませんでしたが、それでも結構な客入り。年齢層は私のような中年から、若い人まで様々。
はい、いつも椿の記事を読んでくださっている奇特な皆様なら、椿がどんなにか天邪鬼な映画の見かたをする「老害映画しゃべり足らんティーノ」かお分かりいただいているかと思いますが、本作も、「そんなに話題なの?どれどれ、見てやりますかねぇ~」くらいな感じで、相変わらずの傲慢不遜な態度で作品に臨みました。
ところがどっこい!!
もう、スクリーンにくぎ付け!大いに笑って、大いに泣いて!
こんなに楽しい映画は久しぶりだぞ!!
と、心揺さぶられました!
珠玉の2時間強!
そして、、、
この映画の面白さを多くの人と共有したい!!!
と思ってしまったのでありますっ
映画を見てから、情報を漁っていたせいもあるのですが、「X(旧Twitter)」上で、連日のように大絶賛のつぶやきがドドッとオススメされて、ものすごい人気の高さに驚きました。
さすがは「X」の民!映画を見る目が肥えておるっ!などと思っておりましたが、X以外のSNSでは、それほど話題にはなっていない?なんて話も耳に入ってきたので、これは、本作オススメな大騒ぎをしなくては!!
多くに人に見てもらいたい!全国展開してほしい!!
関係者でも何でもないのに、その気持ちを強くしていたところ・・・
あれよあれよという間に全国60以上の映画館での上映が決まり、それが、あっという間に100館にまで膨れ上がるという・・。しかもシネマ・ロサをはるかに上回るキャパ数の劇場で、複数回の上映という・・。
ほんと、全国の皆さんに楽しんでほしい!そして、ロングランになって欲しい!そんな思いで応援し、これからも劇場に足を運びたい!と作品の新たなステージを、こじんまりとお祝いしつつ、これからも劇場に足を運んで本作を鑑賞することを胸に刻んだ、椿なのでありますっ
そんなわけで、9月3日~12日の間に3回鑑賞しましたっ!
情熱的なファンなら少ないですよねっ、すみません!
でも、言わせてください!!
「侍タイムスリッパ―、最高!!」

『侍タイ』ここが好き💗
① 時代劇愛炸裂!
ハイ、椿、ニックネームでもお分かりいただけるかと思いますが、大の時代劇好きでありんす!
映画でのシリアスな時代劇、例えば黒澤映画であるとかも大好物なのですが、邦画の黄金期に量産された東映の娯楽時代劇もめっちゃくちゃ好きですし、それこそ、子供のころから、たくさんの『テレビ時代劇』を楽しみに鑑賞しておりました。『水戸黄門』『大岡越前』『江戸を斬る』『暴れん坊将軍』『影の軍団』『鬼平犯科帳』『子連れ狼』『大江戸捜査網』『遠山の金さん』『必殺仕事人』『銭形平次』etc…
ほんと、昔はどれだけ時代劇があったんだよ!ってくらいテレビで沢山の時代劇が放送されていました。
ところが今はどうでしょう・・・。
テレビ時代劇は、せいぜい早朝の再放送くらい。日中の再放送すらなくなり、あとは大河ドラマか、時々のスペシャルドラマくらい。日常的にブラウン管に映されていたチャンバラや大捕り物、人情劇を1時間の枠で収めた宝箱のような時間はほぼ皆無となってしまいました。
なんで、どうして時代劇がすたれてしまったのでしょう・・
・時代が求めなくなった
・不景気に、金のかかる時代劇は厳しい
・時代劇を「らしく」演じられる役者の払底
・デジタル映像の質感が合わない
他にも様々な要因があるかと思います。
まぁ、映画では最近でも高い評価を受けた時代劇は何作かありますし、Disney+で放送された『SHOGUN 将軍』が史上最多エミー賞にノミネートされるなど、話題は尽きませんが、そういうのではない、
もっと身近に、時代劇が根付いていたころのような作品
が見たいのです!
そう、その頃の時代劇の片鱗と、その頃の時代劇の魅力というものがしっかりと語られ、描かれているのが、この『侍タイ』なのです!
劇中で登場する時代劇『心配無用之介』(というタイトルだったか?)はコミカルにちょっとデフォルメされてはおりますが、「あの頃」の時代劇の薫りがプンプンしており、主役の見栄の切り方や殺陣、ちょっとした人情ドラマまで、テレビ時代劇の要素が溜まらないのです。
そして、タイムスリップしてしまった新左衛門が、そのドラマを見て泣き笑いの大興奮。そして感動。

「人の生きるすべてのものが詰まっている」
といったようなことを、時代劇に感じ涙します。そして、自分も人の心を揺さぶるようなこの仕事がしたい!と、「切られ役」を志願するのです。
この時の、時代劇の感想を語る新左衛門のセリフに大衆時代劇の魅力のすべてが語られています。非常に含蓄のある台詞です。このセリフを聞くと、またテレビ時代劇を見たくなってしまうのです。(この一連の新左衛門のイキイキとした芝居が本当に素晴らしい)
そして、自主映画とは思えない、安定感のあるカメラワークも注目です。自主映画、最近のリアルさを追及する映画としてはせわしない撮影技法が多いと感じますが、本作は時代劇シーンにしろ、ドラマやギャグシーンにしろ、安定感と安心感のあるどっしりとした撮影の感じが出ており、古き良き時代劇の薫りを感じさせてくれます。
そして物語後半をつかさどる、真剣な、まさに命がけの殺陣シーンにグッと惹きつけられます。クライマックスに熱い対決をもってくる!高坂と高見という二人の時代劇役者のぶつかり合いは、あの頃の時代劇と引けもとらぬ緊張感!
ふぅ~!!これだからたまらないよ!!時代劇は!!
と思わず快哉を叫びたくなります

②映画愛炸裂!
本作は、シネマ・ロサの単館上映から口コミで上映が全国に波及した大傑作『カメラを止めるな!』を彷彿とさせます。かといって、『カメ止め』と本作が似てるかというと、そうでもなく、『カメ止め』は冒頭ワンカットで30分強ゾンビ映画を撮るとか、大胆な複線回収でドカンドカンと笑いを誘う、非常にトリッキーな面白さがありました。で、本作はというと、侍がタイムスリップして、異文化に驚きながらもなじんでいく、という点がトリッキーと言えばそうですが、特に目新しいという設定ではありません。
そう、むしろ、本作は古き良き時代の人情喜劇がベースになっているので、より広い年代に楽しんでもらえる作品になっているかと思うのです。
で、この二作に共通しているとすれば「映画愛」です。
こと「映画を作りたい愛」が熱い。映画・映像作品制作の裏側を描いている作品なのでそうなるのは 「自明の理」ではあるのですが、一つの映像作品に対して真剣に取り組むすべての人々を魅力的に描いている、という点が二作ともに共通し、それが映画自体の大きな魅力となっています。映画を作るためにはメインのスタッフや役者だけでない、脇役やそれこそ、名も無い切られ役、映画制作ででかでかと注目される役割でなくても、必要不可欠なスタッフ、それらすべてで映画を作ってるんだ、という「映画」に関わる全ての人の想いと彼らへの敬愛が作品に込められている。
そして何より、監督自身が、どうしても映画を撮りたい!!という信念が映画を素敵なものにしてくれています。自らの映画への想いを熱くしたためた脚本を書き、その本をもとに、その映画に関わりたい!という思いを多くの人に思わせ、スタッフ・キャストが一丸となって、その作品に映画愛をぶつけて取り組ませてゆく。監督自身はその本を作品化するために私財をなげうって、作品作りに取り組む・・。
現に、本作の安田監督は、監督、脚本、撮影、編集等、自身ができることはほぼすべて自分でやってしまう、という、まさに「自主映画」。映画が出来上がった頃には預金が7000円しか残らなかったとのこと・・・。余程、好きでなければ、そんなことできないですよね・・。
そんなわけで、「映画好き」な人にとって胸アツな1本になっておりますので、本当に劇場で観ていただきたい1本なのです。
③適材適所な役者の魅力
本作は、本当に役者さんが隅から隅まで魅力的。
主人公 高坂新左衛門を演じるのは山口馬木也。テレビ時代劇『剣客商売』などでおなじみ。その凛々しい顔つきといいシャキッとした立ち居振る舞いといい、力強い殺陣といい、まさに現代を代表する時代劇役者といっても過言ではないのだけれど、意外にも本作が初主演の作品なんだとか・・。
(悲しいかな、彼の器を収められるような「時代劇」が無くなってしまっているので、今まで主演作が無かった、というのも致し方ない・・)
そして時代劇に最適な感じを醸し出しながら、硬軟織り交ぜてのコメディパートとしても素晴らしい、表情が非常に豊かで、見ていてとても心地よい。特に、いろいろな戸惑いの表情や、表情がころころと変わる場面、おにぎりやケーキを感動しながらうまそうに頬張る姿、助監督の山本優子に抱く淡い恋心を、無骨さと組み合わせて表現するのが実に上手い。きりりとした男前さとチャーミングさを併せ持ち、高坂のそんな表情を見ているだけで本作の心地よさが伝わってくるのです。
きっと本作でファンが増えることでしょう(キャーッ!マッキー!とか馬木さまぁ!とかいったおばさまたちの黄色い悲鳴が聞こえてきそう(笑))
名役者でありながら高坂との因縁があるという風見恭一郎役を演じるのはベテラン男優 冨家ノリマサ。お名前は存じ上げなくても、何となく、どことなく、どこぞで見たお顔だぞ??っていうくらい、ドラマや映画でご活躍されているこの方。恰幅がよく堂々としていて、

台詞のしゃべり方はまさしく「往年の時代劇名俳優」という感じ。懐かしい旧友に会ったかのような、常に温かいまなざしを新左衛門にかける恭一郎の温かさ、10年前に時代劇を捨てた大物時代劇俳優のトラウマを抱えた表情、漢としてのにじみ出る決意。これらがひしと伝わってくる名芝居。
冨家さんって、こういうお芝居の人なのかな?と思ったのですが、シネマ・ロサで見ていると、『最後の乗客』という次回上映作品の予告がやっていて、主演ぽいタクシー運転手が、あれ?どっかで見たことあるぞ??と思っていたら、それが冨家さんだった。ロサ3回目鑑賞時にようやく気付くという・・。そっちの作品では、渋めで、疲れたような表情がニヒルさを漂わせて、風見恭一郎とは全然違うキャラなのにびっくりでした。(ちなみに『最後の乗客』は10月11日よりシネマ・ロサにて上映予定です)
切っ先鋭い妖刀のような新左衛門と、重々しい同田貫を思わせる
恭一郎のにらみ合いと太刀捌きの見事な迫力は、二人の男優による激しい魂のぶつかり合い。これぞ時代劇!!というものを感じていただける名場面です。
そんな漢臭さの中に一輪の花、時代劇の助監督 山本優子を演じるのは沙倉ゆうのさん。
とってもチャーミングで眼鏡の合う、魅力的な女性。将来の映画監督目指して、ひたむきに撮影に臨み、夜は脚本を執筆し勉強する姿。これは、新左衛門でなくともホの字になってしまいます(笑)
沙倉さんは安田監督の懐刀的存在のようで2007年の短編「SECRET PLAN 」から、長編第一作目『拳銃と目玉焼き』でヒロイン、二作目『ごはん』では主人公を演じています。『ごはん』で共演した切られ役レジェンド 福本清三の勧めで東映京都俳優部に入り、役者として活躍の幅を広げておられるとか。

(c)2024未来映画社
また、初見時、助監督役が板についてるなぁ、と思ってエンドクレジットをみたら、んっ!?スタッフ欄に出てくる沢山の「安田淳一」名と共に目が引く「沙倉ゆうの」の名前。制作だ、小道具だ、、そして「助監督」だぁ!?彼女、実際に助監督としてもこの作品に関わってらっしゃったんですね。なんて手弁当な映画作りなんだぁ・・。しかし、それだけ作品に人一倍愛情を注がれているだけあって、彼女の懸命さが画面いっぱいに伝わってきます。
某ラジオ番組で本作を紹介していたときに、パーソナリティが「この作品の女優さん、新左衛門に気持ちが動く微妙な感覚を、関西弁の表現を使ってとてもうまく出していて凄い人だと思った」といった話をしていました。映画を見れば、その辺の感情の揺れみたいなものは分かるのですが、関西弁(京都弁?)を理解していたら、もっとその感じが分かるのかなぁ・・、と、ちょっと悔しい想いです。
この3人がメインの軸で話が進んで行くのですが、周りの固める脇役がこれまたどれも最高なのです。劇中で殺陣師を演じる峰 蘭太郎。きりりとした佇まい、するどい目鼻立ち、立ち姿だけでも絵になる御仁。殺陣師なんて専門的な仕事を、こうも「らしく」演じられる人が居るんだなぁ、と思ったら、なんとこの方、大川橋蔵の弟子という本格派。切られ役として活躍したり《殺陣技術集団・東映剣会》の会長等を歴任したという、その道の大プロ!そんな人が語る、昔の時代劇撮影現場の活況と、今の時代劇の低迷ぶりに思いをはせる台詞には本当にジンっときます。
彼と新左衛門の殺陣稽古でのやり取りは大爆笑必至です!
劇中時代劇『心配無用之介』(このタイトルだったよなぁ・・(;^_^A)で、主人公を演じる錦京太郎役の田村ツトム。いちいちキメのポーズが昭和の時代劇の主役っぽく、それを面白おかしくデフォルメして本当に可笑しい。甘いマスクで、まじめに時代劇やったら何となく主役を張れるのではないか、という感じながら、細かいボケの繰り出しが楽しく上手い役者さんで、本作に笑いのエッセンスをピリッと振りかけてくれます。また、現代人の錦京太郎として、大先輩の風見恭一郎が時代劇に復帰すると聴いた時の表情が、二人の間柄を感じさせてくれる、ちょっとしたシーンですが、うならせてくれます。
京太郎にくっつく?切られ役の役者さんも個性的で、中でも面長、ギョロ目の安藤を演じる安藤彰則の存在感が凄い(笑)。どっかでみたことあると思ったら『半沢直樹』に出てたらしいので、それも見直さなきゃと思います。この3人の切られ役と京太郎ははじめ、新左衛門に撮影をめちゃくちゃにされたのに、その後仲間としてとても温かく迎えてくれる。そのやさしさや何気ない表情がとっても素敵。
新左衛門を温かく迎え入れてくれる西経寺住職の福田善晴、その妻 紅 萬子、撮影所の所長 井上 肇といったベテラン陣の芝居の上手さも格別です。紅さんや井上さんは、その膨大な出演作の中、安田監督の過去作にも出演しているらしく、芝居面で本作を支えているといっても過言ではありません。
昔懐かし昭和の人情喜劇の味わいと、ハートフルな心持の絵面は、こういった役者さんたちのにじみでてくる一挙手一投足によって生み出されていることがよくわかります。ちょっと今ではオーバーアクトに感じられてしまうような芝居も、ここではものすごく素敵に作用しています。

(c)2024未来映画社
④監督の映画愛と本格スタッフの心意気
安田淳一監督
つくづく凄い。企業用PRビデオや結婚式などのビデオ撮影、はてはイベントの企画、演出なども手掛ける仕事を生業としていたのが、父親の逝去にともない、実家の米農家も引き継ぎながら映画を製作。農家で苦労をしながら、本作の脚本を書き上げ、「時代劇」という、素人では簡単に手の出せない、多くのスタッフや資金を擁する映画を撮りたい!という思いで資金集め。
いざ、撮影が始まったとなったら、製作費節約のため監督だけでなく、撮影やら編集やら、もう、エンドクレジットをみているだけで、一体どれだけのことをやているのか!
監督やスタッフがいくつもの仕事を兼任するのはインディーズあるあるではあるけれど、さすがに時代劇でこれをやっちゃうというのは、本当に凄い!
こんなに情熱を持ってる人、いる!?
ほんと、このエピソードを聞いているだけで、何か胸アツなものを感じます。
しかし、監督のこの情熱だけで、これだけのクオリティの高い「時代劇」を作ろうったって、そんなこと到底不可能です。そう、不可能なんです。
ところが・・
監督の情熱が山を大きく動かしたのです!
時代劇の本場、東映の撮影所関係者がこの脚本を読み、本来なら時代劇の素人が時代劇を撮るような無謀なことは支持しない、が、この脚本は面白い!是非実現させたい!!と申し出、なんと東映スタッフの全面協力のもと、撮影所を安価で貸し出したり、超一流の時代劇スタッフが関わらせたり、ということで、「時代劇」としてまったく違和感のない、とても「自主映画」とは思えないクオリティの作品が出来上がりました。
劇中のセリフ
『一生懸命やっていれば、誰かが見ててくれるんやなぁ~』
を、まさに地で行く偉業を成し遂げてしまったのです。
やはり本場のスタッフを動かしたのは、廃れ行く『時代劇』という日本の文化、それにかかわってきた様々な人たちの想い、それを楽しみ笑顔で喜んでくれた観客・視聴者たちへの想いが、まさに本作の脚本に凝縮されていたからだったと思います。それだけ、人々の心を打つ脚本であり、その脚本を、映画作りの情熱を持った監督や自前のスタッフ、時代劇づくりに熱き思いをぶつけてきた時代劇職人スタッフたちの想いの魂の塊が、この映画として結実したのですね。
なおなお!!
安田監督作品、この『侍タイ』フィーバーにより過去作上映が特別にあったりします!!
『ごはん』
墨田区菊川の映画館 Stranger にて、9月20日より上映→ここをクリック
『拳銃と目玉焼』
高円寺シアターバッカスにて9月26日(残席僅か)→ここをクリック
そして、10月21日~10月24日に、高円寺シアターバッカスにて
『安田監督&未来映画社特集4night』が行われます!9月に見逃しても10月に見られる!!
→ここをクリック
⑤切られ役レジェンド 福本清三
もう一つ、時代劇の本格スタッフたちの心を動かしたのは、本作に流れる「切られ役レジェンド 福本清三」へのオマージュとリスペクトを感じたから、というのも大きな要素なような気がします。
福本清三、と言えば、昭和平成の時代劇には無くてはならない「切られ役」役者。長身で面長、鋭い目つき、切られた時の見栄の切り方、もう、見れば「この人!!」というのが一発で分かるくらい、切られ役の中でも突出した存在でした。本当に時折、セリフをしゃべったりもしますが、大部屋俳優としての役目をきっちり果たす、プロ中のプロでした。
そんな彼が世界的に知られるようになったのは、トム・クルーズ、渡辺謙等が出演した『ラスト・サムライ』での寡黙な武士役で出演したことでしょう。そこでの、台詞を一切しゃべらないのに強烈な存在感はまさに「切られ役」で培ったものでした。
そんな福本さん。当然、東映の時代劇スタッフからも尊敬のまなざしで見られている人物。
安田監督は、前作『ごはん』で福本さんに出演させています。この『侍タイ』も福本さんをオマージュして書いた作品でもあり、劇中で登場する殺陣師 関本役は、もともと福本さんを充てる予定だったとの事。しかし、残念なことに2021年にご逝去されました。そこで後輩にあたる峰さんが演じたという流れだそうです。出演快諾後、峰さんは福本さんの墓前に挨拶に向かわれたとの事。
福本清三、という存在が無ければ、本作は作品として成立しなかったかもしれないし、そもそも生まれていなかったかもしれません。
なお、本作は福本清三に捧げられています。
時代劇は永遠に不滅です!!
本作は、滅びゆくもの、廃れゆくものへの愛ある眼差しで包み込んだ作品であり、それへのエネルギーをぶつけた作品でもあります。歴史の波に埋もれてしまった仲間の武士(もののふ)たち、時代の流れとは言え、残酷に死を迎えなければならなくなった仲間や故郷の人々・・。滅んでしまった会津への想いと、名も無く散っていった、様々な人々への想いを、現代へ語り継ぐために残しておかなければならない『時代劇』への強い想い。本作ラスト30分の濃密な空気と切っ先がぶつかり合うシーンは、滅んだもの、廃れゆくものへの激しい想いに貫かれたメッセージとなって観るものの心に突き刺さってきます。
そしてもちろん、テレビ時代劇へのオマージュですから、終わりはハートフルで優しい笑いと衝撃な笑いで締めくくられます。
あまり時代劇に振れなかった世代が、時代劇に夢中になってみていた世代が、『侍タイ』を見て、時代劇の復権を求めるようなうねりになることを願ってやみません!日本人として、日本人の心があれば、そこに必ず『時代劇』は存在します!時代劇は不滅です!
『侍タイ』フィーバーはいよいよ今日から!
はい、また取り留めも無くダラダラ書いてしまいましたが、
こんな稚拙な文読んでるより、見ろ!
観ようかどうか迷ってるより、見ろ!
配信にしようなんて思うより、見ろ!
もう、是非劇場でご覧ください!
全国の劇場だけでなく、世界をまたにかけての上映も決まっている本作!
海外でも大絶賛!!⤵
今のうちに、早いうちに、是非是非劇場で素晴らしい映画体験をなさってくださいっ
さてさて、私椿も、これから、4回目の鑑賞に行ってきま~す!!

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投稿を表示ものすごく熱く語ってらっしゃって、ますます観たくなりました!
これ、絶対私好きなやつだろー、と思いつつ、機会を逃しに逃し続けて、今更行くのはどうかと迷っている今日この頃でしたが、やっぱり行きたいですね!!
伝えたい情熱をありがとうございます!
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投稿を表示す、凄い熱量のレビューキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
椿さんがこの映画と出会った経緯まで分かり、胸アツです!
ホントに時代劇の放送が減ってしまいましたね…。
これをきっかけに増えてくれたら嬉しいです✨
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投稿を表示まさに少しほとぼりが落ち着いてから観ようかなと思っていたのですが、記事読ませていただき、すぐに見ようと思いました!!
迷っているより、見ろ!が刺さりました
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投稿を表示X(Twitter)では日を追うごとに侍タイフィーバー(古い)になっていますね!(^^)!
関わっている千葉の映画館でも公開しております。
私も近々、拝見いたします!
こんな稚拙な文読んでるより、見ろ!
観ようかどうか迷ってるより、見ろ!
配信にしようなんて思うより、見ろ!
をアニマル浜口さんに言ってもらいたいです(笑)
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投稿を表示きたー!!!椿さんの圧倒的熱量レビュー!!鑑賞してからじっくり読ませていただきます😁👏
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投稿を表示昨今時代劇が放送されなくなって淋しい限りです(´;ω;`)
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投稿を表示カメ止めの再来ってみんな言ってますよね!楽しみです!
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投稿を表示いやー椿さんのコラム好きです😍。
椿さん自身が映画愛に溢れていてレビューに止まらない主観的なコラム素敵です♪。行ってみたくなりました⚔️
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投稿を表示あ、安田淳一監督の過去作品も上映することになったんですね。
監督が脚本だけでなくて、編集、撮影、配給&制作会社、資金調達、宣伝まで兼ねてるから手作り感が半端なかったですね。