【夢のコラボ】是枝裕和×坂元裕二×坂本龍一で贈る映画『怪物』の見どころ
今年、日本最高峰の才能が一堂に会した映画『怪物』が6月2日に公開。日本映画界を牽引する是枝裕和と唯一無二な世界観と会話劇で魅了する坂元裕二がタッグを組み、美しい音を生み出し世界的に活躍された坂本龍一が音楽を手がけ、圧倒的な演技力を持つ安藤サクラと永山瑛太が出演する、まさに夢のコラボレーションが世に放たれます。
公開に先がけ5月8日(月)、是枝裕和さん、坂元裕二さん、キャスト陣が登壇した完成披露試写会に参加してきました!(写真左から:中村獅童、高畑充希、永山瑛太、柊木陽太、黒川想矢、安藤サクラ、坂元裕二、是枝裕和)
ということで今回は、映画『怪物』の見どころをご紹介いたします!
映画『怪物』あらすじ
大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した−。(引用:映画『怪物』公式サイト)
3つの視点から描かれる物語
本作は、ある日学校で起きた子ども同士のケンカをきっかけに、子どもが教師から体罰を受けたと訴える母親、体罰をしていないと言う教師、教師にいじめられたと主張する子どもたち、これらの食い違う3つの主張の中にある物語を描いています。そしてその騒動はやがて、嘘や噂、疑惑とともに社会やメディアを巻き込み、大事へとなっていきます。あらすじを少しだけ詳しく書いただけですが、本作のポイントはずばり”視点”です。それぞれの視点で描かれる物語は、まるでゴールのない迷路に迷い込み、物語という導きによって次々と道が開かれていき最後は一人一人のゴールに辿り着きます。様々な視点が映し出すものとは一体?そして、視点の先にある怪物とは一体?母親役の安藤サクラさん、教師役の永山瑛太さんの熱演も必見です。ぜひ劇場でお確かめください!
是枝裕和×坂元裕二、必然的な夢タッグ
是枝裕和×坂元裕二という夢のタッグ実現は、なるべくしてなったことだと考えます。というのも、是枝裕和さんと坂元裕二さんがこれまでそれぞれが手掛けてきた作品は、加害者遺族や疑似家族など、現代社会の問題や価値観や考え方を問うテーマであり、お二人の興味や関心、感性が似ているように思います。本作は、脚本を手掛けた坂元裕二さんからの逆オファーにより是枝監督とのタッグが実現したそうですが、是枝監督自身も坂元裕二さんとのタッグを熱望していたそうです。また、是枝監督は監督だけでなく自ら脚本も執筆することがほとんどで、自分ではない脚本家とのタッグは映画監督デビュー作『幻の光』(95)以来になるそうです。
これまでの是枝監督作品を見てみると、会話の少なさやリアルな日常を描いている印象ですが、本作では坂元裕二さんによる圧倒的な会話量や日常の延長線上にあるようでないような独特な世界観が描かれています。是枝監督にしか撮れない映像と坂元裕二さんにしか書けない物語の融合をぜひ、映画館でお楽しみください!
子どもの無邪気さと儚さ
本作の主演は安藤サクラさんと永山瑛太さんですが、物語の主人公は、子どもたちになります。物語は坂元裕二さんの子どもの頃の体験や想いを元に書かれたようで、描かれる子どもの好奇心旺盛で無邪気な姿や様々な葛藤を抱える不安定さや危うさからは、愛おしさを覚えます。また、是枝監督の作品といえば子どもが出てくる印象があり、どの作品も子役の方々のお芝居が繊細で魅了されます。今回もそんな子どもの純粋な心と危うさを黒川想矢さん、柊木陽太さんが好演されています!ある日起きた2人のケンカ、そこから始まる物語に多くの方が魂揺さぶられること間違いなしです。
坂本龍一が手掛けた、まるで映画のために作曲された音楽たち
本作の音楽を手掛けたのは、先日お亡くなりになられた坂本龍一さんです。手掛けた楽曲は2曲ですが、その他にも過去に制作された楽曲をいくつか使用しており、映画『怪物』の世界観を幻想的かつ美しく彩っています。それらはまるで本作のために制作されたかのようなマッチングぶりです。私が本作で特に好きな楽曲は、1999年に制作された「Aqua」です。切なく、美しく、儚い物語を温かく包み込むような素敵な音楽です。映画を見終えたあとに、きっと坂本龍一さんの音楽に浸りたくなるはずです。坂本龍一さんの美しい音楽をぜひ、最高の映画とともに楽しみましょう。
映画『 怪物』
公開日:2023年6月2日(金)
配給:東宝、ギャガ
監督:是枝裕和
出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子
ということで今回は、映画『 怪物』の見どころを紹介しました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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Nami