危うさへの憧れって一度通る道。殿堂のマイベスト映画〜洋画編〜
ごきげんよう、どうも月イチペースのKotyです。
最近もっぱら謎解きゲームにハマっており、休みと見れば謎解きを詰め込むのでお財布が心許なくなっています。
本日はマイベスト洋画のご紹介を。
不滅の1位、思春期の複雑な心にジャストミートした映画、それが『ラビナス』(1999/アメリカ)です。
分かっています、ほぼほぼ無名の映画だってことは。当時も単館系で3週間くらいの公開、2024年の現在、ああ、あれね!と思い当たる人がどれほどいるか。評価サイトの評価だって高くない。
しかし、私にとっては唯一無二なのです。
自己紹介記事でも紹介したアントニア・バード監督の4作目にして、ロバート・カーライルと3度目のタッグ。
今で言えば、古屋兎丸さんの世界を100倍くらいに薄くして混ぜ込んだような、どことなく若干耽美な世界観。
哀しくもグロくも美しい映像。精神的な話で、人肉を食べたらその力が宿るという考え方がテーマの作品です。
主演は『メメント』※1のガイ・ピアースの方なのですが、この作品で私は『フル・モンティ』※2のロバート・カーライルを好きになりました。独特な雰囲気を出していて、実にいいんですよ。
アントニア・バード×ロバート・カーライルでは、『司祭』も有名です。
同性愛は禁じられているカトリックの司祭が、信仰とセクシュアリティの狭間で苦悩する話です。
彼は実に助演でいい味を出しますね。
ラビナスに話を戻すと、ハマって2回か3回観に行き、当時B5のルーズリーフの両面にびっしりと感想を書き殴って、それだけでは足りず、勢い余って倫理の先生におすすめ映画として、職員室の机の上に暑苦しい熱い置き手紙を残しました。
当時はSNSなどない時代だったので、口コミは本当に生の口コミでした。
実際に観に行っていただいたらしく、その後、2回に渡って授業でラビナスのストーリーを聞かせてくれたのはちょっと恥ずかしかったです。(皆、勉強をしたくないので、全く同じ話を2回聞いても“その話前にも聞きました”とは何も言わなかった)
さすがに、先生がおすすめしたからって後々レンタルして観たなんて人まではいない(基本的に授業は皆寝ているから……)と思うのですが、自分の良かったという思いが他の人に伝わり、楽しんでもらえたのが嬉しかったですね。
後日談として、期末テストの解答用紙の文字を見て「私に勧めたのはあなたですね」と話しかけて来た倫理の先生ですが、あなたは(試験の記述問題で)全然文章が書けていないから、毎日少しずつでも文章を書くといい、とアドバイスをくれました。
違うんだ先生、私は文章にまとめられないのではなく、その問題の答えになる事実を全く記憶していなかったんだよ。
当時も脚本書いたり小説書いたりはしてたのよ。
これでも学生時代に俳句とか短歌とか入賞したりしてるのよ。
サービス問題だったのかどうか、そんな常識の学習内容を覚えていないとは、夢にも思いもしなかったのでしょう………。何の問題かすら、忘れてしまいましたが……うっすら、ソクラテスの何かだった気がする。
人には向き不向き、凹凸があるということですよね。
閑話休題。
物語の核心に触れてしまうので、具体的なシーンでここのこれが良いのよ!と語れないのがもどかしいところですが、主人公の恐れ、迷い、戸惑い、正しいと思っていた世界から異質な世界への変遷、揺れ動く繊細なハートを未だ持ち得ている大人の心にも届くと思いますので、良ければ一度、お手に取って(?)みてください。
普段は『マッド・ハイジ』のような、おばかな発想で小気味よくエログロが挟まってくる、いかにもB級映画を好んでよく観ています。
《参考映画》
●メメント(2000/アメリカ)
記憶を失った男が、殺された妻の復讐に燃える、物哀しいサスペンスです。
全く関係ありませんが、観た時に受け取る感情の似た『ドニー・ダーコ』もおすすめです。
●フル・モンティ(1997/アメリカ)
潰れかけの炭鉱を救うためにストリップで稼ごうという、明るく愉快な映画です。
女性版フル・モンティとして『カレンダー・ガールズ』もおすすめです。
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投稿を表示てっきり謎解きから「SHERLOCK」や「オリエント急行殺人事件」系がオススメされるかと思いきや!(笑)
不思議ですよね、好きな映画って別に評価とか共感とかじゃなくて
自分に刺さっていればそれだけで良いんですよね。
そして、それを分かってくれた人が奇跡的に一人いた瞬間、ものすごく親しみを覚えるという。(笑)
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