チーム 名画座
2024/11/20 23:19
昭和・平成シネマ画報 「北北西に進路を取れ」「サイコ」
『北北西に進路を取れ』(1959)
″サスペンスの神様″ヒッチコックの代表作のひとつ。
お得意の″巻き込まれ型″のストーリー展開で極上のハラハラドキドキを存分に味わわせてくれます。
偶然、他人に間違われたうえに命を狙われてしまう男の恐怖。某国のスパイ組織は、主人公の男を″ある人物″と思い込み消そうとする。同時に、運悪く殺人事件の犯人と疑われてしまい警察からも追われる事態に。やがて、″ある人物″とは、CIAが作り上げた架空のスパイだった事が分かってくる…。
疑念と不安と緊張感を、革新的な撮影技法と巧みなトリックを操りながら、最上級のサスペンス効果を盛り上げるのです。誰もいない広大な荒れ果てた畑で、唐突に小型飛行機に襲撃され逃げ回る場面は永遠の名シーンです。
『サイコ』(1960)
恋人のために会社の大金を持ち逃げした女性に襲いかかる戦慄のホラー。
横領した金を載せて恋人の元へ走る車。行く手を遮るように雨が激しくフロントガラスを叩く。さびれたモーテルに吸い寄せられるように入る。不安を洗い流すシャワールーム。そこに唐突に現れた黒い影が、繰り返しナイフを振り下ろし切り裂いた。観る者の意表を突くその展開は、さらなる衝撃へと観客を引きずりこむ。ヒッチコックと数多くの作品でコンビを組んだ作曲家バーナード・ハーマンの印象的な効果音と不安を掻き立てる音楽が、心に宿る恐怖のしずくを流れる河に変え、やがて激流の渦へと押し上げていく。
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