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じょ〜い小川
2024/07/03 21:34

【蔵出しレビュー】ジェラルド・バトラー主演の本格的な潜水艦バトル映画『ハンターキラー 潜航せよ』

※今週末『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』が公開するので、近年書いた潜水艦映画のレビューをアップ!尚、レビューは公開当時書いたものを加工したものです。

 

■ハンターキラー 潜航せよ

(c)2018 Hunter Killer Productions, Inc.

《作品データ》
『300 〈スリーハンドレッド〉』や『エンド・オブ・ホワイトハウス』のジェラルド・バトラーが主演する、潜水艦や戦艦などの海の大バトル満載のアクション映画! ある日、ロシア近海でアメリカ海軍の原子力潜水艦タンパ・ベイが行方不明になり、軍は“攻撃型潜水艦”(ハンターキラー)のUSSアーカンソーにロシア近海で消息不明になった原潜捜索の極秘依頼をする。ジェラルド・バトラー他、ゲイリー・オールドマン、コモン、リンダ・カーデリーニ、トビー・スティーブンス、ミカエル・ニクヴィストが出演。監督はドノヴァン・マーシュ。

・ TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー中!
・配給:ギャガ
・公式HP:https://gaga.ne.jp/hunterkiller/

 

《『ハンターキラー 潜航せよ』レビュー》

 

ちょっと古いと『Uボート』、若干最近なら『K-19』など潜水艦を題材にした映画はときどき出てくるが、久しぶりに登場した本格的な潜水艦アクション映画、というより潜水艦を使ってのギリギリなミッションの映画でスリル満点のアクション映画だった!

(c)2018 Hunter Killer Productions, Inc.

ストーリーのとっかかりは原潜タンパ・ベイの謎の爆発からの消息不明の探索だが、これが途中からロシアの大統領救出作戦とミッションが変わってから緊迫感が増す。冷戦の時代は遠くなれど、まだどこかアメリカとロシアに緊迫感があるから冒頭のタンパ・ベイの件も「ロシアがやってるのでは?」と勘繰りながら見る序盤から、とある敵が捻り出され、潜水艦USSアーカンソーが危機にさらされる。
フィクションの敵・設定ながら「現実にストレートに反撃したら国際社会的にヤベェなー」というジェラルド・バトラー演じるグラス艦長&船員一堂、アメリカ国防総省内の人たちの緊迫感もちゃんと出ていて実にリアリズム。

(c)2018 Hunter Killer Productions, Inc.

潜水艦の狭い艦内での新艦長や副艦とのやり取りなどによる男の会話や、潜水艦映画のお約束とも言えそうな浸水や火災等のトラブル、駆逐艦との不利なバトルなど、過去の潜水艦バトル映画でも見られた押さえ所はしっかり押さえている。さらに、海の中の機雷原をギリギリ避けるシーンや海底の底に着くシーンなど、潜水艦を上手く使ったスリルを感じる。特に機雷原は音に反応するもので、潜水艦内が静まるシーンでは映画館内も静まり、ゴダールの『はなればなれに』の沈黙シーンのようないい感じの異様な一体感を感じる。
また、潜水艦等の海のアクションばかりでなく、ロシア大統領救出作戦の中心になる別動隊のレンジャー達の危険なミッションとバトルもお見事。この地上のアクションと潜水艦等の海のアクションを交互に見せるので飽きない展開になっている。

(c)2018 Hunter Killer Productions, Inc.

基本的には大胆な艦長を演じるジェラルド・バトラーらしさ満点の映画だが、ペンタゴン(アメリカ国防総省)にいる上官役のゲイリー・オールドマンや本作が遺作となるロシアの潜水艦コクーアの艦長役のミカエル・ニクヴィストの渋く味わいのある演技、荒くれなレンジャー隊長役のトビー・スティーブンスのガサツなカッコ良さなど、脇役がいいのでよりジェラルド・バトラーが引き立つ。

潜水艦USSアーカンソーの攻撃シーンが思っていたより少なく、守りや逃げのシーンがやや多いのが不満だが、リアリティ優先だから仕方ない。

それでも最近ちょこちょこあるネイビーシールズ映画よりも遥かにエンターテインメント性がある潜水艦バトル映画なので、潜水艦映画が好きな方には是非とも見てほしい。

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