2024年1月19日公開 A24最新作‼︎
映画『僕らの世界が交わるまで』
第75回カンヌ国際映画祭批評家週間オープニング作品に選出。俳優ジェシー・アイゼンバーグが初監督、脚本を務めた本作はユニークな笑いと優しさに溢れるヒューマンドラマだ。
エマ・ストーンがプロデュースを務めていることも話題になっている。
監督/ジェシー・アイゼンバーグ
主演/ジュリアン・ムーア
フィン・ウォルフハード
アリーシャ・ボー
ジェイ・O・サンダース
ビリー・ブリック
エレオノール・ヘンドリックス
➖あらすじ➖
DV被害に遭った人々のためのシェルターを運営する母・エヴリンと、ネットのライブ配信で人気の高校生ジギー。社会奉仕に身を捧げる母親と、自分のフォロワーのことしか頭にないZ世代の息子は、いまやお互いのことが分かり合えない。しかし彼らの日常にちょっとした変化が訪れる。それは、各々ないものねだりの相手に惹かれ、空回りの迷走を続ける"親子そっくり"の姿だった。<本作公式より引用>
ジェシー・アイゼンバーグと言えば"早口"のイメージが強い。彼のファンなので出演作品はほぼ鑑賞済みだが、眉間に少しシワを寄せて早口でセリフを言う姿が私は好きだ。その彼が監督、脚本を務めたというのだから、ファンとしてはとても興味深い。今回はオンライン試写で鑑賞し、感じたことをネタバレなしで執筆したいと思う。
さて、迷走する親子は
お互いの世界にたどり着けるのか?
➖目次➖
1.自己愛が強い母と息子
2.親切の押し売り
3.音で表す親子の気持ち
4.存在感あるキャスト
5.まとめ
1.自己愛が強い母と息子
「二人とも自己愛が強い」と言ったのはジギーの父親だ。ジギーはZ世代、日本ではZ世代のなりたい職業第一位はYouTuberだとか。
ジギーも自作曲をネットでライブ配信、フォロワー数を気にするという今の時代の象徴ともいえる青年だ。
一方の母親エヴリンはDV被害者のためのシェルターを運営、社会奉仕に熱心な女性だ。
このふたり、親子なのにとことん気持ちがすれ違う。昔の自分を思い出してしまったのだが、ジギーのエヴリンに対する冷たい態度は親に対する甘えでもある。しかしエヴリンはジギーに頭を悩ませるが甘えることはできない。
理解してもらえない苛立ちや寂しさを解消する方法をお互い見つけるが、結局自分の世界に結びつけてしまうところを見ると、やはり自己愛が強いのだろう。
このふたりの自己愛とは、理想の自分、と私は捉えた。現実と理想のギャップが埋まらない原因は自分の中にある。
それを当の本人たちよりわかっている父親に思わず拍手をしてしまった。
2.親切の押し売り
お節介とも言う。
相手のためになることを考え、形にしたら、
自分のタイミングで突然"親切のプレゼン"を始める。何の告知もなくプレゼンされた方は驚くに決まっているのだが、ジギーとエヴリンには変更が効かない、そして空回りしてしまう。親子間でも他者でも空回りする姿を見ると切なくなるが、ふたりはとても似ている。
そこに早く気づいて!と私までお節介を焼きたくなった。
3.音で表す親子の気持ち
本作の特徴でもある、音による演出、エヴリンとジギーの感情を表現しているのだが、とてもわかりやすい!
エヴリンの優雅な音をかき消すように、ジギーの騒音に近い音が重なるシーンは、親の心子知らずと言ったところだろう、親子の日常を表していた。
特に最後の細かい演出にすごくセンスを感じたのだが、相手のことを理解できたときはこれに近いのだと思う。誰かに会いたい、自分の思いを伝えたい!そのとき真っ先に思い浮かべる誰かが大切な存在で、お互いの世界を尊重しあえる人なのだ。
似たもの同士だとそれに気づくタイミングも同じみたいだ。そう考えると邦題『僕らの世界が交わるまで』はかなり的を得ている。
鑑賞予定の方はそこに注目して観ると面白いと思う。
4.存在感あるキャスト
キャストについても触れると、
母のエヴリン役にはベテラン名優ジュリアン・ムーア。息子のジギー役はNetflixの『ストレンジャー・シングス 未知の世界』でもおなじみのフィン・ウォルフハード。
ジギーが恋焦がれる聡明な高校生ライラ役には、こちらもNetflixの『13の理由』で注目されたアリーシャ・ボーが演じている。
この3名以外に父親役ジェイ・O・サンダースにも注目して欲しい、出番は少ないが的確なセリフと存在感が印象に残る。
そして唯一二人を俯瞰する人物だ。
5.まとめ
私は親の立場として鑑賞し、共感できるシーンが多かった。
しかし本作は親子間だけではなく、すべての人に起こりうる物語だ。最初から理解できないと嘆くよりも、相手が持つ世界を少しでも覗いてみる。それがキッカケでお互いが求めていた気持ちに気づき、一気に心が満たされいく事もあるのだと思った。
『僕らの世界が交わるまで』
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2024年1月19日(金)より、
TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
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配給:カルチュア・パブリッシャーズ
興味があったらぜひ劇場へ😄
読んで頂きありがとうございました。
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投稿を表示これめちゃくちゃ気になってました!
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投稿を表示この作品のコラムはみなさん全然違っていてすごく面白いですね☺️もちろん共通する事も書かれてはいるのですが、読んでいて同じ作品なんだとびっくりするとこもあります。かこさんのまとめのところの「相手の世界を少しでも覗いてみる」って言葉にすごく納得と共感でした✨
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