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私の好きな映画

cine-ma
2024/04/27 11:24

最後にテンション上がる⤴作品三選

当サイトの「私の好きな映画」コーナーを見ていたら、「カテゴリを絞る」という欄に「衝撃のラスト」ってのが目に入りました。
これね、本当はよくない。そういう先入観で観ちゃうと身構えちゃいますから。「スティング」なんかが良い例で、「ラストにどんでん返しがある映画」の烙印を押されちゃったものだから、えっ、この後そういうのあるんだよね、という目で最後まで観ちゃいます(それでも面白いんですけどね)。
どんでん返しに限らず、「衝撃」の受け方も様々。私自身がその価値をラストシーンに見出した作品達をご紹介したいと思います。


①「惑星ソラリス」 - 眠気が吹っ飛んだラスト -

制作年度は1972年との事ですが、日本公開は1977年。当時「2001年宇宙の旅」と双璧をなすSF映画の傑作と称されていた本作を、高2の3学期に地元福岡のニュー大洋(当時の福岡にあった唯一のミニシアター系劇場)で、小野耕世氏の解説付きで観賞。165分という長尺かつ時間の流れも緩やかで、睡魔と戦った覚えがあるのですが、そのラストで眠気が吹っ飛びました。アンドレイ・タルコフスキー監督恐るべしと心に刻まれた作品。これに対してスティーヴン・ソダーバーグ監督のリメイク作は、なんだかなって感じでした。

パンフレット(¥300)

②「未来世紀ブラジル」 - 残酷なるハッピーエンド -

公開日が1986年10月との事ですが、当時は全くのノーケア。WOWOWだったと思うのですが、後日たまたまチャンネルを合わせたらやっていて、その映像に惹き込まれた。で、この作品をこんな中途半端に観てはいけないとチャンネルを変え、リバイバル上映される日を待ち望んだ作品。

12年後の1998年に観てSF映画の傑作と確信。この日以来長年にわたり、このジャンルで1本選ぶとするならば「2001年」でもなければ「惑星ソラリス」でもなく本作を挙げる事となりました。こちらも最後に訪れる残酷なるハッピーエンドが忘れられない作品です。
テリー・ギリアム監督作品の中で唯一、波長が合った作品でもあります。

パンフレット(¥300)

③「女神の見えざる手」 - 肉を切らせて骨を断つ -

かなり古いSFの古典的名作が続きましたが、こちらは2017年に公開された現代劇。
凄腕女性ロビイストとして名を馳せるエリザベス・スローンに舞い込んだ銃規制法案への反対キャンペーンの依頼。不遜極まりない態度で"大口顧客"をあしらい上司を激怒させた挙句・・・
大手ロビー会社と強大な圧力団体がタッグを組んで法案阻止へ動く中、圧倒的に不利な情勢を覆すべく彼女の恐るべき謀略が動き出す。

とにかくエリザベスのモーレツ振りが物凄い。「こんな上司はヤダ」の筆頭に挙がりそうな、昨今の働き方改革など無縁の24時間働き続けるワーカーホリックなリーダー役を演じるジェシカ・チャステインが鬼気迫ります。この人、「オデッセイ」や「インターステラー」でも重要な脇役を演じていましたが、本作で一人のアクトレスとして強烈な印象を残してくれました。
こんな上司についてく部下がいるのかと思いつつも、あの手この手の文字通り手段を択ばぬ策略のオンパレードと、彼女の手口をよく知る元同僚との息詰まる陣取り合戦に引き込まれる。そしてエリザベスの常軌を逸した戦略は、次第に彼女自身を窮地に追い込んでゆく。

米国を舞台にした作品ですが、配給会社はフランスで、監督と脚本は英国人という不思議な組み合わせ。脚本のジョナサン・ペレラはなんとこれが脚本家としてのデビュー作というから驚きです。本作の成功要因は間違いなく彼のシナリオに負うところが大きい。彼が描いた彼女のシナリオの顛末は、これぞ映画という醍醐味を味あわせてくれました。

この記事を記すにあたって観直しましたが、いやぁ、やっぱり見応えありました。

パンフレット(¥720)

<おまけ>「キャリー」(1976)

ホラーが苦手な私は、よっぽどの事がないと観に行きません。で、本作も当然のごとくスルーしていて劇場未鑑賞。ブライアン・デ・パルマ監督が「悪魔のシスター」「ファントム・オブ・パラダイス」に続いて世に放った作品。シシー・スペイセク演じるキャリーが豚の血まみれになるシーンが有名ですが、後日TV放送で観ていて大して盛り上がらない展開に油断していたら、そのラストに腰を抜かした覚えあります。映画館で観ていたら、席から飛び上がったに違いない。

今回ご紹介した4本の中で、正真正銘の「衝撃のラスト」は本作かも。

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1 件の返信 (新着順)
飛べない魔女
2024/04/27 12:19

「惑星ソラリス」って眠気がふっとぶ衝撃が待っているのですか!
実はどうにも眠くなって最後まで見れてない作品の一つなのです。
ならばその衝撃を期待して、再挑戦してみよう!と思いました。
ソダバーグの方は、私もなんだかな・・でダメでした。


cine-ma
2024/04/27 20:59

飛べない魔女さん
コメントありがとうございます!
私も日本の首都高とかの映像が延々続いて眠くなった記憶があります^^;
映画好きの高校生が背伸びして観に行って手に負えなかった筈なのに、たまたま眠気から覚めたのか、そのラストには本当に眠気が吹っ飛びました。
あれから更に40年以上の月日が経って、今観返すとどうなんでしょう。。。未だその機会を得られていません。