私の好きな映画

Black Cherry
2025/06/21 17:03

「アリスの恋」

1974年のマーティン・スコセッシ監督作品。
ずっとみたかった作品で、先日やっとみてみました。

本作のキャッチコピー
「映画史上初の女性のための映画!と全米マスコミ界が絶賛した注目の傑作!」
というもの。
今から50年以上前の作品ということもあり、女性の立場の弱さを物語るエピソードがそこかしこに挟まれています。そのあたりも興味深くみることができます。


主婦が諦めていた夢、再燃


アリス(エレン・バースティン)は35歳の平凡な主婦。武骨な夫、やんちゃな息子と、多少の気苦労はありながら、まずまずの平穏な日々を送っていました。
ところがある日突然、夫が交通事故で亡くなりアリスはシングルマザーに。彼女の頭に、息子とふたりで生き延びていく唯一の方法がもたげてきます。それは歌手として働くことで、忘れかけていた子ども時代からの夢でもありました。彼女には、夫の言うがままに家庭に入る決断をした過去があったのです。


豪華キャストに注目


主演のエレン・バースティンは、本作でアカデミー主演女優賞を獲得。未知の暮らしに奮闘する、感情豊かなアリスは生命感にあふれています。
また初期のスコセッシ作品でおなじみのハーヴェイ・カイテルも登場。晴れて歌手としてバーのステージに立ったアリスに猛アタックしてくる男、ベンを演じています。実は妻帯者で、そのことがバレてもまったく悪びれる様子がないどころか、逆ギレして大暴れ。この激昂ぶりは鬼気迫るもので、メイキング映像によると、撮影後エレンが泣き崩れてしまったほど真に迫る演技だったとのこと。

ハーヴェイ・カイテルのほか、「タクシー・ドライバー」出演時よりもさらに幼いジョディ・フォスターも必見‥!アリスの息子を悪事へとそそのかすイカれた女の子を絶妙に演じており、最高です🤣 子役ながら圧倒的な存在感✨

原題は「Alice Doesn't Live Here Anymore」
「アリスの恋」だとなんとなく違う、ような気もしつつ、まあ良いのかな・・という気もします。
クライマックスのカフェシーンで絞り出される、アリスの生きる道を自ら示す言葉が、胸に響きます。

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