〖ラーゲリより愛を込めて〗から受け取るメッセージ
2023年12月に劇場公開された本作。
昨年劇場で見た映画の中で、一番の号泣でした。
監督 瀬々敬久
代表作『64-ロクヨン- 前編/後編』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『友罪』『とんび』
『糸』『護られなかった者たちへ』などヒット作多数
出演:
- 山本幡男:二宮和也
- 山本モジミ:北川景子
- 松田研三:松坂桃李
- 新谷健雄:中島健人
- 相沢光男:桐谷健太
- 原幸彦:安田顕
- 山本顕一(壮年期):寺尾聰
ラーゲリとはロシア語で収容所の意味です。
宣伝で『過去一泣いた』って言っている人がいたけど
ほんとにその通りで、私もマスクがぐしょぐしょになるほど、号泣してしまいました。
映画が終わって劇場が明るくなっても、余韻が凄過ぎて、直ぐに立ち上がることが出来ず
ずっと涙が止まらなくて参りました。
20代の息子と一緒に見に行ったのですが、彼も隣の席で号泣していました。
戦争を知らない息子が(もちろん私も知りませんが)
戦争の罪の重さをひしひしと感じ取って、涙していました。
で、息子は後日彼女と一緒にもう一度見にいったのですが
その時も号泣してしまったそうです。
これは戦闘を描く映画ではなく、戦後の遺物を描いた映画です。
既に終戦しているにもかかわらず、満州にいた多くの兵士や民間人が
武装解除したにもかかわらず、ソ連の捕虜となり
極寒の地であるシベリアで強制労働に従事させられたという史実に基づく
理不尽な遺物の物語です。
終戦は彼らに過酷な運命を与えてしまったのです。
その不当な抑留は最悪の状態であり、人を人とも思わないような扱いをされ
寒さと空腹で命を落としていった沢山の人々への鎮魂の思いを感じる感動作でした。
人の心を悪魔に変えてしまう戦争を心から憎いと思いました。
そしてこれは真実の物語です。
過酷な状況の中でも、決して生きる希望を失わず
自分のことよりも他人のことを気遣い励まし
最後まで人としての尊厳を失うことがなかった山本旗男さん。
『すぐ会える、日本で落ち合おう』
妻と子供たちとのその約束を果たすまでは絶対に死ねないと
生きることを諦めなかった山本旗男さんの
家族への深い愛の物語に涙しない人はいないでしょう。
そしてこれは残された家族の物語でもあります。
夫の、父の無事な帰還を待ちわびて、強く逞しく戦後を生き抜いた山本一家の物語です。
ワンコのクロの件はさすがに演出だろうと思いきや、ラーゲリには本当にクロがいたそうです。
そして帰還する日本人を追いかけて氷の海を泳いできたそうです。
ワンコの無償の愛にも泣かされました。
7月7日よりDISCUSさんでもレンタルが開始されますね。
ぜひ、本作からのメッセージをお受け取り下さい。