2023年に観た映画(9) 「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
№9
日付:2023/3/18
タイトル:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス | EVERYTHING EVERYWHERE ALL AT ONCE
監督・脚本:Daniel Kwan,Daniel Scheinert(DANIELS)
劇場名:シネプレックス平塚 screen5
パンフレット:あり(¥990)
評価:6
観に行って良かった?:観に行って良かった
コインランドリー屋を営む中華系移民の一家が抱えるそれぞれの苦悩と家庭崩壊の危機。どこにでもある家族間の軋轢に過ぎないのに、そこにとんでもない世界観をブチ込んで、マルチバース(パラレル・ワールドとは違うのね)が縦横無尽にスクリーンを駆け巡る。主人公エヴリン役のミシェル・ヨーも、旦那役のキー・ホイ・クァンも、これぞ役者の醍醐味ともいえる七変化振り。
夫婦間の問題と親子の問題を、全宇宙の危機とシンクロさせるこの突拍子もないお話に、正直最初戸惑いました。1回観ただけでは整理が追いつかない部分もありはします。しかしながら、予定調和が見透かされがちな展開に陥ることなく、最後の最後まで飽きさせずに引っ張り続けてくれました。
一番最初のシーン(いや、カット)で惹きつけられ、中盤以降は振り回され、終盤に涙し、観終わった後にじわじわと後を引きました。そこには「ザッツ・ムービー!」という醍醐味が確かに存在していました。
Y@@@O!映画では3点未満(3/19時点)に沈んでいた本作。もしオスカーを取っていなかったら、私もスルーしていました。作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、全て納得です。改めて授賞式をもう一度観直す事となりました。Congrats!
<CONTENTS>
・受賞歴
・イントロダクション
・ストーリー
・相関図
・キャスト
・マルチバースとニヒリズム、そして親切 町山智浩(映画評論家)
・監督インタビュー
・スタッフ
・プロダクション・ノート
・SFの世界で昔から描かれてきた平行宇宙に独特のアイデアを加えたアクションコメディ 大森望(書評家、翻訳家)
・『エブエブ』元ネタの宇宙を旅する 稲垣貴俊(ライター/編集者)
・多元宇宙の可能性を広げてみせた傑作 傭兵ペンギン(ライター、翻訳者)
・サン・ラックスが成し遂げたことの重大さ 新谷洋子(音楽ライター)