2025年に観た映画(27) 「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」

フランス帰りの帰国子女ジェヒと、LGBTのフンス。20歳で出会った2人が大都会ソウルの片隅で繰り広げる、恋と愛と友情の物語。
開始早々に始まる、ジェヒへの陳腐で月並みなイジメっぷりに不安が募りました。彼女が惚れる男は典型的なステレオタイプのクズ男ばかり。安っぽいドラマで見かけたようなエピソードが積み重なる。そんな彼女に振り回されながらも、やはり“その他大勢”と同調出来ない孤独なフンスが始める共同生活。
それぞれがそれぞれの恋に悩み、社会と衝突し、自分を隠し、毎晩酔っ払い、憎まれ口を叩きながら、いつしか唯一心許せる理解者となっていく2人の関係を、徐々に羨ましく思い始める。相手の異変を誰よりも先に察知し我が身を投げ打つ2人の絆と思いやりに、観ているこっちが胸熱になる。キム・ゴウンとノ・サンヒョンが紡ぎだす、ジェヒとフンスの絶妙なる親愛関係に心癒され、気が付けば2人を応援している自分がいました。
最後の最後で陰キャを返上しジェヒへ最高の贈り物を届けるフンスと、そんな彼にとびっきりの笑顔で応えるジェヒの姿に、こちらの涙腺が崩壊してしまった。恋愛関係でもない、家族でもない、ただのルームメイトでもない、唯一無二の関係を築いた2人が過ごした年月が、眩しくてちょっと切ないハッピーエンド。大都会を舞台にした一組の男女の人生の一幕を描いた本作は、観終わって気持ちの良い余韻を残してくれたのでした。
薄っぺらな男女の友情物語にでも陥ってしまいそうなお話を、ハートウォーミングな男女のお伽噺へと昇華させたイ・オニ監督と主役の2人に拍手です。
№27
日付:2025/6/21
タイトル:ラブ・イン・ザ・ビッグシティ | 대도시의 사랑법
監督:이언희
劇場名:シネプレックス平塚 screen6
パンフレット:あり(¥1,200)
評価:6





<CONTENTS>
・INTRODUCTION
・STORY
・ルームメイト契約書
・INTERVIEW キム・ゴウン(ジョヒ)
・INTERVIEW ノ・サンヒョン(フンス)
・WORDS
・CAST PROFILE
・STAFF PROFILE
・原作
・KEYWORDS
・LOCATIOM MAP in Seoul
・SOUND TRACK
・Bad Girl Good Girl
・REVIEW 君が僕の二十代 ゆっきゅん(DIVA)
・REVIEW 「生まれ変わらない」ジェヒとフンスを見てる 西森路代(ライター)
・DIALOGUE
・PRODUCTION NOTES
・ステッカー
