6月28日から「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」
■はじめに
待望の第4回のジャン=ポール・ベルモンド傑作選(グランド・フィナーレ)が6月下旬から7月初旬に上映されることが決定した。
フィリップ・ド・ブロカ監督の「おかしなおかしな大冒険」、昨年来日したクロード・ルルーシュ監督の「ライオンと呼ばれた男」と「レ・ミゼラブル」が上演決定されたので、全作品鑑賞する予定。
「ライオンと呼ばれた男」ではベルモンドがセザール賞主演男優賞を受賞し、昨年のフランシス・レイの追悼コンサートでもクローズアップされていたので音楽も気になるところ。
■ジャン=ポール・ベルモンド(いまさらながら・・)
ジャン=ポール・ベルモンド(1933年4月- 2021年9月)は、いわずと知れたフランスを代表する俳優。シリアスなドラマからアクション・コメディまで出演映画は幅広く、20世紀後半のフランスを代表する俳優の一人。氏は米国等の外国の作品には出演しなかったとされるが、まさに60年・70年代を代表するフランスの至宝でもある。
■"傑作選3"から多数の作品を鑑賞
江戸木純氏の企画により何度も交渉し2020年に「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」として出演作の特集リバイバル上映が行われたとのことで、コロナ禍にもかかわらず大ヒットを記録し大きな反響を呼んだらしい。2021年にベルモンドがなくなったこともあり、私も前回の2022年の"傑作選3"で、アンリ・ベルヌイユ監督の「華麗なる大泥棒」等を鑑賞した。アクション系はあまり得意ではないが、この作品は、カーアクションに加え、オマー・シャリフとのかけあい、小気味良いエンニオ・モリコーネの楽曲、トルコ料理のシーン、「愛と哀しみのボレロ」のロベール・オッセン等が興味深い。
■■ベルモンドの作品について
「一番好きな映画は?」と質問されると、フランス映画ではないが、ジャンヌ・モローと共演したデュラス原作の「雨のしのび逢い」と答えてしまう。
正直、アクション系の作品は同じ様な印象をうけるが、やはり、若いころのベルモンドのシリアスな「モラン神父」や「冬の猿」が好き。「モラン神父」は後でエマニュエル・リヴァと共演したことを知り、改めて2回目を鑑賞した。
また昨年、出世作の「勝手にしやがれ」の前に出演している、クロード・シャブロル監督の「二重の鍵」を鑑賞することができた。
■主な作品(含む未鑑賞)
「二重の鍵(À double tour) 」(1959)
「勝手にしやがれ(À bout de souffle) 」( 1960)
「雨のしのび逢い(Moderato cantabile)」(1960)
「モラン神父(Léon Morin, prêtre)」(1961)
「女は女である(Une femme est une femme)」(1961)
「冬の猿(Un singe en hiver)」(1962)
「バナナの皮(Peau de Banane)」(1963)(未鑑賞)
「リオの男(L'Homme de Rio)」(1964)
「気狂いピエロ(Pierro le Feu)」(1965)
「パリは燃えているか(Paris, brûle-t-il ?)」(1966)
「パリの大泥棒(Le Voleur)」(1967)
「暗くなるまでこの恋を(La Sirène du Mississippi)」(1969)
「あの愛をふたたび(Un homme qui me plaît)」(1969)
「ボルサリーノ(Borsalino)」(1970)
「華麗なる大泥棒(Le Casse)」(1971)
「おかしなおかしな大冒険(Le magnifique)」(1973)
「薔薇のスタビスキー(Stavisky)」(1974)
「追悼のメロディ(Le Corps de Mon Ennemi)」(1976)
「ライオンと呼ばれた男(Itinéraire d'un enfant gâté)」(1988)(未鑑賞)
「レ・ミゼラブル(Les misérables) 」(1995)
「ハーフ・ア・チャンス(Une chance sur deux)」(1998)
■「ライオンと呼ばれた男」のストーリー
子供時代にスリルと辛酸を舐め、人生を賭けて独力で大企業を創業した男、サム。家庭では2人の子供に恵まれたが、50歳を過ぎ偶々出会ったヨット事故を契機として、自らは死んだ事にして単身アフリカに渡り第2の人生へ。主演サムを演じる。