有名な原作からのアニメ「リトルプリンス 星の王子さまと私」
[アニメ作品のご紹介]
通常の映画作品の中でも特殊で、ディズニー制作のものがメジャーと思われるが、たまたま、2015年のセザール賞受賞の「リトルプリンス 星の王子さまと私」というフランスの作品を見つけたのでご紹介する。タイトル通り、本を読んではいなくても、サン=テグジュペリの「星の王子さま」の作品名称を知らない人はいないだろう
また、昨年英国のミュージカル仕立ての作品で「星の王子さま」(1974)も鑑賞していたので、ストーリーは大体わかっていた。
(補足)個人的に大昔のパリのソルボンヌ大学の夏期講座でも書き取りテストの対象になっていたので、興味深い。
[ストーリーとアニメ技術]
「星の王子さま』を「カンフー・パンダ」のマーク・オズボーン監督が映画化した3Dアニメ。星の王子さまの世界と、その後の物語である少女と老飛行士の世界を、ストップモーション・アニメとCGアニメの2つの技法で描き出している。
娘の将来を思う母親によって勉強漬けにされていた孤独な9歳の少女は、名門校の学区内に引っ越し、ひょんなことから隣に住む風変わりなおじいさんと親しくなる。かつて飛行士だったおじいさんが語る小さな王子さまの物語にすっかり夢中になる少女。ところがある日、おじいさんは病に倒れる。そこで少女は、王子さまに会いおじいさんを助けてもらおうと、おじいさんのプロペラ機に乗り込み大冒険へと飛び立つ・・・・。
[星の王子さま(The Little Prince)」(1974)]
スタンリー・ドーネン監督によるミュージカル映画。人が一人しか住めないほどの小さな惑星で暮らす王子さまは、美しいバラに別れを告げて旅に出る。いろいろな小惑星を訪ねた末に到着した地球で、王子さまはサハラ砂漠に不時着した飛行士に出会う。基本的に原作に忠実な造り。小惑星のセットが幻想的なムードを誘う。王子さまに“目に見えない物こそが大切だ”という重要な示唆を与えるキツネの役をジーン・ワイルダーが好演。王子は何度も質問するし、ヘビになったボブ・ホッシー等も登場する。原作者のサン=テグジュペリが飛行士であったことも、この映画からうかがえる。
[アニメ作品の感想]
ディズニーの「レミーのおいしいレストラン」(2007)や、『マレフィセント』(2014)を鑑賞した程度で、あまり詳しくはないが、レミー・・・の方は料理のビジュアルが美しく、機会があればまた観てもよいと思った。
[この作品の感想]
断片的なことしか伝えられないが、バラの声はマリオン・コティヤール等が担当していた。楽曲ではトレネの陽気なシャンソン「ブン」が使われていた。
多種の翻訳書により世界中で愛読される、有名な書籍の共通の王子のキャラクターのイラスト画が登場すると、親近感が沸いた。
この作品では、チコちゃんの様な顔の表現は一般的だが、都市の俯瞰図が半導体の回路のように見えたり、少女の勉強のプランが今風のダッシュボードで管理される様子は比較的現代的な表現だと思った。