原作ファンが手厳しい(?)福田雄一監督作品4選
既にサービス提供を終了した(にもかかわらず未だにレビュー投稿が続いている)某レビューサイトにおいて、福田監督作品はなかなかの低評価。私が観た作品だと「今日から俺は!!」以外総じて点数低いし、★1つ(=最低評価)の比率がものすごく高かったりしている。
ここまで自分の評価とギャップを生じているのは、逆に興味深くもあります。コアな原作ファンと福田イズムとの相性が決して良くはなかったという事なのでしょうか。今更ですが、ちょっと意外です。
以下、このサイトでは低評価ながら私的には楽しめた福田作品4選。良く出来てると思うんだけどなぁ。
銀魂(2017年)


某サイトの評価点(※レベル感は基本的に食べログの点数とほぼ一緒だと思って頂ければ)は2.6(2025/2/10時点)。★の数1(つまりは最低評価)の割合は驚異の47%。つまりこのサイトに評価を投じた観客の半数近くがクソつまらなかったと感じている作品という事になります。ちなみに当時の私の個人的評価は★4つでした。
公開当時に観ておよそ映画の体をなしていないと思えた本作。とはいえ、最初から最後まで"銀魂"節とでも言いたくなる原作の持ち味が福田イズムと完全に融合。豪華出演陣が原作のキャラクターそのままに本気で繰り出す銀魂ワールドのくだらないギャグのオンパレードに苦笑と爆笑を繰り返す131分。降参です。安っぽいC.G.も、パッとしない剣劇も、全てひっくるめて福田版"銀魂"は、おそらく空知英秋先生も納得のクオリティなのではないかと思えました。
実写化の報に心ときめくも、期待外れなら徹底的にこき下ろされるのが実写版の定め。いよいよ大団円を迎えつつあった原作に華を添える快作であると、銀魂ファンの一人として、私は拍手を送りたくなったのですが・・・

見よ!この再現力!!(笑)
斉木楠雄のΨ難(2017年)


某サイトの評価点は3.1&★の数1の割合は25%(私の個人的評価は★3つ)。
今回も笑いのツボは原作のそれ。違和感なく世界観と笑いをスクリーンで再現してくる。原作の持ち味の活かし方がハンパない。福田監督おそるべし。本作においてムロツヨシと佐藤二朗は友情出演程度の存在感でした。
山崎賢人と橋本環奈出演作とはいえ、今となってはどんな勝算があっての映画化だったのか。これまた良く判りませんでしたが、思ってた以上に笑えました。ゆずの主題歌も良かったです。

銀魂2 掟は破るためにこそある(2018年)


某サイトの評価点は2.8&★の数1の割合は44%(私の個人的評価は★3つ半)。
福田監督のノリをよしとしない原作ファンのなんと多い事か。私なんかはむしろ空知英秋先生のギャグ・センスとこれほど親和性のある監督さんは他にいないとまで思ってしまうのだけれど。
中盤以降の真選組の不穏分子と鬼兵隊との三つ巴の戦いは、邦画の典型的な悪い面が露呈してしまっているのは確かで、再三登場人物たちの都合で戦闘がパタッと止んでしまう。「2時間14分はちょっと長いですね」と小栗君が監督にダメ出ししたのは、実はここに問題があったのでは。
とはいうものの、私はこの劇場版「銀魂」が大好きであります。back numberの主題歌もイカシてるじゃあないですか。

<例外>今日から俺は!!劇場版(2020年)


某サイトの評価点は3.8&★の数1の割合も8%(私の個人的評価は6点)と、唯一平均点の高い本作。こう言っちゃなんですが、原作至上主義な“推し”がいるような作品じゃないのが幸いしているようです。
登場人物の相関図は「ビー・バップ」そっくりですが、そもそも二人とも高校デビューだし、真面目(?)なヤンキー漫画でもなんでもない。そんな漫画もあったねくらいだったのに、福田マジックで平成の終わりに復活し、令和の時代にブレイクしちゃった。もはや実写化のポイントの押さえ方も、映画化のツボも見切っているとしか思えない。あー面白かった。
劇場内は今から「ドラえもん」が始まるのかと見まごうばかりに子供連れ客が多かったのも印象深かったです。

アンダーニンジャ(2025)

某サイトの評価点は3.2&★の数1の割合は18%。危うく観に行くのを止めてしまうところでしたww。
従来食べログ程度にはその“支持率”(点数)を劇場に足を運ぶ際の参考にしていたこのサイトですが、「誰が(評価しているのか)」が不明なマスの集積は自ずと限界あります(ステマの温床にも)。その点Discover Usは完全なる個人主義。一番のストロングポイントでもありますね!
