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私の好きな映画

じょ〜い小川
2024/07/02 16:21

和製『ミスティック・リバー』と韓国ノワールを程よくブレンドしたサスペンス『罪と悪』

■罪と悪

(c)2023「罪と悪」製作委員会

〈作品データ〉

『アンダードッグ』(前後編)や『無頼』、『笑いのカイブツ』で助監督を務めた齊藤勇起監督のオリジナル脚本による小さな田舎町を舞台にしたサスペンス映画。晃と春と朔は同じ中学でサッカーをする少年だったが、ある日仲間の少年が川で遺体となって発見され、晃たちはある男を犯人と断定し、さらなる事件を起こしてしまう。それから20年後、刑事となった晃は父の死がきっかけで故郷に戻り、春や朔と再会するが、再び不可解な少年の殺人事件に巻きこまれることに。大人になった春役を高良健吾が演じ、他大東駿介、石田卓也、村上淳、市川知宏、勝矢、奥野壮、坂元愛登、田代輝、柴崎楓雅、石澤柊斗、深澤幸也、大槻ヒロユキ、朝香賢徹、しゅはまはるみ、蔵原健、中野英樹、成田瑛基、齋賀正和、大迫一平、安部賢一守屋茜、本田旬、桝田幸希、仁也、佐藤浩市、椎名桔平が出演。

 

・2月2日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー【PG12】

・上映時間:116分

・配給: ナカチカピクチャーズ

【スタッフ】

監督・脚本:齊藤勇起

【キャスト】

高良健吾、大東駿介、石田卓也、村上淳、市川知宏、勝矢、奥野壮、坂元愛登、田代輝、柴崎楓雅、石澤柊斗、深澤幸也、大槻ヒロユキ、朝香賢徹、しゅはまはるみ、蔵原健、中野英樹、成田瑛基、齋賀正和、大迫一平、安部賢一守屋茜、本田旬、桝田幸希、仁也、佐藤浩市、椎名桔平

 

公式HP:https://tsumitoaku-movie.com/

 

〈『罪と悪』レビュー〉

 随分シンプルなタイトルでいかにも原作小説がありそうでオリジナル脚本のサスペンスという高良健吾主演映画『罪と悪』

(c)2023「罪と悪」製作委員会

少年期と大人になってからのメインキャストらのストーリーが地元の川の周辺で起こる不可解な事件が軸になるなど色々と『ミスティック・リバー』を彷彿させながら、かつてサッカー少年だった大人たちの罪の意識を揺さぶるサスペンスに仕上がっている。

 

少年期にとんでもない事件に遭った少年たちが20年後に再び故郷の町で起こる殺人事件に巻きこまれるサスペンスに、かつてサッカーチームで仲間同士だった者たちがそれぞれ違う道を歩み、刑事、反社系の実業家、農家となって故郷で再会するヒューマンドラマが合わさっている。サスペンスパートは『ミスティック・リバー』風だが、メインキャスト3人のドラマや高良健吾が演じる春が社長をやっている反社系の企業と村上淳が演じる組長がいるヤクザ連中のいがみ合いなどはどことなく韓国ノワールっぽい雰囲気もあり、これらを和製変換にしたような日本映画である。

(c)2023「罪と悪」製作委員会

 少年期の春、晃、朔と事件に遭う正樹らのサッカー少年としての友情物語と彼らの一筋縄ではいかない家庭環境が大人になってからのそれぞれの職業や暮らしぶりにもリンクしていて、そこに少年時代に起こしたホームレスのおじさんとの事件が暗い影を落とし、それが20年後の少年殺人事件にも徐々に結びついていく。

(c)2023「罪と悪」製作委員会

そんな中で、パトカー内での刑事ドラマうんちくやチェイスシーンでかなり本気で走らされた勝矢や意外な所でひょっこり出てくる佐藤浩市やヤクザの組長を演じる村上淳やちょっぴりダーティーな刑事を演じる椎名桔平など中年俳優を楽しむ映画でもある。

(c)2023「罪と悪」製作委員会

 

春を演じる高良健吾や晃を演じる大東駿介のぎこちないセリフ回しや異様なまでの町全体の事なかれ主義・体質の強調などやや強引な展開があって、あちこちで穴があるサスペンスではある。けど、終盤の流れとラストのカタルシスがあったので良しとしたい。

多少の変な所を水に流せばそこそこの味わいはある。

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