2025年に観た映画(32) 「スーパーマン」

衝撃の展開で幕を開ける本作。テンポが良くてグイグイ引き込まれる。やってくれるな、さすがはジェームズ・ガン。冒頭からこちらのテンションも⤴となりました。
DC陣営の“顔”というよりも、アメコミ界そのものを代表する圧倒的認知度を誇るスーパーヒーロー。 本作の「全てのヒーローの原点にして頂点」というキャッチコピーは伊達じゃない。その実力ももはや神の領域に近いほど抜きんでたものだと思っていたのですが、最初から最後までこんなにも防戦一方のスーパーマンってのは前代未聞なんじゃなかろうか。
こちらはというと、1979年公開のクリストファー・リーヴ版「スーパーマン」を観たのが高3の夏。これと2年後に公開された「Ⅱ/冒険篇」の2作のみで、ヘンリー・カヴィル版は全て未見。久し振りに観た新作の「スーパーマン」は、見たこともない異能者達がまるでレギュラー陣のような顔で登場してきて、マーベル・ユニバース作品同様に他作品の予習だか復習だかが必要だったのかと思ったのですが、どうやらそういうわけでもないらしい。

新生DCユニバースの総監督を任されたジェームズ・ガン監督が、新たな世界観を構築する上でその“こけら落とし”に選んだ最初のヒーローが彼であり、思い切りよく起承転結の前半を省いた上で、今後の展開を見据えながら種を蒔いたと言えそうです。そして本作において、今の時代に相応しい悩めるヒーロー/愛すべきカル=エル像の誕生にも成功している。
この監督らしい音楽的嗜好がクラークとロイスの音楽の趣味に如実に反映されている一方で、音楽担当の2人、ジョン・マーフィとデヴィッド・フレミングが奏でる調べが、ジョン・ウィリアムズ作曲のかつてのテーマ曲へのリスペクト感に溢れていてジーンときてしまいます。
観終えて劇場の明かりが灯る直前、ちょっと拍手を送りたい気分にもなったのでした。
本作で登場したサブキャラ達が今後新たなDCユニバースを支えていけるのかは正直心許ないですが、そこはお手並み拝見。新生DCユニバースの今後を期待させるに十分な面白さでした。
№32
日付:2025/7/19
タイトル:スーパーマン | SUPERMAN
監督・脚本:James Gunn
劇場名:109シネマズ湘南 シアター10 <IMAXレーザー>
パンフレット:あり(¥990)
評価:6.5



- イントロダクション/ストーリー
- キャラクター紹介 本作/コミック
スーパーマン/クラーク・ケント
ロイス・レイン
レックス・ルーサー
その他
- スーパーマン シークレットファイル №001
- インタビュー ジェームズ・ガン監督
- 「スーパーヒーロー映画」に託した希望 中島かずき(脚本家・劇作家)
- 王道ヒーロー映画の」再定義」×ジェームズ・ガンの“パンクロック” 森直人(映画評論家)
- コミック映画の礎を築いたスーパーマン ギンティ小林(映画ライター)
- スーパーヒーローの原点にして頂点:スーパーマンの歴史 吉川悠(翻訳家)
- インタビュー デイビッド・コレンスウェット(スーパーマン)
- インタビュー レイチェル・ブロズナハン(ロイス・レイン)
- インタビュー ニコラス・ホルト(レックス・ルーサー)
- キャスト・コメント
- プロダクション・ノート
インタビュー ピーター・サフラン(プロデューサー)
インタビュー ベス・ミックル(美術監督)
インタビュー ステファン・セレッティ(視覚効果監修)
インタビュー ジョン・マーフィ&デイビッド・フレミング(音楽)
インタビュー ジュディアナ・マコフスキー(衣装デザイナー)
- スーパーマン シークレットファイル №002
- スタッフ・プロフィール/クレジット
