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【実話】貧しい村の少年が、世界的バレエダンサーになるまで

 

「小さな村の小さなダンサー」 2010年公開 117分
原題:MAO's LAST DANCER
制作国:オーストラリア
監督:ブルース・ベレスフォード
音楽:クリストファー・ゴードン
キャスト:ツァオ・チー、ジョアン・チェン、他

夢を叶えたサクセスストーリー?

©Last Dancer Pty Ltd and Screen Australia

 

 

冒頭の「貧しい村の少年が、世界的バレエダンサーになるまで」と聞くと、

一つの目標に向かって頑張る少年の
心あたたまるサクセスストーリーを想像してしまいませんか?

 

しかし、実際には180度違ったお話

 

そもそも主人公は、「バレエ」をやったことどころか、みたことすらない少年

 

国の命令で舞踊学院に入るも、落ちこぼれてしまい、
先生からは「この馬鹿が!」と罵声を浴びせられる毎日

 

そんな彼が、なぜ世界的に有名なバレエダンサーになったのか?

 

今回は、ふらっと立ち寄ったTSUTAYAで、何気なく手に取り、
その後一生忘れないほどの大好きな作品となった
実在するプロバレエダンサー リー・ツンシン氏の半生を描いた実話映画
「小さな村の小さなダンサー」をご紹介します。

 

 

500万人の1人として選ばれた逸材、リー・ツンシン

©Last Dancer Pty Ltd and Screen Australia

 

中国、山東省の貧しい村で父、母、6人の兄弟たちと暮らしていた11歳の少年、ツンシン

 

村には水道もなく、何キロも離れた井戸へバケツを担いで通い生活する日々
冬はマイナス20度近くになる極寒の地だが、暖房もない

 

そんな、とても「快適」とは呼べない環境の中で暮らしていたが、
家族のために一生懸命働く父と、まごごろいっぱいの母の元、
彼は幸せに暮らしていた。

 

そんなある日、学校へ政府の人間が「チェック」をしにやってきた。

 

彼らは生徒の顔や体つき、柔軟性を入念に検査し、
北京舞踊学院への入学がふさわしい者を選りすぐり、見事、ツンシンが選ばれる。
その確率は、実に500万人に1人だったとのこと


「国の命令だから」、「名誉あることだから」と、

彼は、大好きな家族から遠く離れた見知らぬ地へと、ひとり送り出されることに。


何のためのバレエ・ダンサー?

©Last Dancer Pty Ltd and Screen Australia

「小さな村の小さなダンサー」というのは邦題で、
原題は「MAO’S LAST DANCER」 つまり、「毛沢東の最後のダンサー」

 

そう、彼が北京へ連れてこられた理由は
特別な訓練をつけ、完璧なダンサーとして育て上げ、毛沢東政権の宣伝活動を行わせるため。

 

北京舞踊学院では、私達が知っているような、芸術的な美しいバレエではなく、
軍服を着用し、銃を持ち、威力を主張するような、独特な踊りを毎日厳しく教え込まれる。

 

文化大革命時代の激動の中国での半生を描いた作品であるため、
この部分はツンシンの人生を語る上で、
切っても切り離せない重要な部分と言えるパートでもあり、
後に起こる大事件でも、根深い「核」の部分として関わってきます。


やりたくもないバレエをやらされ、うまく踊れずに落ちこぼれるツンシンだったが、
そんな彼に転機が訪れます。

 

夜中にこっそり見た、本物のバレエ

©Last Dancer Pty Ltd and Screen Australia

 

皆が寝静まった後に、何人かで集まり「こっそり」観たビデオ

 

そこに映し出されたのは、世界的トップダンサーであるバリシニコフの優雅なダンス

 

今まで自分が訓練を強いられてきた、窮屈なものとは違い、
表現したいものを自由に、しなやかな動きで舞うバリシニコフの踊りを観て
初めて「バレエ」というものに魅了され、彼のように踊りたいと憧れるように。

 

落ちこぼれだった彼は、ここから人一倍体を鍛え、
みるみる他と差をつけ成長していき、アメリカ研修へと旅立つが
そこで予想もしなかった国をあげての大事件が起こる…。

 

🐈ここミロポイント🐾

©Last Dancer Pty Ltd and Screen Australia

 

主人公には、バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパル、ツァオ・チーを抜擢


彼の肉体美とともに披露される、安定感抜群な力強いバレエは、
どれも息するのを忘れてしまうほど美しく、
後半のクライマックスでは、遠くで暮らす家族への想いが踊りに合わさり、号泣不可避。


「圧巻」という言葉がこれほどまでにぴったりくることはないんじゃないか、とさえ思ってしまうほどの魂のこもった演舞に心の奥底が震えます。ぜひとも瞬きせずに観てほしい。


「アメリカに丸め込まれるな」と言われ、国に忠誠心を固く誓ったツンシンでしたが、
自由で開放的な新世界(アメリカ)での居心地の良さに「罪悪感」を覚え、戸惑い、葛藤する姿が丁寧に描かれており、観ていて一緒に複雑な気持ちになると同時に、そんな彼の人間味あふれる人柄にどんどん引き込まれていきました。

 

文化大革命時代の実際の様子など、歴史がおおきく動いた時の白黒映像が出てくる場面も必見。


井戸から飛び出したカエルが、今まで知らなかた外の世界を目の当たりにしたとき、
一体何が起こったのか。

 

ぜひ、ご堪能ください✨

 

ミロシネマ🐾

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小さな村の小さなダンサー


 

 

 

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1 件の返信 (新着順)
看護師おしず
2023/10/04 19:04

ミロさーん!!
ミロさんもシネマリストになられたのですね!嬉しい限り〜♡
お名前を見てソッコーコメントしちゃいました☺︎!


おしずさん🐰コメントありがとうございます🐈💓ありがたいことにシネマリストの仲間入りさせていただきました🐾
こちらでもインスタでも、引き続きよろしくお願いします🫶✨