音楽映画って最高 part2‼︎
暑すぎた夏の音楽フェスも終わり、年末の音楽フェス情報が届くころ。お目当てのバンドが何日に出演するのか?そのために、何かと忙しい年末のスケジュールを調整するのも楽しいこの頃です。
さて今回のコラムは音楽映画のパート2。今回も悩み、絞りに絞ってこの2本に決定🔥
『シング・ストリート 未来へのうた』
『セッション』
一部映画のストーリーについて触れています。
まずは
『シング・ストリート 未来へのうた』
「はじまりのうた」「ONCEダブリンの街角で」のジョン・カーニー監督の半自伝的作品。
➖簡単なあらすじ✍️➖
舞台は1985年のアイルランド、ダブリン。主人公のコナーは親の失業で荒れた学校に転校したがイジメを受け、家庭は両親のケンカが絶えず家庭崩壊の危機。唯一の楽しみは兄と一緒に音楽に触れることだった。ある日、年上女性のラフィーナに一目惚れし、思わず自身のバンドのMVへ出演交渉をする。が、実はバンドなど組んでいない、彼女を振り向かせる為に慌ててバンドを結成することになったコナー、さて…どうなるのか?
音楽だけでも充分楽しめますが、それ以外にも見どころがたくさん!
当時のアイルランドをリアルに映し、良好とは言えない環境で主人公コナーと共に、冴えない少年たちがバンドを結成し、音楽を通して成長していく、人生のバイブルにもなる映画と言っても過言ではないでしょう。
劇中で流れる曲、ライブシーンやMV、メイク、ファッションまでもが80年代で溢れ、リアムタイムでなくてもどこか懐かしさを感じられます。不況でも個性を出しオシャレを楽しむ所も素敵です。
でも現実はそんな楽しいことばかりではなく、当時のアイルランドでは離婚が認められてなかったようで、離婚寸前の夫婦が家族に与える影響の大きさを映画でも描かれていて、見ていて辛い。
頻繁に起こる夫婦喧嘩を音楽でかき消すシーンは、コナーの悲しみの中に喜びを見つける手段の一つ。音楽と愛しのラフィーナの存在がコナーを強くしていた。あとは音楽オタクの兄の存在も大きいですね、いいキャラしてます!
コナーはいい事も悪い事も全て受け入れ、それもバンドにプラスになると考えるところは、大人から見ても感心する。バンドに対してブレない姿勢は立派なプロ意識です。
曲の制作もアナログで面白くて味がある。そのアナログな手作り感が最終的には特別な物になっていくんだよねぇ、バンドの骨格になっていく。
それに曲の質とともに猛スピードで垢抜けていく彼らに目を離せなくなります。
\\ここで私の注目ポイント💡//
終盤、30分という設定のライブシーン、そこでバラードを入れるところ🔥短時間のライブやフェス、普通なら攻めるかキャッチーな曲で上手く纏めるのに、あえて即興でバラードとは!これには自信と男気の現れ、とにかくセンスを感じます!そのバラードから学校に対して皮肉たっぷりの曲へ持っていくところ!もう超ロックですね!落として上げる、オーディエンスの心の掴み方、わかってます☝️
14歳、ピンクに染まる頬がまだまだ可愛らしいコナーですが、自分の行く道を振り返らずに進むシーンは全力で応援したくなる‼︎ しかも大海原を彼女と2人、ボートで行くなんてもぅ青春じゃないですか?私はここで毎回泣きます☺️
自分を自由に表現できる世界と、愛する人ができると強くなれる!
そんな事を教えてくれる『シング・ストリート未来へのうた』オススメです。
つぎは
『セッション』
『シング・ストリート未来へのうた』とはテイストが全く違う映画。キーンと張り詰めた冷たい空気がスクリーンから伝わってきます。
監督は「ラ・ラ・ランド」「バビロン」などのデイミアン・チャザル。主演のひとりはマイルズ・テラー。まだ記憶に新しい「トップガンマーベリック」にも出演していましたが、それと比べると『セッション』のマイルズ・テラーは初々しいです。
➖簡単なあらすじ✍️➖
名門音楽学校に入学し世界的ジャズドラマーを目指すニーマン、そんな夢を持つ彼を待ち受けていたのは鬼教師のフレッチャー。彼の指導は人格否定や罵声を浴びせるなど、理想の演奏のためには暴力も辞さない。ニーマンも必死に付いていくが、フレッチャーの指導は狂気に満ちていく。
こちらもあまりにも有名な映画で、私にとって究極の音楽映画です!
ジャズとドラムシーンが目立つので、ジャズを知らないと面白さ半減?と思いがちですがそんな事はなく、師弟関係の在り方、夢と自分自身をどう守るのか、ニーマンの人格の変化など他にも色々と気付きがある映画です。
ニーマンはフレッチャーに気に入られていると自負し、手が切れるほど特訓をして、ようやくドラム主奏者の座を掴んだ。でもそれは自分の思い込みだったことを知る。それでも鬼の指導に食らいつこうとするのは何故か?プライド?世界的ドラマーになるという夢をどこかに忘れ、フレッチャーを負かす事に囚われているようにも思える。
後にニーマンはコンテスト直前に自分が運転する車で交通事故を起こしてしまう。学校も退学し、ドラムから離れることを選択する。
それに本作を語るには絶対に外せない、ラスト9分19秒に渡るドラムシーン。これはニーマンに対するフレッチャーの復讐から生まれた。たくさんいる演奏者が霞むくらい、二人が狂気のゾーンに入ったセッションは超必見です!
そのときに見せるフレッチャーの不気味な笑みは、遂に自分の求めていた完璧な演奏ができる!と言っているかのよう。きっとニーマンも何かを感じ取ったと思います。苦しめられ一度は離れた関係なのに、また同じ環境に身を置くニーマン、結局フレッチャーを尊敬し、同じ方向を向いていた、という事なのでしょう。
音楽で通じ合える、それを狂気という方法で極限まで見せる!その発想が凄いです。
\\ここで私の注目ポイント💡//
そのラストのドラムシーン。バンドで言えばドラムはベース同様、バンドのリズム隊で重要なポジションなんですけど、本作はニーマンのドラムがオケを引っ張るという設定が斬新で、とても面白かったです。わたしも先日ドラム、ベース、ギターのみのライブを鑑賞しました。ボーカル不在でしたが、リズム隊のみの演奏は素晴らしく、バンドの芯を見た気がしました。
さて話しを戻して、
限界の先に見える景色、その景色を見る覚悟はあるか?
を問われているかのような映画。怖いけど本作で擬似体験をするのもいいかもしれません。
という事で今回は対照的な2本の映画について書かせて頂きました。
秋の夜長に観る音楽映画に選んで頂けたら嬉しいです😄
よろしければ前回の音楽映画もご覧ください。
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