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Stella
2024/07/31 12:03

生誕130年のジャン・ルノワール (妻と画家の父の関連作品)

 来る9月から1か月かけて、東京日仏学院で、ジャン・ルノワールの生誕130年を記念した特集が開催される。

https://culture.institutfrancais.jp/event/cinema202409061006

■〈上映予定作品〉

  ‐マッチ売りの少女(1928)9/22に鑑賞済

  ‐牝犬(1931)

  ‐素晴らしき放浪者(1932)

  ‐トニ(1934)

  ‐ランジュ氏の犯罪(1935)

  ‐ピクニック(1936)

  ‐どん底(1936)

  ‐ラ・マルセイエーズ(1937)

  ‐ゲームの規則(1939)

  ‐この土地は私のもの(1943)

  ‐南部の人(1945)

  ‐浜辺の女(1946)

  ‐河(1950)

  ‐黄金の馬車(1952)

  ‐フレンチ・カンカン(1954)

  ‐恋多き女(1956)

  ‐コルドリエ博士の遺言(1959)9/22に鑑賞済

  ‐捕らえられた伍長(1962) 9/22に鑑賞済

  ‐ジャン・ルノワールの小劇場(1970)

 上映予定作品は、大体見ているので、今回は、観てないものを鑑賞する予定(9/22に3本観ました)。

今回は、一番興味のある「大いなる幻影」と、実際のジャン・ルノワールの妻のカトリーヌ・エスランが出演している「女優ナナ」を紹介する。

 加えて、ジャン・ルノワールの父親で偉大な画家オーギュスト・ルノワールが主人公の伝記映画「ルノワール 陽だまりの裸婦」を、関連作品として紹介する。

■「大いなる幻影(Le grande illusion)」(1937):アカデミー賞受賞作品

  第一次大戦のさなか、マレシャル大尉は敵情視察に飛び、ドイツ軍の捕虜となる。下町の機械工だった中尉(ジャン・ギャバン)と貴族出の大尉ではなにかと溝があり、収容所で一緒になった連中とも打ち解けないままに、脱走計画が企てられ一同は団結する。慰安演奏会の夜、占領されていたドーモン奪回の報が届く。中尉は感激に舞台に飛び上がって“ラ・マルセイエーズ”を高らかに歌う。首謀者の中尉は営倉入り。スイス国境に近いケーニヒスブルグの古城が次の彼らの向かう先。そこの所長は中尉たちを撃墜したフォン・ラウフェンシュタインで、大尉とは貴族同士の語らいを持つ。捕虜たちは中尉とユダヤ人ロザンタールだけでも逃がそうと行動を起こし、大尉が図らずも所長の銃に撃たれ犠牲となる。脱出に成功した二人は、やはり夫を戦地に送り出した子持ちの人妻エルザに匿われ、無事スイス側へと逃げ延びる。

●感想

 捕虜の慰問物資の缶詰めを話題にしたり、演奏会で女装する様子は、戦時ながらもほほえましい気持ちになる。またスイスの雪の中を逃げていく二人の様子は絵になり、気丈なエルザはクリスマスの日に中尉と心を交わす様子も詩的に描かれており、全般映像が美しい作品である。

 ジャン・ギャバンはジャン・ルノワール作品には多数(4本?)出演しているが、特に、この作品は男前さのある絶頂期のもの「フレンチ・カンカン」の方は落ち着いた初老の役になる。

■「女優ナナ(Nana)」(1926)

 ルノワールにしては、彼女しかありえないという打ってつけのヒロインに当時の妻エスランを擁し、見ごたえのあるエミール・ゾラの名作の映画化となった。生来のヴァンプである主人公ナナは男を渡り歩いて、場末の踊り娘から劇壇の寵児にまで成り上がる。パトロンとなったミュファ伯は奔放な彼女に振り回され、膨大な出費を重ね、やがては落ちぶれる。一方で若い二枚目役者フォンタンにうつつを抜かすナナも、あっさりと裏切られ破綻する。

★★ 関連作品:「ルノワール  陽だまりの裸婦(Renoir)」(2012)

 印象派の巨匠オーギュスト・ルノワールの晩年をミシェル・ブーケ主演で映画化した伝記ドラマ。彼のひ孫ジャック・ルノワールの原作を基に、病に苦しむルノワールが苦境の中で描き上げた最晩年の傑作“浴女たち”の誕生に秘められた物語を、彼の最後のミューズとなった女性アンドレとの関係を軸に描き出す。ジル・ブルドス監督作品。

 1915年、コート・ダジュール。晩年を迎え、病に冒され絵筆を持つことも困難になったルノワール。最愛の妻に先立たれ、そのうえ次男のジャンも戦地で負傷したとの知らせまで舞い込む始末。そんな失意のルノワールの前に、モデル志願の若い娘アンドレが現われる。その美しさに思いがけず創作意欲をかき立てられたルノワールは、彼女をモデルにした新たな裸婦像の製作に乗り出す。アンドレは「女優ナナ」を主演したカトリーヌ・エスランになる。

■最後に

 レンタルにはないので、美しい頃のジャンヌ・モローの歌唱シーンも観れるので、短編集にあたる「ジャン・ルノワールの小劇場」等は鑑賞しておいてもよいと思う。

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1 件の返信 (新着順)
Black Cherry
2024/07/31 15:32

「陽だまりの裸婦」みてみたいです✨
この前Stellaさんがご紹介されていた「丘の上の本屋さん」もみてみました とても良い作品でした☺️