そろそろ政治に興味持ちませんか?
選挙、行こうぜ!!
監督:ペヤンヌマキ
時間:114分
ドキュメンタリー映画
ことの発端は?
私が杉並区民じゃなくて悔しい!!
この選挙に行って投票したかったなぁ。本当にそれ位、主人公の岸本聡子さんに肩入れしてしまった。この作品、1月に東京のポレポレ東中野で公開され、その後札幌と沖縄で公開。しかも、この選挙はかなり話題にもなっていたようだし、結果もわかっている上で映画は作成されてます。恥ずかしながら、私は全く存じ上げず観たもので、後半の選挙結果には思わず涙が出てしまう程に、感情移入してしまいました。
そもそもは、杉並区に20年来住む、劇作家ペヤンヌマキさんが知った事実から始まった作品。ペヤンヌマキさんが、体調を崩して通った町医者に貼ってあった『杉並再開発でこの10年で新しく道路が出来るとこの医院は立退となり、継続が厳しくなります』の言葉と、署名運動。なぬっ⁉️こんなに長い事住んでる私も、寝耳に水だぞ、と区政を調べるとそれはそれは恐ろしいほどの理不尽な事実が判明しました。
正に自分が住んでるアパートも、新しい道路が通る事になっているではありませんか。
杉並区は57万人も住み、自然豊かな地域なんですね。立派なアケボノスギが散歩道にあり、それだって切られてしまう。区長選挙は、オリンピックみたいに4年に1度。現職の区長は3期12年続いてる。今の区政にNOを突きつけている区民のみなさん。既に杉並区を考える会が発足していました。しかし、この選挙に打って出る候補者がいません。そこへ白羽の矢が立ったのが、この岸本聡子さん。
岸本聡子は、杉並区に住んでもいないし住んでいた訳でもありません。しかも2ヶ月前までヨーロッパで活動していました。彼女は、新自由主義や市場原理主義に対抗する公共政策、世界の市民運動を自治体につなぐコーディネーター役を20年も海外でしていた逸材。しかも、海外で活動しながら日本に戻る前、自分が本当にやりたい事、キャリアを考えるプロセスでは、日本で市民と対話しながら政治に携わる事がやりたい事だとわかったと話す。突然の依頼と自らの意思。結果、出馬に踏み切ったが、これまたまぁ波瀾万丈、前途多難。彼女は、市民運動の大切さも大変さも知っている。今まで、杉並区の事を考えて活動してきた人々が、選挙に向けて動く岸本さんに自分たちの思いをそれぞれ伝える。いわゆる「ダメ出し」これは観ていても、まるで岸本さんを通して自分のやりたい事に向けて動かそうと利用してるようだったし、決して岸本さんはお人形さんではないのだ。もうすっかり岸本さんは疲弊していた。作中にもあるのだが、彼女を助けて応援する事だけで十分だったはずなのに、やれ政策だ、声が小さいだ、チラシがなんだかんだと、彼女が立候補者としての動きに集中出来ずにいた。
古参の活動家の高齢女性とのやり取りは、実に赤裸々で観ていてハラハラする程だった。
だが、このシーンがあるのとないとでは、全くこの作品としての印象が違っただろう。
最初は街頭で声を上げるのも、正直言って下手くそ。きっと元々は得意なはずなんだろうけど。それが立候補として投票7日前には、それはもう聞き惚れる程になっていました。
そして何より岸本さん自身の発する言葉が、非常にわかりやすく、常々私自身も感じているし、憤りを感じる部分が多く、何度も観ながら頷いてしまった。
現在、杉並区の女性区議の割合は
過半数超!
海外で活躍する女性の長を、ネットで見ながら話すシーン。市民のために体を張って抗議した為に逮捕歴があるにも関わらず、選挙で選ばれていた。日本だと絶対に無いね。もうどんな事あっても、前科者にそのチャンスは巡って来ない。この作品では、正にミュニシパリズムが行われていたと私は思う。聞き慣れない言葉だが、この作品を観終わる時には思わず言いたくなるし、誰かにちょっと教えたくもなる。なんなら歌もあるし、それをあのキョンキョン、小泉今日子が歌っているんだから、凄い事になっている。
日本はすっかり世界から置いて行かれた現在。外国人が『安くて安全な国』と喜ぶけれど、自国民は物価が高くて困っている。
選挙はひとつのツールだと言う。
国の言う事を聞かない、地域住民主体の民主主義、社会正義。日本中に広がれ!監督も全国で上映させたいと言ってますので、もしかしたら皆さんの街でも今後上映されるかもしれません。また、岸本聡子さんには、これからも名前の通り、公の心の声を聴く人で頑張って欲しいです。
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投稿を表示おもしろそうですね。
京都では上映したのかな、するのかな。
現在は東京と神奈川だけですね。
そしてこういう映画はディスク化もなかなかされませんね。
がちがちの既成政党で固まってる地域では政治は死んでます。