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私の好きな映画

cine-ma
2023/08/02 10:51

おススメしたい漫画実写版 佳作三選

石を投げれば人気漫画の実写版に当たりそうな今の邦画界。私が劇場で観た作品だけでもこの10年間でこんなにありました(最近観た順)。

君は放課後インソムニア(2023)
キングダムⅡ 遥かなる大地へ(2022)
メタモルフォーゼの縁側(2022)
恋は光(2022)
劇場版 きのう何食べた?(2021)
子供はわかってあげない(2021)
るろうに剣心 最終章 The Beginning(2021)
るろうに剣心 最終章 The Final(2021)
今日から俺は‼劇場版(2020)
翔んで埼玉(2019)
銀魂2 掟は破るためにこそある(2018)
BLEACH 死神代行篇(2018)
いぬやしき(2018)
坂道のアポロン(2018)
ちはやふる -結び-(2018)
斉木楠雄のΨ難(2017)
あさひなぐ(2017)
銀魂(2017)
無限の住人(2017)
ちはやふる -下の句-(2016)
ちはやふる -上の句-(2016)
海街diary(2015)
脳内ポイズンベリー(2015)
るろうに剣心 伝説の最期編(2014)
るろうに剣心 京都大火編(2014)

言わずと知れた大ヒットシリーズも含まれますが、その再現性の高さはさておき、個人的に満足度が高かったのが、こちらの三作品です。


①恋は光(2022)

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突拍子もないオープニングで始まる本作は、会話劇。
西条(神尾楓珠)と北代(西野七瀬)、東雲(平祐奈)とのやりとりは昭和30年代の日本映画や小津作品の日常会話のようで、これが心地良い。舞台となる岡山倉敷の風景がまたこれに合う。宿木(馬場ふみか)も加わる奇妙な四角関係の中においても最後までここを楽しめました。

西野七瀬。言わずと知れた元トップアイドル兼モデルの彼女を、女優として過小評価していた事を思い知りました。水嶋ヒロさんを連想させる神尾楓珠君はフジTVのドラマ「ナンバMG5」でイケメンヤンキーを好演していましたが、こんな役柄も出来るのね。二人の掛け合い、良かったです。

「恋とは、誰しもが語れるが、誰しもが正しく語れないものである」

シーロウ・キーター氏(笑)によるこの言葉は、けだし名言なのは間違いない。「文科系哲学恋愛映画」としての側面は、西条と東雲という超奥手の二人が純粋に追及する姿を観客も微笑ましく見守るだけ。恋とは結ばれてからその第二章が始まるものであるからして、本作はいい年した大学生によるプラトニックな恋愛ごっこではあります。

作品鑑賞後、原作に目を通してみました。原作の持つある種鬱陶しさを綺麗に整理整頓して映画に組み直した小林啓一監督の手腕を感じます。過去の作品を拝見したくもなりました。

観賞日:2022/6/24
タイトル:恋は光
監督・脚本:小林啓一
劇場名:TOHOシネマズ小田原 SCREEN7
パンフレット:あり(¥850)
評価:7点

(c)秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会

②脳内ポイズンベリー(2015)

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奇しくも同じ時期に公開されたピクサー作品「インサイド・ヘッド」とモチーフが被りまくっていた本作品。原作は2009年12月から連載開始という事なので、どうみても本家はこちらのようです。

これがね、面白かったです。
恋愛にトラウマを抱えるアラサー女性、櫻井いちこ(真木よう子)が心ときめいたのは7歳も年下のフリーター。いくべきか、いかざるべきか、彼女の脳内で擬人化された感情達が始めるてんやわんやの議論。
「守護天使」でも光っていた佐藤監督のキャスティング力は本作品でも健在で、旬な実力派俳優達によるドタバタ劇にかなり笑わせてもらいました。主人公いちこ役の真木よう子さんは、フジTV系列のドラマ「問題のあるレストラン」以降のほんわかキャラ路線が男心をくすぐります。

原作の漫画という"絵コンテ"を上手に実写化すると、こんな風に楽しい作品が生まれるという好例。もはやこのモチーフとプロットは、舞台化すれば三谷幸喜作品並に面白いお芝居にも生まれ変われるのではないかとさえ思えました。

観賞日:2015/5/16
タイトル:脳内ポイズンベリー
監督:佐藤祐市
劇場名:TOHOシネマズ小田原 SCREEN 3
パンフレット:あり(¥720)
評価:6.5

(C)水城せとな/集英社 (C)2015フジテレビジョン 集英社 東宝
(C)水城せとな/集英社 (C)2015フジテレビジョン 集英社 東宝

③海街diary(2015)

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今更紹介するまでもない、是枝監督の代表作ではありますが、やっぱり外せません。

四姉妹ものの元祖というと「若草物語」らしいですが、日本の映画・ドラマでは「細雪」「四季・奈津子」「華和家の四姉妹」「阿修羅のごとく」といった作品が引っ掛かかりました。NHKの朝ドラでも「ぴあの」「てるてる家族」の2作品が該当。
なるほど、いつの世も主役は女性・・・男四人じゃ絵にならないもんね。

古都鎌倉に暮らす三姉妹が迎え入れた四人目の家族との1年間の物語。彼女達を取り巻く関係者含め女性が主役のこの映画。味のある男性陣は脇に徹しスパイスを利かせる役回り。

古典的名作が四姉妹に用意したキャラクター設定は本作品にもしっかりと受け継がれていて、長女、次女、三女を三人の女優さんが素敵に競演。足し算と引き算の調和が取れた配役に、素材を生かす是枝監督のキャスティング力が光ります。この三人が各々個性を発揮しながら"家族"というチームプレイでも見事に連携。

そして作品の重要成功要因である四女には広瀬すずちゃんという50年に1人(自分調べ)の逸材に恵まれた。ここしばらくは老若男女に愛され続けるに違いない魅力的な新人女優さん(当時)をお姉様達が優しくフォロー。かくして鎌倉を舞台にした映画として末永く上位にランキングされるであろう心癒される佳作が生まれました。

漫画という表現手段が日本映画の隆盛の一翼を担っている事を証明する一作でもあります。

観賞日:2015/6/13
タイトル:海街diary
監督・脚本:是枝裕和
劇場名:TOHOシネマズ小田原 SCREEN1
パンフレット:あり(¥720)
評価:7.5

(C)2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会
(C)2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会
(C)2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会

 

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