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Stella
2024/04/14 23:01

アカデミー賞受賞「関心領域(The Zone of Interest)」とザンドラ・ヒュラー

 

 

■連休明け5/24 公開予定:「関心領域(The Zone of Interest)」(2023)

 本作は、アカデミー賞の国際長編映画賞・音響賞を受賞した。 

ジョナサン・グレイザー監督作品で、マーティン・エイミスの同名の小説を原作とした、アメリカ/イギリス/ポーランドの合作の歴史映画になる。ルドルフ・ヘス所長(クリスティアン・フリーデル)がアウシュヴィッツ強制収容所の隣に建てた新居で妻のヘートヴィヒ(ザンドラ・ヒュラー)との理想の生活を築こうとする。

(c)Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.
(c)Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.

 ■ザンドラ・ヒュラー(Sandra Hüller ) [4/30で46才の中堅のドイツの女優]

 2023年のホロコーストを題材とした歴史映画「関心領域」と法廷ドラマ映画「落下の解剖学」が公開されたことで彼女は国際的に知名度を上げた。特に「落下の解剖学」の方は、ヨーロッパ映画賞女優賞とセザール賞主演女優賞(英語版)を獲得した。

 もともと演劇の方のキャリアをもっていて、ドイツ、オーストリア、アメリカ、イギリスの映画に出演している様だが、正直なところ、私もよくわからないので、2-3の出演作品をみた。「希望の灯り」(2018)と「ありがとう、トニ・エルドマン」(2016)は主演作品。「ありがとう、トニ・エルドマン」の方は、実はツタヤ渋谷の店舗のテーマコーナにおいてあったので借りて観て痛快ではあったが、女優がザンドラであることは記憶していなかったので、今回2回目をみた。

 ちなみにドイツ映画の「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」(2021)等も面白い作品で、エヴァ・グリーン主演のフランス/ドイツ映画の「約束の宇宙(そら)」(2019)もユニークなテーマの作品でザンドラは助演で登場していた。

■過去の作品(1) 「ありがとう、トニ・エルドマン(Toni Erdmann)」(2016)

 マーレン・アデ監督によるコメディ映画で、彼女はヨーロッパ映画賞女優賞を受賞していた。ドイツに暮らす悪ふざけが大好きな初老の男性ヴィンフリート(ペーター・ジモニシェック)は、ルーマニアのブカレストでコンサルタント会社に勤める娘イネス(ザンドラ・ヒュラー)のもとをサプライズ訪問する。大きな仕事を任され忙しく働くイネスは、連絡もなくいきなり現われた父を持て余し、ぎくしゃくしたまま数日間をどうにかやり過ごす。ようやく帰国してくれたとホッとしたのも束の間、父は変なカツラを被って“トニ・エルドマン”という別人を名乗って再登場。そしてイネスの行く先々に神出鬼没に現われては、バカバカしい悪ふざけを繰り返して彼女の神経を逆なでしてしまうのだったが…。最終的には、いつしか忘れていた心の潤いを取り戻していくさまを個性あふれる筆致で描き出していく。

(C)Komplizen Film
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■過去の作品(2) 「希望の灯り(In den Gangen/In the Aisles)」(2018)

  トーマス・シュトゥーバー監督の長編2作目の作品。東西統一後のドイツを舞台に“負け組”とされた旧東ドイツ出身の人々のままならない日常と小さな幸せを綴ったクレメンス・マイヤーの短編「通路にて」を映画化したヒューマン・ドラマ。

 深夜の巨大スーパーマーケットで、内気な青年クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)は、在庫管理担当として働き始める。未知の世界に戸惑うクリスティアンに、上司の中年男ブルーノ(ペーター・クルト)は父親のような包容力で接し仕事のイロハを教えていく。そんな頼りがいのあるブルーノだったが、東ドイツ時代への郷愁に囚われている。ある時クリスティアンは、菓子部門で働く年上で夫のいる女性マリオン(ザンドラ・ヒュラー)と出会い心惹かれていくのだった…。

 ザンドラは、役作りをするためにフォークリフトの免許を取得しているという。

(c)2018 Sommerhaus Filmproduktion GmbH
(c)2018 Sommerhaus Filmproduktion GmbH

■「落下の解剖学」(アカデミー賞脚本賞)

(c)LESFILMSPELLEAS LESFILMSDEPIERRE

 筆者の記事はこちら。

 https://community.discas.net/announcements/ndz3stoyw9gyuy64

■ザンドラ・ヒュラーの印象<エルドマン・・すごい>

 まさに、飛ぶ鳥を落とすごとくの勢いの女優。華やかさはなく、美人とかかわいい系でもないが、普通のおねえちゃんからキャリアウーマン迄を演じれる幅広い引き出しをもった女優なので、50代からはさらに円熟した役をこなせる人の様に思う。「落下の解剖学」では、ドイツ人の小説家の役だが、フランス人夫との日常会話では英語を使用している。法廷で重要な部分は流暢ではないのでフランス語は使わないという設定は当然と思う。

 しかし、トニ・エルドマンの最後のNaked Partyは、よくやりました!と座布団5枚位の勢いで観てしまった。あの巨大な着ぐるみも不自然、異常なまでの滑稽さを傍観してしまった(汗)。親の気持ちはわかるが、執拗なまでのストーカーぶりに閉口する。アメリカのリメイク版も同様なのだろうか?

(C)Komplizen Film
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