絵になるパリが、シャンソンや写真と共に凝縮された映画
●はじめに
往年の好き映画?は、フランス映画の中でも何なのかしら?と考えてしまう。必要に応じて、同じ作品を何度も観ることはあるけど、大体、以下の様な特徴がある。
映像美が美しい / 古いモノクロ映画 / 絵のようなパリ
今回は、以下の普遍性のあるテーマで、3つの映画をセレクトする
★ 絵になるパリが、シャンソンや写真と共に凝縮された映画
■「巴里の空の下、セーヌは流れる(Sous le ciel de Paris coule la Seine) 」(1951)
パリに住む女性と、彼女を頼ってやってきた女性を中心に、ある日のパリの一日をつづった写実的な作品。二人の女性と緩やかに結びついた人物のエピソードを点描した映画だが、ネタバレにはなるが、実は哀しい物語。ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の名作。
劇中のシャンソン「パリの空の下」は、「パリタクシー」のリーヌ・ルノーが創唱し、あまりにも有名な曲だが、セーヌ川沿いでアコーディオンの伴奏で楽しそうに歌う群衆の様子も絵になるシーン。
■「アメリ(Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain)」(2001)
あまりにも有名なフランス映画を代表するコメディ映画。ジャン=ピエール・ジュネ 監督作品で、主演のアメリ役のオドレイ・トトゥに、マチュー・カソヴィッツやヨランド・モローが脇を固める。パリの舞台はモンマルトル。音楽もヤン・ティルセンのアコーディオン伴奏のシンプルで飽きないリズミカルな曲。
最近、改めて鑑賞してみて、好奇心たっぷりのアメリが、映画館でトリュフォーの「突然炎のごとく」を鑑賞しているシーンを発見した。映画鑑賞は、こういうのも醍醐味と感じる。
■「パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー 永遠の3秒(Robert Doisneau)」(2016)
1950年にアメリカの雑誌『LIFE』の依頼で撮影され、後に愛の国フランスを象徴する写真の1枚として世界的に知られるようになった“パリ市庁舎前のキス”。本作は、それを撮影したフランスの写真家ロベール・ドアノー(1912-1994)の人生と写真哲学を、生前のインタビュー映像やゆかりの著名人の証言を通して明らかにしていくドキュメンタリー。監督はドアノーの孫娘クレマンチヌ・ドゥルディル。
劇場で観劇した作品で、こんな貴重なドキュメンタリー映画のことを思い出した。(昔アナログ写真を少しかじったものの、全くうまくならなかったが)モノクロ写真を鑑賞することが好きで、パリを主に実写したフランス写真家だと、このドアノーと、アンリ・カルチェ=ブレッソンが好きすぎる。ジャズのCDにも、このようなパリや人物のモノクロ写真がジャケットに使われている事が多いので爆買いしたものだった。