映画『ラストマイル』観てきた
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日本のドラマはいつしか面白さを失いつつあり、それは予算のせいだとか、SNSの普及により声高に避難されがちなコンプライアンス規制のせいだとか、単純にテレビ離れのせいだとかと理由付けされたりもするが、そんな中でも異彩を放つモノづくりのプロは存在する。
それが、タッグを組めば必ずやヒットすると評されるプロデューサー・新井順子/監督・塚原あゆ子/脚本家・野木亜紀子のお三方である。
そんなお三方が生み出したドラマの中でも特に根強い人気のドラマが『アンナチュラル』と『MIU404』で、どちらも世界線がしっかりとしており、言わずもがな大ヒットした2作品で、いずれの登場人物たちにも、かなり多くのファンがいる。(ちなみに私はMIU404の伊吹藍のファンです♡)
そして主題歌はいずれも米津玄師だ。
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↑事件に対応するMIU404の面々。
そんな2作品と世界線を交差した"シェアードユニバース"ムービーが
本作『ラストマイル』である。
私は公開初日に時間の合う劇場の中スクリーンで観て、更に翌日に音響の良い大スクリーンで観た。1度目の予習により深く楽しめたので、この思いのまま感想を書こうと思う。
『ラストマイル』は流通業界最大手「DAILY FAST(通称デリファス)」にまつわる話。簡単に言うと○mazonの様なECサイト運営からのネットショッピング、配送にて顧客にまで商品を届ける物流サービスの世界線である。
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登場人物① 舟渡エレナ(満島ひかり)
デイリーファスト 西武蔵野ロジスティクスセンターに着任したばかりのセンター長。
ブラックフライデー3日前に福岡から転勤してきた。
登場人物② 梨本孔(岡田将生)
デイリーファスト 西武蔵野ロジスティクスセンターのチームマネージャー。
着任したばかりのエレナの部下にあたる。
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登場人物③ 八木竜平(阿部サダヲ)
羊急便 関東局オフィスの局部長
宅配便大手・羊急便は、その荷物の6割をデイリーファストが占める。
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登場人物④ 佐野昭(火野正平)
佐野配送の配送員。
羊急便が業務委託する小さな運送会社の代表。
登場人物⑤ 佐野亘(宇野祥平)
佐野配送の配送員助手。
それまでは家電メーカーHinomotoに勤め
高品質な洗濯機を作っていたが、昨今の価格競争の末、会社が倒産。職を失ったため、父親の職を継ぐ。
物語は、その6割をデリファスの商品配送が占める配送業者「羊急便」の業務委託会社である「佐野運送」の配送員である父親と息子ののどかなドライブシーンから一転、別の配送マンから届けられた荷物を受け取ったお客が開けた途端、ドカンっと爆風が吹き、アパートの窓が木っ端微塵に吹き飛ぶ鮮烈な爆発シーンへ移行する。
そんな不穏なシーンから始まった。
デリファスの恒例大セールイベントである
ブラックフライデーの前夜の出来事だった。
『ラストマイル』には実在する企業と、実際に起こった事件、そして物流2024年問題といった社会問題も折り混ぜられていて、とても他人事とは思えない身近な内容に、より一層の緊迫感を持って鑑賞した。あぁ、野木亜紀子さんの作品だなって感慨深かった。
大企業が自社の発展を追い求める余り
下に圧力をかけることによって
圧迫された下の層が持つ不満や不平は
いつぞや大きな感情の爆発を巻き起こす。
やたら起こる爆発シーンに
人の感情のそれが重なった。
便利すぎる世の中は、まだまだ発展途上で
それは人力で賄われていることがほとんどだ。
人は存外に壊れやすい、壊れるのは大抵弱い者からで、それをガラクタとして社会の除け者にしているといつか大きなしっぺ返しがくるということ。
しかし、大企業の中にいながらも、反旗を翻すエレナや孔、羊急便の八木さん、そして生真面目に一つ一つの荷物を真心込めて届ける事を天職とする佐野配送の佐野親子の様に社会のベルトコンベアで流されるだけではない抗える人がいるならまだ世の中も捨てたもんじゃないと思った。
映画で伝えようとされていた
真面目でお堅いメッセージとは裏腹に
登場人物たちのちょっと抜けてる人間味が
随所に垣間見えて、あぁこういうところが
人間っていいなと思えるところだった。
もちろん、アンナチュラルのUDIの面々や
MIU404の面々も同じ世界線で戦う人々の一端を担っていて、前2作のファンも楽しめたと思う。
なお、主題歌である『ガラクタ』は
鬼才・米津玄師が塚原さんに提出したところ
一度差し戻されて再提出した楽曲ということで
この映画にこの主題歌あり、の素晴らしい楽曲なので、ぜひこちらも堪能してほしい。
私は公開中、また観に行こうと思います!
(これぞという映画は何度も観たいタイプのオタク)
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投稿を表示この世の中に起こり得てもおかしくない作品なんですね〜。映画を通じて、この現状を世の中に訴えかけている様にも思いますね🤔
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