Dolls 恋という名の破滅。
Dolls 平成14年(2002年)公開
恋と乞い。切なくそこはかとない感情に揺さぶられる作品。
北野監督が「恋愛」をメインテーマとした異色作。
ストーリーは近松門左衛門作の「冥途の飛脚」(めいどのひきゃく)人形浄瑠璃の演目のひとつをモチーフとした男女3組によるそれぞれの悲哀をあらわした作品。これまでの「北野バイオレンス」よりも「残酷な現実」「暴力」を感じる。
映像美と音楽の絶妙な調和のとれた作品で北野監督ファンの中でも評価が高い。
ロシアでは約2年間のロングラン公開されこの作品を機にロシアで北野監督が人気にとなり、ロシア国内限定のパナソニックVIERAのCMへの起用にも繋がった。
ロシア人の心も鷲掴みしたこの作品。日本のアーチストにも影響を与えていた。
そのアーチストは浜崎あゆみ。作品から感化され作った曲が映画同タイトル「Dolls」。
ayu (オフィシャルサイト)より
この作品を最後に音楽監督の久石譲氏が起用されなれなくなる。以後の作品との相性を考えると何となく納得もする。10作目で節目を迎え、北野映画が次のフェーズへ向かった。
キタノブルー✖久石音楽×ファッションデザイナー山本耀司のコラボ
今作品の見どころは原色を基調にした四季折々の風景、世界的デザイナー山本耀司のモノトーンの衣装により映像美が際立っている。その映像に久石音楽のミニマムな切なさが掛け算された。奇跡のコラボの完成。作品として楽しめるが環境映像的な活用も可能と思う。
西島秀俊、実は・・・・。
主演の西島秀俊は北野監督の大ファンだった。ほぼすたみなと同性代の西島氏も「ビートたけしのオールナイトニッポン」のヘビーリスナーであった。同じくテープに録音していたという。
ファンである事を公言しなかった!
「Dolls」の主演になった時も内心相当うれしく、北野監督に「ファンだった」!事を伝えたいとおもったはず。しかしあえて言わずに演じた。そこは長年オールナイトニッポンを聴いていた西島氏も北野監督とファンの関係性や考えを聴いていたため「距離感の大切さ」を感じていたのかもしれない。私も北野監督に会って「あんちゃん!くだらね~な」と最上級の言葉をもらいたいと思うが、会わないままこの記事で監督の作品について書かせてもらえるだけでもありがたい!と思う。そんな西島氏とは劇場版MOZU、女が眠る時などで共演している。
そして、令和5年(2023)11月23日公開の「首」では明智光秀役で出演する。
Dollsの見て欲しい ポイント
- アイドル山口春奈 (深田恭子)の追っかけをしている温井( 武重勉)青木(アル北郷)の等身大のファン像。
- 山口春奈の歌うキミノヒトミニコイシテルがくせになる。※プロデュースはピチカート・ファイヴの小西康陽
- 佐和子(菅野美穂)の記憶喪失、精神崩壊した状態、その状態にしてしまった松本(西島秀俊)の贖罪感を見事に演じる。
- 親分(三橋達也)を待つ良子(松原智恵子)の病的な健気さ
- 季節の風景とそれに合う衣装との見事なコラボレーション
- 親分(三橋達也)の兄弟分の息子の役のホーキング青山の自然体な演技と印象に残る存在感。
愛と死。
この作品のテーマは愛と死。これまでの他の作品は愛のための「死」は美化をしているイメージ。
ドールズでは愛で死を包み込んでもやっぱり死は「残酷」なものと感じる。映像美もさることながらいろんな感性をもって観る事も出来る作品です。北野流の恋愛映画をご堪能下さい。
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投稿を表示恋と乞い‥まさにですね。
映像美とストーリー展開で不思議な気分に
なります
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