チーム 名画座
2024/11/20 22:38
昭和・平成シネマ画報 「明日に向って撃て!」「カッコーの巣の上で」
『明日に向って撃て!』(1969)
19世紀末に実在した2人のアウトロー、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。銀行や列車を襲い、逃走を繰り返しながらの刹那的生き方にしか光を見い出せない男たち。背後に迫る追跡隊の向こうには、やがて来る20世紀の工業社会の影が牙を研いで待っている。新たな時代に飲み込まれていくであろう2人。
「西部劇」の夕陽が沈まんとする時、時代の波に抗うように、錆びた銃口を向けて走るのだ。行き詰まる現代の若者の心の縮図を、西部劇の姿を借りて描いた「アメリカン・ニューシネマ」の名作です。
『カッコーの巣の上で』(1975)
ニコルソン時代の到来を決定づけた名作です。刑務所での強制労働がイヤだからと精神疾患を装い、まんまと逃れた男が連れて来られたのは州立精神病院。そこでは人間としての尊厳すら踏みにじるような恐るべき実態が横行していた。正義感など持ち合わせない彼であったが、次第に義憤にも似た感情が沸き起こる。強大な管理体制とちっぽけな男との闘い。絶対的権力の象徴とも言うべき病院婦長を演じたルイーズ・フレッチャーの、歯ぎしりしたくなるような苦々しい名演技にも引き込まれました。
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