正式な楽曲名を確認するため、エンドロールにしがみつく!
●はじめに
可能なかぎり、映画の楽曲もご紹介するといった手前、主な楽曲は何かを最後のエンドロールで確認する習慣(My Routine)がある。そんなわけで、今回は最近ネットで観た映画と、昨年末に劇場で観た映画のエンドロールのことを話題としたい。
ちなみに、4月の♪シネマ・フランセのイベントで、「田舎の日曜日」に登場するG.フォーレの室内楽の3曲のうち、エンドロールに、ピアノの入ってない室内楽曲1曲に”piano”が記載されるミスを、ピアニストの星野さんに見つけて頂いた。★やっぱりエンドロールの確認は重要と思う。
■「潜水服は蝶の夢を見る(Le scaphandre et le papillon)」(2007)
GW中は、ここ1-2年位の見逃がしたフランス映画を中心に鑑賞できた。この作品は最近でもないけど、見ていなかった。
ジュリアン・シュナーベル監督で、マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエがキャストで、ストーリーは、42歳という働き盛りに突然の病に倒れ、身体の自由を奪われてしまったELLEの元編集長ジャン=ドミニク・ボビーが、全身の中で唯一動く左目の瞬きだけで綴った奇跡の自伝ベストセラーを映画化した感動ドラマ。
今回は、タイトルの”潜水服”とか、エンドロールの”海”のイメージと関係することもあり、直ぐに聞こえてきた楽曲はシャルル・トレネのシャンソンの代表作「La Mer(ラ・メール)」(海)は軽快で素敵だけど、音楽に対し高い感度があると思われるマチュー・アマルリック出演の作品らしく、少し重いクラシック(バッハ)が流れてきたので後で確認しようと思った。今回も、文字が小さく読みずらいエンドロールをたどり、“J.S.BACH, BWV 1056 Largo”であることがわかった。<最近、バッハを聴きたくなり、どこから聴こうかと思案中>
●作品について
■「Vortex(ヴォルテックス)」(2021)
「アレックス」等の鬼才ギャスパー・ノエ監督が、自らの死が迫る老夫婦の日常を、2分割画面を使用し、それぞれの姿を同時進行で映し出していく異色のスタイルで描いた問題作。主演はホラー映画の巨匠ダリオ・アルジェントと「ママと娼婦」のフランソワーズ・ルブラン。息子とは離れて暮らしている老夫婦の夫は映画評論家で妻は元精神科医。夫は心臓に持病を抱える一方、妻は認知症を患っていた。妻の病状は日に日に悪化し、夫の手に負えなくなってくる。
この作品は、最初にエンドロールの様な楽曲がながれ、フランソワーズ・アルディの「Mon amie la Rose(ばらのほほえみ)」であることがわかった、最後の葬儀の場面でも素敵な曲がながれていたので、最後迄、楽曲をチェックした。パンフレットも購入していたのだが、ほとんどのパンフレットで、音楽についてのコラムがないのは残念。